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プロジェクトマネージャ試験参考書

ITプロジェクト管理の最高峰の国家資格、プロジェクトマネージャ(PM)。本コースは午前(科目A)の四肢択一を対象に、PM固有の午前II専門(統合/スコープ・スケジュール/コスト(EVM)・品質/資源・リスク/調達・ステークホルダ/コミュニケーション・PM標準/アジャイル)を中心に対策します(午前I共通は応用情報 AP コースが土台/午後の記述・論述式は対象外)。

プロジェクトマネージャ試験(PM)について

プロジェクトマネージャ試験(PM)は、IPA(情報処理技術者試験) が提供するプロフェッショナル・エキスパートレベルの認定資格です。このページでは、試験範囲を全 6 章・25 節の参考書として体系的に解説し、本番形式の練習問題で理解度を確認できます。下の章一覧から順に読み進め、「問題集で演習する」で実力を試すのが効率的な学習の流れです。

試験で問われる分野(出題範囲の目安)

  • プロジェクト統合とスコープ管理約 16%
  • スケジュールとコスト管理約 22%
  • 品質と資源管理約 16%
  • リスクと調達管理約 16%
  • ステークホルダとコミュニケーション管理約 14%
  • PM標準と関連分野約 16%

配点は本番試験の目安です。各分野は下の章・節で詳しく解説しています。

公式の試験情報:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pm.html

1プロジェクト統合とスコープ管理

  • 1.1プロジェクトとPMの基礎

    プロジェクトの有期性・独自性という特性、制約条件(スコープ/時間/コスト/品質/資源/リスク)の間で生じるトレードオフ、そしてプロジェクトマネージャ(PM)の役割と責任を、具体的な状況下で最適なバランスを判断する力として学びます。

  • 1.2統合マネジメントと変更管理

    プロジェクトの立上げを承認するプロジェクト憲章、全体の実行方針をまとめるプロジェクト全体計画、変更要求を一元管理する統合変更管理(変更要求→影響評価→承認)、そして承認済みの構成を維持する構成管理を、変更が発生した場面での適切な判断手順として学びます。

  • 1.3スコープ定義とWBS

    ステークホルダから要求を引き出す要求収集、成果物の範囲を明文化するスコープ記述書、作業を階層的に分解するWBS(作業分解構成図)と最小単位のワークパッケージ、そしてWBSが満たすべき100%ルールを、要求の曖昧さや漏れを防ぐ判断力として学びます。

  • 1.4スコープ検証と変更管理

    成果物が要求を満たしているかを顧客と確認するスコープ検証(検収)、そして無秩序な範囲拡大であるスコープクリープの兆候を早期に見抜き、統制されたプロセスへ引き戻す対処判断を学びます。

2スケジュールとコスト管理

  • 2.1アクティビティ定義と順序設定

    WBSのワークパッケージを実行可能な作業単位に分解するアクティビティ定義、作業同士のつながりを表す4種類の先行関係(FS/SS/FF/SF)、そして工程を前倒し・後ろ倒しするリードとラグ、複数の見積り値から幅を持たせる三点見積りを学びます。

  • 2.2スケジュール作成とクリティカルパス

    アローダイアグラム法(CPM)で最早・最遅の日程を計算し、クリティカルパス(最長経路=フロートゼロの経路)を特定する手順、トータルフロートとフリーフロートの違い、そしてある作業が遅延したときにプロジェクト全体の納期へどう波及するかを診断する考え方を学びます。

  • 2.3スケジュール短縮の判断

    追加コストを投じて作業期間そのものを短縮するクラッシングと、本来は順次実行する作業を並行させるファストトラッキングという2つのスケジュール短縮技法の違いと適用条件、コスト増とリスク増のどちらを許容できるかという判断軸、そしてクリティカルパス上の作業にのみ適用する原則を学びます。

  • 2.4コスト見積りと予算

    過去実績を基にする類推見積り、ファンクションポイント法等の係数見積り、作業単位を積み上げるボトムアップ見積りという3つの見積り技法の精度と工数のトレードオフ、確定したコストベースライン、既知のリスクに備えるコンティンジェンシ予備と未知のリスクに備えるマネジメント予備の違いを学びます。

  • 2.5アーンドバリューマネジメント

    計画上の出来高PV・実際の出来高EV・実コストACの3指標から、スケジュールの遅れ進みを示すSV/SPIとコストの超過節約を示すCV/CPIを算出し、その値を解釈してEAC(完成時総コスト見積り)を予測し、是正措置を判断する一連の手順を学びます。

3品質と資源管理

  • 3.1品質マネジメント

    品質計画・品質保証・品質管理の3プロセスの役割分担と、品質コスト(予防コスト・評価コスト・失敗コスト)のトレードオフを、「検査で不良を見つける」より「予防でそもそも作り込まない」ことがなぜコスト最小化につながるかという判断とともに学びます。

