Cisco Certified Network Associate(CCNA)参考書
ネットワークの基礎からルーティング・スイッチング・セキュリティ・自動化までを問う、シスコのアソシエイト資格 CCNA(試験コード 200-301)。実機(Cisco IOS)の設定・検証・トラブルシュートを軸に、6ドメイン(ネットワーク基礎/ネットワークアクセス/IP接続/IPサービス/セキュリティ基礎/自動化とプログラマビリティ)を対策します。
Cisco Certified Network Associate(CCNA)(CCNA)について
Cisco Certified Network Associate(CCNA)(CCNA)は、Cisco が提供するアソシエイトレベルの認定資格です。このページでは、試験範囲を全 6 章・28 節の参考書として体系的に解説し、本番形式の練習問題で理解度を確認できます。下の章一覧から順に読み進め、「問題集で演習する」で実力を試すのが効率的な学習の流れです。
試験で問われる分野(出題範囲の目安)
- ネットワークの基礎約 20%
- ネットワークアクセス約 20%
- IP接続(ルーティング)約 25%
- IPサービス約 10%
- セキュリティの基礎約 15%
- 自動化とプログラマビリティ約 10%
配点は本番試験の目安です。各分野は下の章・節で詳しく解説しています。
公式の試験情報:https://learningnetwork.cisco.com/s/ccna-exam-topics
1ネットワークの基礎
- 1.1ネットワークの構成要素とトポロジ
ルータ・L2/L3スイッチ・次世代ファイアウォール(NGFW)・IPS・APとWLC・エンドポイント・サーバ・PoEといった構成要素の役割、2-tier/3-tier/スパイン・リーフなどのトポロジ、SOHOやWAN、オンプレミス対クラウドの使い分けを、「この要件にはどの機器・どの構成が適切か」という設計判断として学びます。
- 1.2OSI・TCP/IPモデルとTCP/UDP
通信を階層で捉えるOSI参照モデルと実務のTCP/IPモデルの対応、上位データを下位ヘッダで包むカプセル化と各層のPDU、そしてTCP(信頼性・3ウェイハンドシェイク)とUDP(低遅延・コネクションレス)を「このアプリにはどちらが適切か」という判断として学びます。
- 1.3物理インタフェース・ケーブルとスイッチング
銅線(UTP)と光ファイバ(SMF/MMF)の選定、ストレート/クロスとAuto-MDIX、そしてL2スイッチの中核動作であるMACアドレス学習・エージング・フラッディングとMACアドレステーブルを、「距離/速度にどのケーブルを選ぶか」「なぜフレームが全ポートに漏れるのか」という判断・診断として学びます。
- 1.4IPv4アドレッシングとサブネット設計
IPv4アドレスの構造、プライベート/パブリックの区別、サブネットマスクとCIDR、必要ホスト数に応じて可変長で分割するVLSMを、「限られたアドレス空間を無駄なく配分する」設計判断として、手動検算しながら学びます。
- 1.5IPv6・無線・仮想化
128ビットのIPv6アドレス表記と種類(GUA/ULA/リンクローカル/マルチキャスト/エニーキャスト)とEUI-64、無線の基礎(2.4/5GHz・非重複チャネル1/6/11・SSID・暗号化)、そして仮想化(VM/コンテナ/VRF)を、設計・トラブルシュートの判断として学びます。
2ネットワークアクセス
- 2.1VLANとトランク
1台の物理スイッチを複数のブロードキャストドメインへ分割するVLAN、エンドホストを1つのVLANへ収容するアクセスポート、複数のスイッチをまたいで同じVLANを延伸するために802.1QタグでフレームをVLANごとに識別するトランクポート、タグを付けずに送る唯一のVLANであるネイティブVLAN、そして工場出荷時に全ポートが所属する既定VLAN(VLAN1)を、Cisco IOS の設定・検証コマンドとともに学びます。
- 2.2検出プロトコルとEtherChannel
直接接続された隣接機器を自動発見するCisco独自のCDPと業界標準のLLDP、そして複数の物理リンクを1本の論理リンクへ束ねて帯域と冗長性を両立させるEtherChannel(動的ネゴシエーションのLACP、L2/L3構成、show etherchannel summary による検証)を、Cisco IOS の設定・検証コマンドとともに学びます。
- 2.3STPとRSTP
冗長化したL2で発生するブロードキャストストームを防ぐスパニングツリー、Ciscoの既定モードであるRapid PVST+(VLANごとのRSTP)、ブリッジIDで決まるルートブリッジ選出、ポートの役割(root/designated/alternate)と状態(discarding/learning/forwarding)、そしてエンドホスト向けのPortFastと不正BPDUから守るBPDU Guardを、Cisco IOS の設定・検証コマンドとともに学びます。
