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Cisco Certified Network Associate(CCNA) のナレッジマップ

Cisco Certified Network Associate(CCNA) の主要概念 83 件と、そのつながり。上のマップでノードをクリックすると関連用語や前提をたどれます。下は全概念の索引で、定義と「前提・関連する概念」への内部リンクを掲載しています。

概念一覧(83)

  • ブロードキャスト

    同一ネットワークセグメント内の全ホストへ一斉にデータを送る通信方式。多くのパブリッククラウドの仮想ネットワーク(VPC/VNet 相当)は既定でブロードキャストをサポートしないため、オンプレ前提のアプリをそのまま移行しようとすると設計の見直しが必要になる。

  • OSPF

    リンクステート型のIGP(内部ゲートウェイプロトコル)。各ルータがネットワーク全体のトポロジ情報(LSA)を共有し、リンクの帯域から算出したコストを合計して最小コスト経路を選択する。エリア分割による階層化で大規模ネットワークに対応し、リンクステート型のため経路変化時の収束が速い。既定のアドミニストレーティブディスタンスは110。

    関連: アドミニストレーティブディスタンス(AD)

  • VLAN(仮想LAN)

    物理的な配線を変えずに、スイッチのポートを論理的な複数のブロードキャストドメインに分割する技術。IEEE802.1QのタグVLANはフレームにVLAN IDのタグを付与し、1本のトランクリンクで複数VLANを区別して伝送する。異なるVLAN間の通信にはL3スイッチやルータによるVLAN間ルーティングが必要。

    前提: ブロードキャスト

    関連: L3スイッチ

  • フラッディング

    L2スイッチが宛先MACアドレスをMACアドレステーブルに保持していない場合や、宛先がブロードキャスト・マルチキャストアドレスの場合に、受信ポートを除く全ポートへフレームを送出する動作を指す。未学習の宛先解決に有効な反面、多用されると帯域を圧迫し、ループ構成下ではブロードキャストストームの原因にもなる。

    前提: マルチキャストブロードキャストブロードキャストストームL2スイッチ

  • DHCP

    ネットワークに接続した機器へIPアドレスなどの通信に必要な設定情報を自動的に割り当てるプロトコル。管理者が機器ごとに手動でIPアドレスを設定する手間を省ける。

  • PortFast

    PCなど末端ホストのみを接続するアクセスポートで、STPのリスニング/ラーニング状態を省略し即座にフォワーディング状態へ移行させるCisco機能。DHCPクライアントの起動待ちなどSTP収束待ちに起因する遅延を解消するが、スイッチ同士を接続するポートには設定してはならない(ループの危険)。

    前提: DHCPアクセスポートとトランクポートSTPのポート状態(ブロッキング/リスニング/ラーニング/フォワーディング)

  • ブロードキャストストーム

    L2ネットワークにループがある状態で、TTLを持たないブロードキャストフレームがスイッチ間を無限に周回・増幅し続け、CPU使用率の急上昇と回線の輻輳でネットワークを機能不全に陥らせる障害。STPによるループ防止で未然に回避できる。

    前提: ブロードキャスト

  • RADIUS

    認証・認可・アカウンティング(AAA)を集中管理するプロトコル。無線LANやVPN、IEEE802.1X環境で認証サーバとして用いられ、利用者ごとの認証情報を一元管理してネットワークアクセスを制御する。

    関連: IEEE802.1X(ポートベース認証)

  • 軽量AP(Lightweight AP)

    それ自体では設定を保持せず、WLCからCAPWAPトンネル経由で常時制御・設定配布を受けて動作するアクセスポイント。単体のIPアドレスを設定するだけでよく、多数拠点への大規模展開・一元管理に向く。自律型APと対比される。

    前提: 自律型AP(Autonomous AP)

    関連: CAPWAP

  • RSTPとRapid PVST+

    RSTP(IEEE 802.1w)は元のSTP(802.1D)の4状態(ブロッキング/リスニング/ラーニング/フォワーディング)をディスカーディング/ラーニング/フォワーディングの3状態に整理し、代替ポート(バックアップ経路)や提案/合意(proposal/agreement)機構により収束を大幅に高速化する。Rapid PVST+はRSTPをVLANごとに独立して動作させるCisco独自の実装で、VLANごとに異なるルートブリッジやロードバランシングを構成できる。