  • 3.2QC7つ道具と管理図

    QC7つ道具(パレート図・特性要因図・ヒストグラム・散布図・管理図・チェックシート・層別)それぞれの得意分野を、「今手元にあるデータでどのツールを使うべきか」という判断とともに整理し、管理図の管理限界線を用いた異常判定のルール(点が管理限界外に出る・連続して片側に偏る等)と、その後PMが取るべき対処を学びます。

  • 3.3資源計画とチーム育成

    RAM(責任分担マトリクス)・RACIによる役割の明確化、タックマンモデル(形成期・混乱期・統一期・機能期・散会期)の各段階でチームに何が起きているかとPMが取るべき関わり方、マズロー・ハーズバーグの動機付け理論の使い分け、資源平準化の判断を学びます。

  • 3.4コンフリクトとリーダーシップ

    対立解消技法(対峙(協力)・妥協・緩和・撤退・強制)を、対立の性質(緊急度・重要性・関係性)に応じてどれを選ぶべきかという判断とともに整理し、チームの成熟度・タスクの性質に応じてリーダーシップスタイルを使い分ける状況対応型リーダーシップの考え方を学びます。

4リスクと調達管理

  • 4.1リスク特定と分析

    リスクを洗い出してリスク登録簿に記録する特定活動、発生確率と影響度の掛け合わせで優先順位を付ける定性的リスク分析(確率・影響度マトリクス)、そして金額換算で対応の妥当性を判断する定量的リスク分析(期待金額価値(EMV)・デシジョンツリー)を学び、限られた予備費をどのリスクに割り当てるべきかを判断する力を養います。

  • 4.2リスク対応戦略の選択

    マイナスの影響を持つ脅威への回避・転嫁・軽減・受容の4戦略と、プラスの影響を持つ好機への活用・共有・強化・受容の4戦略を、コスト対効果を踏まえて使い分ける判断力、および対応により生じる二次リスク・対応後も残る残存リスク・不測の事態に備えるコンティンジェンシ計画を学びます。

  • 4.3調達と契約類型

    内部で実施するか外部に委託するかを判断する内外製分析、そして定額契約(FP)・実費償還契約(コストプラス)・タイムアンドマテリアル契約(T&M)それぞれのリスク負担の違いを、要件の確度に応じて使い分ける判断力を養います。

  • 4.4調達実行と供給者管理

    調達先候補の情報を集めるRFIと提案を募るRFP、加重評価による供給者選定基準、そして契約後の契約管理・変更管理・クレーム対応までの一連の流れを学び、状況に応じた供給者選定・契約管理の判断力を養います。

5ステークホルダとコミュニケーション管理

  • 5.1ステークホルダ特定と分析

    プロジェクトに影響を与えまたは影響を受ける関係者を洗い出すステークホルダ特定、その関与の度合いを測る関与度(不認識〜主導)、そして限られたPMの労力を誰にどう配分すべきかを判断する権力・関心度グリッドを学びます。

  • 5.2ステークホルダエンゲージメントと期待管理

    ステークホルダの抵抗の兆候を早期に察知し、権力・関心度の象限に応じた関与戦略を選び直す判断、そして期待のズレを未然に防ぐ期待の可視化と合意形成の手法を学びます。

  • 5.3コミュニケーション計画

    プロジェクト関係者間の情報伝達経路数 n(n-1)/2が人数増加でどう膨張するかを踏まえた体制設計、プッシュ型・プル型・双方向型の伝達方式の使い分け、そして状況に応じたメディア選択の判断を学びます。

  • 5.4プロジェクト報告とレビュー

    実績を裏付けとした進捗報告・状況報告・予測報告(EVMによる裏付け)、フェーズの節目で継続可否を判断するフェーズゲート、そして報告における楽観バイアスと悪い情報の遅延への対処を学びます。

6PM標準と関連分野

  • 6.1PM標準とプロセス

    プロジェクトマネジメントの手引を定めるJIS Q21500(対応国際規格に基づくPMBOK)の骨格である5プロセス群(立上げ・計画・実行・監視・終結)と、それらを横断する10の対象群(知識エリア)、そして各対象群を横串で束ねる統合マネジメントの役割を学びます。

  • 6.2アジャイル型プロジェクトマネジメント

    要求を反復的に具体化しながら開発を進めるスクラムのスプリント運営、進捗を可視化するバーンダウンチャートと生産性の指標ベロシティ、そして要件の不確実性を踏まえて予測型(ウォータフォール型)と適応型(アジャイル型)のどちらのライフサイクルを選ぶべきかを判断する視点を学びます。

  • 6.3サービスマネジメントへの移行

    プロジェクトの成果物を本番環境へ移行する本番移行・リリースの判断基準である移行判定(Go/No-go)、運用保守における合意水準であるSLA、そしてサービス運用のベストプラクティス集ITILの観点から、プロジェクト完了後の運用保守への引継ぎを学びます。

  • 6.4システム監査とガバナンス

    プロジェクトの管理状況を独立した立場で評価するプロジェクト監査(独立評価と是正勧告)、複数プロジェクトを横断して標準化・支援・統制するPMO(Project Management Office)、そして組織全体としてIT投資の方向性を統治するITガバナンスの観点から、プロジェクトを組織の統制下で適正に進める視点を学びます。