- 2.4Cisco無線アーキテクチャ
APを個別管理する自律型(autonomous)、クラウドから集中管理するクラウドベース、そしてWLCとAPで役割を分けるスプリットMAC(WLC)の各アーキテクチャ、CAPWAPでWLCに接続する軽量APの各APモード、AP/WLCへの管理アクセス手段、そしてWLC GUIでのWLAN作成(SSID・WPA2 PSK・QoSプロファイル・advanced設定)を学びます。
- 2.5管理アクセス
ネットワーク機器を運用管理するための接続経路——物理直結で帯域外のコンソール、暗号化のないTelnetと暗号化されるSSH、Web GUIのHTTP/HTTPS——と、それらへのログインを外部サーバで一元認証するAAAプロトコルのTACACS+(Cisco独自・TCP49・AAA分離・全ペイロード暗号化)とRADIUS(業界標準・UDP・認証と認可を統合)を、Cisco IOS の設定とともに学びます。
3IP接続(ルーティング)
- 3.1ルーティングテーブルの読み方とフォワーディング決定
show ip routeが出力する各行のルーティングプロトコルコード・プレフィックス/ネットワークマスク・ネクストホップ・AD(アドミニストレーティブディスタンス)・メトリック・最終ゲートウェイ(gateway of last resort)を読み解き、パケットの転送先をロンゲストマッチ→AD→メトリックの順で決めるルータの判断ロジックを、実機出力の診断を通じて学びます。
- 3.2静的ルーティング(IPv4/IPv6)
管理者が手で経路を入れる静的ルーティングを、宛先ネットワークへのネットワークルート・単一ホスト宛のホストルート・すべての未一致を受けるデフォルトルート・バックアップ用にADを上げたフローティングスタティックの4類型で理解し、ip route/ipv6 routeの設定と検証を実機目線で学びます。
- 3.3単一エリアOSPFv2の隣接関係とネットワークタイプ
リンクステート型IGPであるOSPFv2(AD110・帯域幅ベースのコスト)の単一エリア構成を、Helloによる隣接関係(ネイバー)の確立条件(エリア・タイマ・サブネット・MTUの一致)と、ポイントツーポイント/ブロードキャストというネットワークタイプの違い、そしてrouter ospf/network/ip ospfの設定とshow ip ospf neighborでの検証を通じて学びます。
- 3.4OSPFのDR/BDR選出とルータID
ブロードキャストネットワークで隣接数の爆発を抑えるDR(代表ルータ)/BDR(バックアップ代表ルータ)の役割と、優先度(既定1・0はDR不参加)→ルータIDの順で決まる選出、選出が非プリエンプティブである性質、そしてルータIDが手動→最高ロープバックIP→最高物理IPの順で決まる仕組みを、show ip ospf neighborのDR/BDR/DROTHER表示の診断を通じて学びます。
- 3.5FHRP(HSRP)による第1ホップ冗長化
ホストのデフォルトゲートウェイを冗長化するFHRPの目的と、Cisco独自のHSRPの動作——1台のActiveが仮想IP/仮想MAC宛を転送しStandbyが待機する仕組み、優先度(既定100・高い方がActive)による役割決定、そして障害復旧後にフェールバックさせるためのプリエンプト設定を、実務のフェールオーバー設計目線で学びます。
4IPサービス
- 4.1NATとPAT
内部のプライベートアドレスをグローバルアドレスへ変換するNATの役割、1対1固定のスタティックNAT・プールを使うダイナミックNAT・ポート番号で多対1に集約するPAT(オーバーロード)の使い分け、inside local/inside global の用語、そして ip nat inside/ip nat outside の付け間違いや変換テーブルから原因を切り分ける判断力を学びます。
- 4.2DHCP・DNS・NTP
IPアドレスを自動配布するDHCPのDORA動作とサーバ/クライアント/リレーエージェント(ip helper-address)の役割、ホスト名をIPへ解決するDNSの役割、機器の時刻を階層的に同期するNTPのstratumとクライアント/サーバ設定を学び、「別セグメントの端末にIPが配られない」等の障害を切り分ける判断力を身につけます。
- 4.3SNMPとSyslog
機器を監視・管理するSNMPのv2c(コミュニティ)とv3(認証・暗号化)の違い、応答不要のトラップと確認応答つきインフォーム、そして機器イベントを記録するSyslogの重大度レベル0〜7(0 emergency 〜 7 debug)とファシリティ、logging trap のレベル指定が「その値以下(より重大)を全て取り込む」意味を、運用要件から判断できるように学びます。
- 4.4QoS・SSH・ファイル転送