    前提: ルートブリッジとその選出VLAN(仮想LAN)

  • WPA2-PSKとWPA2-Enterprise

    WPA2には認証方式が2種類ある。WPA2-PSK(WPA2-Personal)は全端末が共通の事前共有鍵(パスフレーズ)で認証する簡易な方式で家庭・小規模拠点向き、WPA2-Enterpriseは802.1X/RADIUSで端末・利用者ごとに個別認証する方式で、大規模組織や利用者単位のアクセス管理に向く。

    前提: IEEE802.1X(ポートベース認証)RADIUS

  • アクセスポートとトランクポート

    アクセスポートは単一VLANにのみ属するスイッチポートで、フレームにVLANタグを付与せず端末を収容する。トランクポートは複数VLANのフレームを1本の物理リンクで転送するポートで、IEEE 802.1Q等でVLANタグを付与して識別する。トランクではネイティブVLAN(タグなしで転送する既定VLAN)の不一致がセキュリティ上の問題(VLANホッピング等)を招きうる。

    前提: VLAN(仮想LAN)

    関連: ネイティブVLAN

  • L2スイッチ

    MACアドレスに基づきデータリンク層でフレームを転送するスイッチで、MACアドレステーブルの学習・参照によりポート単位でフレームを中継する。IPアドレスやルーティングを扱わず同一ネットワーク(同一サブネット・VLAN)内の転送に限られ、異なるネットワーク間の通信にはL3スイッチやルータが必要となる。VLANやSTPの実装単位でもある。

    前提: VLAN(仮想LAN)

    関連: L3スイッチ

  • ルートブリッジとその選出

    ルートブリッジはSTPが構築するツリー型トポロジの根となる基準点で、全スイッチが自身からルートブリッジへの最短経路を計算する基準になる。選出はBPDUに含まれるブリッジID(ブリッジプライオリティ+MACアドレス)が最小のスイッチが自動的にルートブリッジとなり、プライオリティが同値の場合はMACアドレスが小さい方が選ばれる。管理者はプライオリティ値を明示的に下げることで意図したスイッチをルートブリッジに固定できる。

  • スパニングツリープロトコル(STP)

    L2ネットワークで冗長経路(ループ)が形成された際、ブリッジID(優先度+MACアドレス)が最小のスイッチをルートブリッジに選出し、冗長なポートを自動的にブロッキング状態にしてループとブロードキャストストームを防ぐプロトコル。収束を高速化したRSTPもある。

    前提: RSTPとRapid PVST+ブロードキャストブロードキャストストームルートブリッジとその選出

  • STPのポート状態(ブロッキング/リスニング/ラーニング/フォワーディング)

    STPは収束するまでポートを段階的に遷移させ、ループを防ぎながらトポロジを安定させる。ブロッキング状態はBPDUのみ受信しフレーム転送もMAC学習も行わない状態、リスニング状態はBPDUを送受信してトポロジ計算を行うがまだ転送しない状態、ラーニング状態はMACアドレス学習を開始するが転送はまだしない状態、フォワーディング状態はユーザトラフィックの送受信とMAC学習の両方を行う最終状態である。

    前提: MACアドレス学習

  • サブネットマスク

    IP アドレスのうちネットワーク部とホスト部の境界を示す値(例 255.255.255.0)。CIDR のプレフィックス長と表裏一体の表現で、オンプレのネットワーク機器や一部のクラウド設定ではこのドット区切り表記が使われる。

  • AAA(認証・認可・アカウンティング)

    ネットワーク機器やサービスへのアクセス制御を担う3つの機能の総称。認証(Authentication)は利用者が誰かを確認し、認可(Authorization)は確認済みの利用者に何を許可するかを決め、アカウンティング(Accounting)は実行内容を記録する。Cisco機器ではRADIUSやTACACS+をAAAサーバとして利用しこれらを一元管理する。

    前提: TACACS+RADIUS

  • CAPWAP

    軽量AP(Lightweight AP)とWLCの間でトンネルを確立し、制御情報とクライアントデータを転送するためのトンネリングプロトコル。制御用のCAPWAPコントロールトンネルとデータ用のCAPWAPデータトンネルを分けて確立する。

