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第4章 · リスクと調達管理·v1.0.0·更新 2026/7/10·読了目安 約15分

変更要約: 初版

4.3調達と契約類型

この節の要点

内部で実施するか外部に委託するかを判断する内外製分析、そして定額契約(FP)実費償還契約(コストプラス)タイムアンドマテリアル契約(T&M)それぞれのリスク負担の違いを、要件の確度に応じて使い分ける判断力を養います。

調達マネジメントの出発点は「そもそも外部に発注すべきか」という内外製分析です。外部発注が決まったあと、次に重要な判断は契約類型の選択です。契約類型ごとに発注者とベンダーのどちらがコスト超過のリスクを負うかが根本的に異なり、要件がどれだけ固まっているか(確度)によって最適な契約類型は変わります。この節では、リスク負担という一貫した軸で契約類型を比較し、状況に応じた選択判断を養います。

4.3.1内外製分析

  • 内外製分析=あるプロダクトやサービスを自組織内部で開発・実施するか、外部から調達(購入・委託)するかを、コスト・スケジュール・保有ノウハウ・戦略上の重要度(コアコンピタンス)などの観点から比較検討する分析。単純なコスト比較だけでなく、そのプロダクト/サービスが自組織の中核的な競争力(コアコンピタンス)に関わるかどうかが重要な判断基準になる。
  • コアコンピタンスに直結する領域を安易に外部委託すると、社内にノウハウが蓄積されず、将来的に競争力を失うリスクがある。逆に非中核領域を内製し続けると、専門性の高い外部ベンダーより品質・コストで劣後することが多い。内外製分析は一度きりの判断ではなく、プロジェクトのフェーズやスコープ変更のたびに再評価する。

4.3.2契約類型とリスク負担

  • 定額契約(FP:フィックスドプライス)=作業内容にかかわらず総額をあらかじめ固定する契約。実際のコストが見積りを超過した場合、その超過分はベンダーが負担するため、ベンダー側のリスクが大きい契約類型。発注者は予算の予測可能性が高い一方、要件変更が生じるとベンダーは追加コストや品質低下で応じる誘因が働きやすい。要件が明確に固まっている案件に適する。
  • 実費償還契約(コストプラス)=実際にかかった費用(実費)に、ベンダーの利益分(フィー)を上乗せして支払う契約。コストが超過してもベンダーは実費を回収できるため、コスト超過のリスクは発注者側が負う。要件が固まっておらず、作業範囲が事前に見積もりにくい探索的・研究開発的な案件に適する。タイムアンドマテリアル契約(T&M)=作業時間(人時単価)と使用した資材の実費で支払う契約で、定額と実費償還の中間的なリスク負担(小規模・短期間の追加作業や、範囲が部分的に不明確な案件向け)。

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