第5章 · セキュリティの基礎·v1.0.0·更新 2026/7/17·読了目安 約17分
変更要約: 初版
5.3ACL(アクセスコントロールリスト)
この節の要点
IOSでトラフィックを許可/拒否するACLの種類(番号付き/名前付き、標準(1-99/1300-1999・送信元のみ)と拡張(100-199・送信元/宛先/プロトコル/ポート))、末尾の暗黙のdeny、ワイルドカードマスク、そして標準は宛先近く/拡張は送信元近くという配置原則を、設定・検証コマンドと合わせて「要件どおりに絞り込む」判断ができるように学びます。
ACLはルータ/スイッチ上で「どのトラフィックを通し、どれを止めるか」を1行ずつ順番に判定するルールの並びです。実務では「特定サーバへの特定ポートだけ止めたい」「ある部門から別部門への通信だけ遮断したい」といった要件を、標準か拡張か、どのインタフェースのin/outに、どの順番で書くかという判断に落とし込みます。順序や配置を誤ると意図しない通信まで遮断してしまうため、仕組みの正確な理解が不可欠です。
5.3.1標準ACLと拡張ACL
- 標準ACL=送信元IPアドレスのみで許可/拒否を判定する。番号範囲は1-99(拡張範囲1300-1999)。判定材料が送信元だけなので、送信元に近い場所に置くと「その送信元から全宛先への通信」をまとめて落としてしまう。そのため宛先に近いインタフェースに配置して、必要な通信を巻き込まないようにするのが原則。
- 拡張ACL=送信元IP・宛先IP・プロトコル(TCP/UDP/ICMP等)・ポート番号まで指定して細かく判定する。番号範囲は100-199(拡張範囲2000-2699)。狙った通信だけをピンポイントで止められるので、送信元に近いインタフェースに配置して不要なトラフィックを早い段階で落とし、無駄な帯域消費を防ぐのが原則。
- 名前付きACL=番号の代わりに意味のある名前を付けるACL(
ip access-list standard 名前/ip access-list extended 名前)。標準/拡張の別は指定するが、シーケンス番号で行を挿入/削除でき編集性が高いのが番号付きに対する利点。番号付き・名前付きはあくまで識別方法の違いで、判定能力は標準/拡張の別で決まる。