    関連: 軽量AP(Lightweight AP)

  • Catalyst Center(旧DNA Center)

    Ciscoの企業ネットワーク向け一元管理コントローラ。機器の自動検出・一括プロビジョニング、SD-Accessのポリシー配布、アシュアランス(健全性の可視化)、REST APIによる自動化の起点を1つのダッシュボードに統合する。旧称DNA Center。

    関連: SD-Access

  • EtherChannel

    複数の物理スイッチポートを1つの論理リンクとして束ねるCiscoの実装名称で、束ねる制御にLACP(標準規格)またはPAgP(Cisco独自)のいずれかを使う。STPからは1本の論理リンクとして見えるため、リンク単位でのブロッキングを避けつつ帯域と冗長性を得られる。

    前提: リンクアグリゲーション(LACP)

    関連: PAgP(Port Aggregation Protocol)

  • HSRP(Hot Standby Router Protocol)

    FHRPを実現するCisco独自プロトコル。グループ内で最も優先度(priority)が高いルータがアクティブルータとなって仮想IP/仮想MACアドレスを担当し、次点はスタンバイルータとして待機する。アクティブルータが復旧した際に自動的に主導権を取り戻すかどうかはプリエンプトの設定で決まる。

    関連: FHRP(First Hop Redundancy Protocol)

  • エージング(MACアドレステーブル)

    L2スイッチのMACアドレステーブルの各エントリに設定される寿命。一定時間(Ciscoの既定は300秒)通信のないエントリは自動的に削除(エージングアウト)され、テーブルの肥大化を防ぎ、移動した端末を正しく再学習できるようにする。

    前提: L2スイッチ

  • 隣接関係(OSPFアジャセンシー)

    2台のOSPFルータがLSAを交換し合い、互いのリンクステートデータベースを完全に同期させた状態(Fullステート)。Hello交換だけで留まる隣接(2-Wayステート止まり)とは異なり、アジャセンシーが確立した相手同士のみが経路情報を実際に交換する。ルータID重複・Hello/Deadタイマー不一致・エリア番号不一致などが確立を妨げる典型的な原因となる。

    前提: Hello/Deadタイマー(OSPF)LSA(Link State Advertisement)ルータID(OSPF)OSPF

  • LSA(Link State Advertisement)

    OSPFルータが自身に接続するリンクの状態(インタフェース・コスト・接続先等)を広告する情報単位。全ルータから収集したLSAの集合がリンクステートデータベース(LSDB)を構成し、各ルータはこれを基にSPFアルゴリズムで最短経路木を計算する。LSAの種類(Type 1〜等)によって広告範囲や内容が異なる。

    前提: OSPF

  • TACACS+

    機器管理(デバイスへのログインやコマンド実行の可否)向けのAAAを提供するCisco独自プロトコル。TCPを使い、パケット全体を暗号化し、認証・認可・アカウンティングを独立したプロセスとして扱える点で、UDPを使い認証と認可を1つのパケットにまとめ主にネットワークアクセス制御に使われるRADIUSと役割が異なる。

    前提: RADIUS

  • ワイルドカードマスク

    ACLやOSPFのnetworkコマンドで、対象アドレス範囲を指定するために使うビットマスク。サブネットマスクとは0/1の意味が逆で、0のビットは一致必須、1のビットは任意(don't care)を表す。多くの場合サブネットマスクを反転した値になる。

    前提: OSPFサブネットマスク

  • マルチキャスト

    特定のグループに参加したホストにだけ一斉配信する通信方式。ブロードキャスト同様クラウドの仮想ネットワークでは標準サポートされないことが多く、必要な場合はトランジットゲートウェイのマルチキャスト機能のような専用サービスを使うか、設計をユニキャスト前提に置き換える。

    前提: ブロードキャスト

  • IEEE802.1X(ポートベース認証)

    LANのポート単位でアクセス認証を行う規格。サプリカント(端末)が認証サーバ(RADIUS)に認証されるまで、スイッチのポートはEAPoLによる認証通信のみを許可し通常のデータ通信を遮断する。認証成功後にポートが開放される。EAP-TLSはクライアント証明書による強固な相互認証方式。

