第5章 · セキュリティの基礎·v1.0.0·更新 2026/7/17·読了目安 約16分
変更要約: 初版
5.2デバイスアクセス制御とAAA
この節の要点
ルータ/スイッチへのアクセスを守るローカルパスワード(enable secret・ラインパスワード・username secret)とTelnetより安全なSSH、パスワードポリシー(複雑性・管理・MFA・証明書・生体認証)、そして認証・認可・アカウンティングを集中管理するAAAと外部サーバプロトコルTACACS+(TCP49・Cisco独自・コマンド単位認可)/RADIUS(UDP・標準・認証認可統合)の使い分けを、実機設定と要件から判断できるように学びます。
ネットワーク機器そのものが乗っ取られれば、その機器が守っていたトラフィックはすべて危険にさらされます。だからこそ、ルータ/スイッチへの管理アクセスを堅牢にすることは最優先の対策です。この節では、単体機器のローカルパスワード設定から、多数の機器を集中管理するAAA(外部サーバによる認証・認可・アカウンティング)まで、「小規模なら何で足りるか」「大規模・監査要件があるなら何が必要か」を判断できるようにします。
5.2.1ローカルパスワードとSSH
- 特権EXECモード(
enable)はenable secretで保護する。enable secretはハッシュ(既定でtype5、より新しいIOSではtype8/9のscrypt)で保存され、平文が復元できない。旧来のenable passwordは暗号化されず脆弱なので使わない。ラインパスワードやtype7表示を弱く隠すservice password-encryptionは可逆で本質的な保護にはならない点に注意。 - コンソール(
line console 0)とVTY(line vty 0 4=Telnet/SSH用の仮想回線)にはそれぞれpassword+login、あるいはlogin local(ローカルDBのusername/secretで認証)を設定する。username 名前 secret パスワードでユーザ単位のアカウントを作れる(passwordよりsecret=ハッシュ保存が安全)。 - TelnetはIDもパスワードもコマンドも平文で流れるため、リモート管理には必ずSSHを使う。SSH有効化には(1)ホスト名とドメイン名の設定、(2)
crypto key generate rsaによるRSA鍵生成、(3)ローカルユーザ作成、(4)line vtyでtransport input sshを指定、が必要。SSHv2の使用が推奨される。

