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第5章 · ステークホルダとコミュニケーション管理·v1.0.0·更新 2026/7/10·読了目安 約14分

変更要約: 初版

5.1ステークホルダ特定と分析

この節の要点

プロジェクトに影響を与えまたは影響を受ける関係者を洗い出すステークホルダ特定、その関与の度合いを測る関与度(不認識〜主導)、そして限られたPMの労力を誰にどう配分すべきかを判断する権力・関心度グリッドを学びます。

プロジェクトには、スポンサー・利用部門・エンドユーザー・規制当局・協力会社など、立場も関心も異なる多数の関係者が存在します。PMが全員に同じ濃度で働きかけようとすると、限られた時間と労力が分散し、本当に重要な関係者への対応が手薄になります。この節では、関係者を漏れなく洗い出し、それぞれの関与の度合い影響力・関心の大きさを把握したうえで、対応方針にメリハリをつける判断力を養います。

5.1.1ステークホルダ特定と関与度

  • ステークホルダ特定=プロジェクトの立上げ段階から継続的に、プロジェクトの意思決定・実行・成果に影響を与えるか、あるいは影響を受ける個人・グループ・組織を洗い出し、ステークホルダ登録簿に関心・影響力・期待とともに記録するプロセス。新たな関係者は途中で判明することも多く、一度洗い出して終わりではなく反復的に見直す必要がある。
  • 関与度=各ステークホルダが現在プロジェクトに対してどの姿勢にあるかを表す段階(不認識→抵抗→中立→支持→主導)。関与度を把握することで、「現状の姿勢」と「プロジェクト成功に必要な望ましい姿勢」とのギャップが可視化され、そのギャップを埋めるための働きかけの優先順位付けができる。

5.1.2権力・関心度グリッド(4象限別の対応方針)

  • 権力・関心度グリッド=縦軸に「プロジェクトへの権力(意思決定・資源配分への影響力)」、横軸に「プロジェクトへの関心(結果への関与度)」を取り、ステークホルダを4象限に分類してPMの対応方針を判断するためのツール。権力・関心のいずれも高いか低いかで、かけるべき労力の質と量が大きく異なる。
  • 4象限の対応方針=高権力・高関心=密接に管理する(Manage Closely):最優先で個別に丁寧に関与し、意思決定に巻き込む。高権力・低関心=満足させておく(Keep Satisfied):過剰な情報提供で関心を不必要に喚起せず、要点のみ簡潔に満足させる。低権力・高関心=常に情報提供する(Keep Informed):意思決定への影響力は小さいが関心が高いため、定期的な情報共有で不安や誤解を防ぐ。低権力・低関心=最小限の労力で監視する(Monitor):状況変化がないか継続的に監視しつつ、過大な労力は割かない。

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