    関連: RADIUS

  • アドミニストレーティブディスタンス(AD)

    複数のルーティングプロトコル(経路情報源)間で、どの経路情報をより信頼できるとみなすかを示す値。小さいほど優先される。同一プレフィックス長の経路が複数プロトコルから学習された場合、メトリック比較の前にADで情報源の優先順位を決める(例:静的1・OSPF110・RIP120)。

    関連: メトリックOSPF

  • ARPスプーフィングと対策

    偽装したARP応答をLANに送り、被害端末のARPテーブルにIPアドレスと攻撃者MACの誤った対応を登録させ、通信を攻撃者経由に中継させる(中間者攻撃の入口)攻撃。対策はスイッチのDHCPスヌーピングで作った正当なIP-MAC対応表を用い、ダイナミックARPインスペクション(DAI)で不正なARPを遮断すること。

    前提: DHCPDHCPスヌーピング

  • IPv4アドレス

    32ビットで表現されるインターネット層のアドレス。ネットワーク部とホスト部からなり、サブネットマスクまたはCIDR表記(例:/24)でその境界を示す。アドレス枯渇のためNAPTやIPv6併用で運用されることが多い。午前IIではサブネット計算・CIDR集約の基礎として頻出。

    前提: IPv6アドレスサブネットマスク

  • IPv6アドレス

    128ビットで表現されるインターネット層のアドレス。8つの16ビットフィールドをコロン区切り16進数で表記し、連続する0のフィールドは「::」で1回のみ省略できる。プレフィックス長で表しネットワーク部とインタフェースID(下位64ビット)からなる点がIPv4のサブネットマスクと異なる。

    前提: サブネットマスク

  • L2ループ

    スイッチ間を冗長経路で接続した際にSTP等のループ防止機構が働かないと発生する、レイヤ2ネットワーク上の経路ループ。ブロードキャストフレームが宛先MACアドレスなしにループ上を無限に増幅・循環するブロードキャストストームや、MACアドレステーブルの不安定化を引き起こし、ネットワーク全体を機能不全に陥らせる。

    前提: ブロードキャストブロードキャストストーム

  • L3スイッチ

    L2スイッチの高速な物理・データリンク層処理に、ネットワーク層のルーティング機能を統合したスイッチで、VLAN間ルーティングなどをハードウェア(ASIC)処理により高速に行う点がソフトウェアルーティング中心のルータと異なる。1台でVLANの作成とVLAN間の中継を完結できるため、大規模LANの基幹(コア)スイッチとして広く用いられる。

    関連: L2スイッチVLAN(仮想LAN)

  • MACアドレス学習

    L2スイッチが受信フレームの送信元MACアドレスと受信ポートの対応をMACアドレステーブル(FDB)に動的に記録する機能で、以降その宛先MACアドレス宛のフレームは該当ポートへのみ転送される。学習前や未学習の宛先の場合はフラッディングでフレームを送出する。一定時間参照されないエントリはエージングアウトにより削除される。

    前提: エージング(MACアドレステーブル)フラッディングL2スイッチ

  • ポートセキュリティ

    スイッチのポートごとに、学習・許可するMACアドレス数の上限や特定のMACアドレスを設定し、上限超過や未許可MACの検出時にポートを遮断またはフレームを破棄する機能。大量の偽装送信元MACでテーブルを溢れさせるMACアドレステーブルオーバーフロー(MACフラッディング)攻撃を防ぐ。

    前提: フラッディング

  • QoS(優先制御・帯域制御)

    限られた帯域を共有する複数トラフィックの通信品質を制御する仕組み。遅延・ジッタに敏感な音声/映像には優先制御(プライオリティキューイング)を、バーストするトラフィックにはシェーピング(超過分をバッファし送出を平滑化)やポリシング(超過分を破棄/マーキング)を適用する。DiffServ(DSCP)でクラス分けする。

    前提: DSCPとPHBトラフィックシェーピングとポリシング

  • DHCPスヌーピング

    スイッチのポートを信頼済み(正規のDHCPサーバ接続)と非信頼(一般端末)に分類し、非信頼ポートからのDHCPサーバ応答(OFFER/ACK)を破棄する機能。不正なDHCPサーバによる偽のゲートウェイ配布(中間者攻撃)を防止する。

