第6章 · PM標準と関連分野·v1.0.0·更新 2026/7/10·読了目安 約15分
変更要約: 初版
6.2アジャイル型プロジェクトマネジメント
この節の要点
要求を反復的に具体化しながら開発を進めるスクラムのスプリント運営、進捗を可視化するバーンダウンチャートと生産性の指標ベロシティ、そして要件の不確実性を踏まえて予測型(ウォータフォール型)と適応型(アジャイル型)のどちらのライフサイクルを選ぶべきかを判断する視点を学びます。
「アジャイル型は常に優れている」という理解は誤りです。PMに問われるのは、目の前のプロジェクトの要件がどれだけ確定しているか・変化しうるかを見極め、計画を先に固めて進める予測型と、短い反復で計画を継続的に見直す適応型のどちらが、そのプロジェクトのリスクを最小化するかを判断する力です。
6.2.1スクラムとスプリント運営
- スクラム=要求を優先順位付けしたプロダクトバックログから、一定期間(スプリント、通常1〜4週間)ごとに実現する項目を選び、動く成果物を反復的に作り上げていくアジャイルの代表的な枠組み。各スプリントの終わりに成果物をレビューし、次のスプリント計画にフィードバックを反映することで、要件の変化や誤解を早期に修正できる。
- スプリントの反復により、要件がまだ固まっていない探索的な開発でも、実際に動くものを早期に見せながら方向性を修正していける。一方で、契約や規制で成果物の全容を事前に確定させる必要があるプロジェクトには、反復のたびに範囲が変わりうるスクラムはそのままでは適さない。
6.2.2バーンダウンチャートとベロシティ
- バーンダウンチャート=縦軸に残作業量、横軸に時間(日)を取り、スプリント期間中に残作業がどう減っていくかを可視化した図。理想線より実績線が上に外れていれば進捗遅延、下に外れていれば前倒しの兆候であり、PMやスクラムマスタは乖離を早期に検知して対応を判断する材料にする。
- ベロシティ=1スプリントあたりにチームが完了できる作業量(ストーリーポイント等)の実績値。過去数スプリントの実績から算出し、将来のスプリント計画やリリース計画(残作業量÷ベロシティ=残りスプリント数の見積り)に用いる。ベロシティは個人や他チームとの比較指標ではなく、あくまで当該チームの計画精度を上げるための内部指標として使う。

