第4章 · IPサービス·v1.0.0·更新 2026/7/17·読了目安 約17分
変更要約: 初版
4.4QoS・SSH・ファイル転送
この節の要点
トラフィックを識別・優先するQoSのper-hop behavior(分類・マーキング(DSCP)・キューイング・輻輳管理・超過分を破棄するポリシング・バッファで平滑化するシェーピング)、暗号化された遠隔管理を実現するSSHの設定前提(RSA鍵・ドメイン名)とTelnetとの違い、そしてIOSイメージ/設定を転送するTFTP・FTP・SCPの使い分けを、実務判断として学びます。
帯域が有限である以上、音声・映像のような遅延に厳しいトラフィックと、多少遅れても支障のないバックアップ通信を同じ優先度で扱うと通話が途切れます。そこでQoSで重要トラフィックを優先します。また、機器を遠隔管理する経路が平文だと認証情報が盗まれるためSSHで暗号化し、IOSや設定ファイルの授受には用途に応じた転送プロトコルを選びます。この節では、これらを「要件に対してどれを選び、どう設定するか」という実務判断として学びます。
4.4.1QoSのper-hop behavior
- QoSは各ホップ(機器)でパケットをどう扱うか(per-hop behavior)を制御する。まず分類(classification)でトラフィックを種類ごとに識別し(ACL・NBAR等)、マーキング(marking)でパケットに優先度の印を付ける。L3では IPヘッダのDSCP(6ビット・音声はEF=DSCP46が代表)、L2では 802.1Q のCoSを使い、下流の機器はこの印を信頼して優先制御する。
- 混雑時の扱いにはキューイング(queuing)(優先キューLLQに音声を入れる等、送出順を制御)と輻輳回避(WREDなど、キューが満杯になる前に一部を先に破棄)がある。帯域超過分の制御には2方式:ポリシング(policing)は超過分を破棄(または再マーキング)しバッファしない=遅延を増やさないが破棄が起きる。シェーピング(shaping)は超過分をバッファに貯めて後で送る=トラフィックを平滑化するが遅延(レイテンシ)が増える。