    前提: DHCP

  • YAML

    インデントで階層を表す、人が読み書きしやすいテキスト形式。CloudFormation や各種 IaC ツール、CI/CD パイプラインの設定ファイルで好まれ、同じデータを JSON とも相互変換できる。

    前提: JSON

  • 多要素認証(MFA)

    パスワードに加え第二の要素で本人確認を強化する仕組み。

  • Ansible(ネットワーク自動化)

    YAML形式のPlaybookに望ましい構成を宣言的に記述し、SSHやAPI経由でエージェント不要(エージェントレス)に多数のネットワーク機器へ一括適用する構成管理ツール。Pythonで書かれたモジュールが機種ごとの差異を吸収し、同じPlaybookを繰り返し実行しても結果が変わらない冪等性を重視する。

    前提: べき等性構成管理YAML

  • 自律型AP(Autonomous AP)

    WLCに依存せず、AP自身が設定・無線制御機能を単独で保持し完結して動作するアクセスポイント。小規模拠点や単体設置に向くが、台数が増えると1台ずつ個別設定・管理する必要がありローミングや集中監視も難しくなる。

  • BPDU Guard

    PortFastを設定したポートでBPDU(STPの制御フレーム)を受信した場合に、そのポートを即座にerr-disable状態にして遮断するCisco機能。末端ホスト専用のはずのポートにスイッチが誤接続・不正接続された場合の、意図しないトポロジ変化やループを防ぐ。

    前提: PortFast

  • CDP(Cisco Discovery Protocol)

    隣接するCisco機器同士がデバイス種別・ホスト名・IPアドレス・接続ポートなどの情報をL2で交換し、トポロジを把握するためのCisco独自プロトコル。ベンダー非依存のLLDPと異なりCisco機器間でのみ動作するが、情報漏えいのリスクから外部接続ポートでは無効化することがある。

    前提: LLDP(Link Layer Discovery Protocol)

  • DORA(DHCPの4ウェイメッセージ)

    DHCPがIPアドレスを割り当てる際の4段階のメッセージ交換:クライアントがブロードキャストするDiscover、サーバが提案を返すOffer、クライアントが希望を明示するRequest、サーバが確定するAcknowledgeの頭文字。既存リースの更新時はDiscover/Offerを省いたRequest/ACKのみで済む場合がある。

    前提: DHCPブロードキャスト

  • DSCPとPHB

    DSCP(Differentiated Services Code Point)はIPヘッダのフィールドにパケットの優先度クラスを刻印する仕組みで、EF(音声等の最優先転送)・AF(保証転送、クラスとドロップ優先度で細分)・CS(旧IP優先度との互換)等の値がある。各ネットワーク機器はDSCP値に応じた転送挙動(PHB=Per-Hop Behavior)をホップごとに独立して適用し、送信元から宛先まで一貫したQoSを実現する。

  • DTP(Dynamic Trunking Protocol)

    隣接スイッチのポート同士でトランクの自動ネゴシエーションを行うCisco独自プロトコル。利便性がある一方、意図せずトランクが成立するとVLANホッピングの糸口になるため、セキュリティ上は不要なポートでDTPを無効化(nonegotiate)するのが推奨される。

    前提: VLAN(仮想LAN)

  • LLDP(Link Layer Discovery Protocol)

    IEEE 802.1ABで標準化された、ベンダーに依存しない隣接機器発見プロトコル。CDPと同様に隣接デバイス情報をL2で交換するが、Cisco機器以外の異機種混在環境でもトポロジ把握に使える点が異なる。

  • ネイティブVLAN

    トランクポート上でIEEE 802.1Qのタグを付与せずに転送される既定のVLAN。トランク両端でネイティブVLANの設定が一致していないと、フレームが誤ったVLANに届いたりVLANホッピング攻撃を許したりする問題が生じる。

    前提: VLAN(仮想LAN)

    関連: アクセスポートとトランクポート

  • OSPFの代表ルータ選出(DR/BDR/DROTHER)