トラフィックを識別・優先するQoSのper-hop behavior(分類・マーキング(DSCP)・キューイング・輻輳管理・超過分を破棄するポリシング・バッファで平滑化するシェーピング)、暗号化された遠隔管理を実現するSSHの設定前提(RSA鍵・ドメイン名)とTelnetとの違い、そしてIOSイメージ/設定を転送するTFTP・FTP・SCPの使い分けを、実務判断として学びます。
5セキュリティの基礎
- 5.1セキュリティ概念とセキュリティプログラム
脅威(threat)・脆弱性(vulnerability)・エクスプロイト(exploit)・緩和策(mitigation)という基本語彙とリスクの関係、代表的な攻撃手法(マルウェア/フィッシング/DoS/中間者/なりすまし)への対抗、そして技術だけでは守れないユーザ意識向上・トレーニング・物理アクセス制御を組み合わせた多層防御を、「この状況で何が最も効く緩和策か」を判断できるように学びます。
- 5.2デバイスアクセス制御とAAA
ルータ/スイッチへのアクセスを守るローカルパスワード(enable secret・ラインパスワード・username secret)とTelnetより安全なSSH、パスワードポリシー(複雑性・管理・MFA・証明書・生体認証)、そして認証・認可・アカウンティングを集中管理するAAAと外部サーバプロトコルTACACS+(TCP49・Cisco独自・コマンド単位認可)/RADIUS(UDP・標準・認証認可統合)の使い分けを、実機設定と要件から判断できるように学びます。
- 5.3ACL(アクセスコントロールリスト)
IOSでトラフィックを許可/拒否するACLの種類(番号付き/名前付き、標準(1-99/1300-1999・送信元のみ)と拡張(100-199・送信元/宛先/プロトコル/ポート))、末尾の暗黙のdeny、ワイルドカードマスク、そして標準は宛先近く/拡張は送信元近くという配置原則を、設定・検証コマンドと合わせて「要件どおりに絞り込む」判断ができるように学びます。
- 5.4レイヤ2セキュリティ
スイッチポートに接続できるMACを制限するポートセキュリティ(違反モードprotect/restrict/shutdown・スティッキMAC)、不正なDHCPサーバを排除するDHCPスヌーピング(信頼/非信頼ポートとバインディングテーブル)、そのバインディング情報を使ってARPなりすましを防ぐDynamic ARP Inspection(DAI)を、攻撃シナリオから「どのL2対策を組み合わせるか」を判断できるように学びます。
- 5.5VPNと無線セキュリティ
公衆網上に安全な通信路を作るVPN(個人が拠点へつなぐリモートアクセスVPNと拠点間を結ぶサイト間VPN、機密性/完全性/認証を担うIPsec)、そして無線LANの暗号化規格WPA/WPA2/WPA3(WPA3のSAE・PMF必須)とパーソナル/エンタープライズの違い、WPA2 PSKのGUI設定を、要件に応じた方式選択として判断できるように学びます。
6自動化とプログラマビリティ
- 6.1ネットワーク自動化と従来型 vs コントローラベース
ネットワーク自動化が運用にもたらす一貫性・速度・スケール、機器が「経路を決める」コントロールプレーンと「実際に転送する」データプレーンの分離、各機器が個別に判断する従来型(分散)と中央のコントローラが判断を集約するコントローラベースの違い、そして運用データから異常を見抜くAI/MLの活用を、実務判断として学びます。
- 6.2SDNアーキテクチャとファブリック
物理的な下地のアンダーレイと論理的なオーバーレイ、その両者を束ねるファブリック、Ciscoのキャンパス向け自動化SD-Access、コントローラとアプリをつなぐノースバウンドAPI(N-S)とコントローラ間をつなぐイーストウェストAPI(E-W)、そして自動化と保証を担うクラウド管理ダッシュボードCisco Catalyst Center(旧DNA Center)を学びます。
- 6.3REST APIとデータ形式
コントローラや機器を自動化から操作する土台となるREST APIの性質(ステートレス・HTTP上で動く)、CRUD操作とHTTPメソッド(POST/GET/PUT/DELETE)の対応、成否を示すHTTPステータスコード(200/201/4xx/5xx)、そしてデータ交換の主役JSON({}オブジェクト・[]配列・キーと値・データ型)の読み取りを、実務の観点から学びます。
- 6.4構成管理ツール(Ansible・Terraform・Puppet/Chef)
設定をコードとして管理するIaC(Infrastructure as Code)の考え方、冪等性の意味、専用エージェント不要でSSH経由・プッシュ型・YAMLで書くAnsible、宣言的にインフラを構築するTerraform、そしてエージェント常駐・プル型のPuppet/Chefの位置づけを、ツール選定の判断として学びます。