    マルチアクセス網(イーサネット等)でOSPFが全ルータ間のフルメッシュな隣接を避けるための仕組み。優先度が最も高いルータがDR(代表ルータ)、次点がBDR(バックアップ代表ルータ)に選出され、他の全ルータ(DROTHER)はDR/BDRとのみフル隣接を形成し、経路情報はDRを介して間接的に交換される。これによりLSA交換の量を大幅に削減できる。

    前提: OSPF

  • OSPFネットワークタイプ

    OSPFがインタフェースの物理特性に応じて隣接形成の挙動を変えるための分類。イーサネット等のブロードキャストネットワークタイプではDR/BDRの選出が行われるのに対し、シリアル回線等のポイントツーポイントネットワークタイプでは接続相手が1台しかないためDR/BDR選出が行われず、双方が直接フル隣接になる。ネットワークタイプの不一致はHelloパケットの不整合を招き隣接形成を妨げる。

    前提: 分類ブロードキャストOSPF

  • PAgP(Port Aggregation Protocol)

    EtherChannelの束ねを自動ネゴシエーションするCisco独自プロトコル。標準規格であるLACPと役割は同じだが、Cisco機器同士でのみ利用でき、モードにはdesirable(能動)とauto(受動)がある。

    前提: リンクアグリゲーション(LACP)

    関連: EtherChannel

  • PMF(Protected Management Frames)

    無線LANの管理フレーム(認証解除(デオーセンティケーション)/切断(ディスアソシエーション)等)を暗号化・認証保護する仕組み。保護がないと第三者が偽の切断フレームを送りつけるDoS攻撃(認証解除攻撃)が容易になるため、WPA3では必須化されている。

    前提: WPA3とSAE

  • REST API(ネットワーク自動化)

    HTTPのメソッド(GET/POST/PUT/DELETE等)でリソースを操作する設計原則に基づくAPI。Catalyst Centerのようなコントローラへの問い合わせや設定変更をJSON形式のデータでやり取りでき、CLIへ1台ずつログインする代わりにスクリプトから多数の機器を一括操作できる。

    前提: Catalyst Center(旧DNA Center)JSON

  • SD-Access

    Ciscoのインテントベースネットワーキング製品群で、VXLANによるオーバーレイのファブリック(論理ネットワーク)を物理配線に依存しないアンダーレイの上に構築し、Catalyst Centerからポリシー(誰が・何に・どうアクセスできるか)を集中的に定義・自動配布するアーキテクチャ。手作業のCLI個別設定を減らし、セグメンテーションの一貫性と展開速度を高める。

    前提: オーバーレイとアンダーレイ

    関連: Catalyst Center(旧DNA Center)

  • split-MACアーキテクチャ

    CAPWAPトンネル上で、802.11のMAC層機能をAPとWLCとで分担するアーキテクチャ。ビーコン送出やアクノリッジなどリアルタイム性の高い処理はAP側に残し、認証やローミング判断などの管理機能はWLC側に集約することで、多数のAPを一元制御しつつ無線特有の即応性を確保する。

    前提: CAPWAP

  • スティッキーラーニング(ポートセキュリティ)

    ポートセキュリティで、動的に学習したMACアドレスを実行コンフィグへ自動的に書き込み、以後は許可済みMACアドレスとして固定する設定モード。手動で1件ずつMACを打ち込む静的登録と、再起動のたびに学習し直す動的学習の中間に位置し、運用の手間を抑えつつ持続的な制御を得られる。

    前提: ポートセキュリティ

  • WLC(Wireless LAN Controller)

    複数の軽量AP(Lightweight AP)を一元的に集中管理する装置。SSID・無線チャネル・電波出力・ローミングなどの設定と制御をWLCに集約することで、AP単体では個別設定していた作業を自動化・一元化できる。

    前提: 軽量AP(Lightweight AP)

  • 分類

    教師あり学習で、カテゴリ(ラベル)を予測する(例:スパムか否か)。

  • 生体認証

    指紋・顔・虹彩・静脈などの身体的特徴(生体情報)を用いて本人確認を行う認証方式。多要素認証の「生体情報」要素として使われる。精度の指標に、本人を誤って拒否する割合の本人拒否率(FRR)と、他人を誤って受け入れる割合の他人受入率(FAR)があり、両者はトレードオフの関係にある。

    前提: 多要素認証(MFA)

  • べき等性

    同じ操作を何度実行しても結果が変わらない性質。分散システムではネットワーク再送やリトライでリクエストが重複しやすく、べき等な設計(べき等キーの利用など)があれば重複配信されても安全に処理できる。

  • IPsec

    IPパケット単位で暗号化と認証を行うプロトコル群。サイト間VPN(オンプレとクラウドVNet/VPCの接続)で経路を暗号化するのに使われ、両端の暗号化・整合性・鍵交換の設定が一致していないとトンネルが確立しない。

    前提: サイト間VPNとリモートアクセスVPN

  • JSON

    波括弧とキー・値のペアで構造化データを表す軽量なテキスト形式。API のリクエスト/レスポンスや IAM ポリシー・バケットポリシーのような権限定義など、機械可読性を重視する場面で広く使われる。

  • DHCPリレーエージェント

    DHCPのDISCOVER等はブロードキャストでルータを越えないため、DHCPサーバが無いセグメントのクライアントが別セグメントのサーバを使えるよう、各セグメントのルータ(デフォルトゲートウェイ)に設定する中継機能(IPヘルパー)。受信したDHCPブロードキャストを指定サーバへユニキャストで中継する。1台のサーバで複数サブネットに配布できる。

    前提: DHCPブロードキャスト

  • プライベートアドレス

    RFC 1918で定義された組織内ネットワークでのみ使用するIPv4アドレス空間(10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16)。インターネット上ではルーティングされず、外部通信にはNAPTによるグローバルアドレスへの変換が必要となる。

    前提: IPv4アドレス

  • SDN(Software-Defined Networking)

    経路制御を担うコントロールプレーンと、パケット転送を担うデータプレーンを分離し、SDNコントローラがネットワーク全体を把握して経路制御を集中計算し、OpenFlow等で各スイッチに転送ルールを配信するアーキテクチャ。機器ごとの個別設定に頼らない集中制御・自動化を実現する。

    前提: コントロールプレーンとデータプレーン

  • サイト間VPNとリモートアクセスVPN

    サイト間VPNは拠点のVPNゲートウェイ同士を常時接続し拠点内の全端末が透過的に利用するのに対し、リモートアクセスVPNは個々の端末にクライアントソフトを導入し個人単位で社内網へ接続する。前者は拠点間通信、後者はテレワーク等の個別アクセスに適する。

  • 構成管理

    成果物・文書・ベースラインのバージョンを識別・記録し、承認された変更のみを反映して整合性を保つ活動。統合変更管理と連携し、どの版が正式なベースラインかを常に一意に追跡できるようにする点で重要。

  • VLSM(可変長サブネットマスク)

    1つのアドレス空間を、部門やセグメントごとに必要なホスト数に応じて異なる長さのサブネットマスクで分割する手法。各セグメントに過不足のないサイズを割り当てることでアドレスの無駄を抑え、攻撃対象領域の不要な拡大も避けられる。

    前提: サブネットマスク

  • WPA3とSAE

    無線LANのセキュリティ規格WPA3が採用する鍵確立方式SAE(Simultaneous Authentication of Equals、Dragonfly)。WPA2-PSKの4ウェイハンドシェイクが抱えたオフライン辞書攻撃の弱点を、通信傍受だけでは総当たり検証できない方式で解消する。

    前提: WPA2-PSKとWPA2-Enterprise

  • CRUD操作

    データやリソースに対する基本操作の頭文字。作成(Create)・読み取り(Read)・更新(Update)・削除(Delete)を指し、RESTful APIではそれぞれ一般にHTTPのPOST・GET・PUT(またはPATCH)・DELETEに対応する。

    前提: REST API(ネットワーク自動化)

  • FHRP(First Hop Redundancy Protocol)

    複数の物理ルータを1台の仮想ルータとして見せ、端末のデフォルトゲートウェイ(最初のホップ)を冗長化する一群のプロトコルの総称。標準規格のVRRPやCisco独自のHSRP・GLBPが代表例で、いずれも仮想IPアドレスを介して端末設定を変えずにゲートウェイ障害からの自動復旧を実現する。

    前提: VRRP(ゲートウェイ冗長)

    関連: HSRP(Hot Standby Router Protocol)

  • フローティングスタティックルート

    本来使われるプライマリ経路(動的経路や別の静的経路)よりも大きいアドミニストレーティブディスタンスを意図的に設定したバックアップ用の静的経路。平常時は経路表に載らず使われないが、プライマリ経路が消えたときだけ自動的に採用され、簡易なフェイルオーバーを実現する。

    前提: アドミニストレーティブディスタンス(AD)

  • Hello/Deadタイマー(OSPF)

    OSPFが隣接ルータの生存を確認する周期を定める2つのタイマー。Helloタイマーの間隔でHelloパケットを送り合い、Deadタイマー(既定でHelloの4倍)の間Helloが届かなければ隣接ルータをダウンとみなし経路を再計算する。隣接するインタフェース間でHello/Deadタイマーの値が一致していないと隣接関係が形成されない。

    前提: OSPF

  • ルータID(OSPF)

    OSPFプロセスがネットワーク内でルータを一意に識別するために使う32ビットの値。明示的に手動設定しない場合、ループバックインタフェースの最大IPアドレス、なければ物理インタフェースの最大IPアドレスが自動選出される。ルータID重複は隣接関係の形成を妨げる典型的な障害原因となる。

    前提: OSPF

  • メトリック

    ルーティングプロトコルが最適経路を選定するために用いる数値指標。ホップ数・帯域幅・遅延・コストなど、プロトコルごとに異なる基準で算出され、値が小さいほど優先される経路として経路表に採用される。同一プロトコル内での経路比較に用い、異なるプロトコル間の比較にはアドミニストレーティブディスタンスが用いられる。

    関連: アドミニストレーティブディスタンス(AD)

  • オーバーレイとアンダーレイ

    アンダーレイは物理スイッチ・ルータで構成される実際の転送基盤(IP到達性)を指し、オーバーレイはその上にVXLANやGREなどのトンネリングで構築される論理ネットワークを指す。オーバーレイは物理トポロジに依存せず柔軟な仮想ネットワーク・セグメンテーションを実現する。

  • トラフィックシェーピングとポリシング

    シェーピングは規定速度を超えるトラフィックをバッファにキューイングして送出間隔を平滑化し、パケット廃棄を避けつつ遅延を許容する制御。ポリシングは超過分を即座に廃棄またはマーキング(DSCP再設定等)するだけでバッファリングせず、遅延は増やさないが廃棄が発生しうる。シェーピングは主に送信側(下り方向の平滑化)、ポリシングは主に受信側(契約帯域超過の取り締まり)で用いられる。

    前提: DSCPとPHB

  • STPのポート役割(ルートポート/指定ポート)

    STPは各スイッチ・各セグメントで転送に使うポートを役割によって決定する。ルートポートは非ルートブリッジがルートブリッジへ最短コストで到達する経路上の1ポート(各スイッチに1つのみ)であり、指定ポートは各セグメントでそのセグメントへのトラフィックを転送する役割を持つポート(セグメントごとに1つ)である。いずれにも選ばれなかったポートはブロッキング状態となり非指定ポートと呼ばれる。

    前提: ルートブリッジとその選出STPのポート状態(ブロッキング/リスニング/ラーニング/フォワーディング)

  • VRRP(ゲートウェイ冗長)

    複数の物理ルータを1台の仮想ルータとしてまとめ、共通の仮想IPアドレス・仮想MACアドレスを共有するプロトコル。端末のデフォルトゲートウェイに仮想IPを設定しておけば、マスタルータ障害時にバックアップが自動昇格して仮想IP/MACを引き継ぐため、端末設定を変えずにゲートウェイの単一障害点を解消できる。同種にHSRPがある。

    前提: HSRP(Hot Standby Router Protocol)

  • コントロールプレーンとデータプレーン

    コントロールプレーンは経路計算やポリシー決定など転送規則を作る制御機能を、データプレーンは決定された規則に従いパケットを実際に転送する機能を指す。SDNはこの両者を分離しコントロールプレーンを集中管理することで、ネットワーク全体の柔軟な制御を可能にする。