Cisco Certified Support Technician: Networking(CCST Networking)参考書
ネットワークの動作原理・機器・メディア・プロトコルを問う、シスコ認定の入口となるエントリレベル資格 CCST Networking(試験コード 100-150)。ネットワークの規格と概念/アドレスとサブネット/エンドポイントとメディア/インフラ/問題の診断/セキュリティの6ドメインを、機器の識別・基本設定確認・ping や show などの基本診断という技術者の実務目線で対策します。次のステップは CCNA。
Cisco Certified Support Technician: Networking(CCST Networking)(CCST-NET)について
Cisco Certified Support Technician: Networking(CCST Networking)(CCST-NET)は、Cisco が提供する入門レベルの認定資格です。このページでは、試験範囲を全 6 章・24 節の参考書として体系的に解説し、本番形式の練習問題で理解度を確認できます。下の章一覧から順に読み進め、「問題集で演習する」で実力を試すのが効率的な学習の流れです。
試験で問われる分野(出題範囲の目安)
- 規格と概念約 17%
- アドレスとサブネット形式約 17%
- エンドポイントとメディア約 17%
- インフラ約 17%
- 問題の診断約 16%
- セキュリティ約 16%
配点は本番試験の目安です。各分野は下の章・節で詳しく解説しています。
公式の試験情報:https://learningnetwork.cisco.com/s/ccst-networking-exam-topics
1規格と概念
- 1.1ネットワークの構成要素と基本概念
通信を層で捉えるTCP/IPモデルとOSI参照モデルの対応、上位データを下位ヘッダで包むカプセル化、そしてフレーム(L2)とパケット(L3)の違い、MACアドレスとIPアドレスという2種類のアドレッシングを、「この症状はどの層の話か」を見分ける基礎として学びます。
- 1.2帯域幅とスループット
回線の理論上の最大容量である帯域幅と、実際に流れた実効量であるスループットの違い、遅延を表すレイテンシ、そして対サーバのスピードテストと2点間のiperfという測り方の違いを、「遅いという苦情を数字で切り分ける」判断として学びます。
- 1.3ネットワークの種類とトポロジ
規模で分類するLAN/WAN/MAN/CAN/PAN/WLANという「ネットワークの種類」と、機器を実際にどう配線するかの物理トポロジ・データがどう流れるかの論理トポロジの違いを、「この状況はどの規模の話か」「図が示すのは配線か流れか」を見分ける基礎として学びます。
- 1.4クラウドとオンプレミス
機器を自社に置くオンプレミスと事業者のインフラを使うクラウドの違い、クラウドの提供形態SaaS/PaaS/IaaS、公開範囲によるパブリック/プライベート/ハイブリッドクラウド、そしてリモートワーク・ハイブリッドワークという働き方の広がりを、「この要件はどの形態が向くか」という基本判断として学びます。
- 1.5代表的なアプリケーションとプロトコル
信頼性重視のTCP(コネクション型)と低遅延のUDP(コネクションレス)の使い分け、そしてHTTP/HTTPS・DNS・DHCP・FTP/SFTP/TFTP・NTP・ICMPといった代表的なプロトコルとポート番号を、「この通信は何番ポートで、TCPかUDPか」を識別できる基礎として学びます。
2アドレスとサブネット形式
- 2.1プライベートとパブリックアドレス
インターネットで一意にルーティングされるパブリックアドレスと、組織内で再利用されるプライベートアドレス(10.0.0.0/8・172.16.0.0/12・192.168.0.0/16)の違い、アドレスクラスA/B/Cの成り立ち、DHCP失敗時に現れるAPIPA(169.254.0.0/16)、そしてプライベート↔パブリックを変換するNATを、「このアドレスは外に出られるのか」を見分ける基礎として学びます。
- 2.2IPv4アドレスとサブネット形式
ネットワークを小さく区切るサブネットの考え方、アドレスの「どこまでがネットワーク部か」を決めるサブネットマスクと、その1ビット数を数えたスラッシュ表記(CIDR)の対応、各サブネットの先頭がネットワークアドレス・末尾がブロードキャストアドレスで予約されること、そしてルータがブロードキャストドメインを分ける役割を、/24・/25程度の易しい例で学びます(複雑な計算はしません)。
- 2.3IPv6アドレスとプレフィックス形式
128ビットのIPv6における主要なアドレス種別——インターネットで一意なグローバルユニキャスト(GUA・2000::/3)、同一リンク内だけで有効なリンクローカル(fe80::/10)、組織内部用のユニークローカル(ULA・fc00::/7)、自分自身を指すループバック(::1)——と、一般的な/64プレフィックスの意味、そしてIPv6にはブロードキャストが無くマルチキャスト(ff00::/8)で置き換えることを、種別を見分ける基礎として学びます。
3エンドポイントとメディア
- 3.1ケーブルとコネクタ
銅線のツイストペア(Cat5e/6/6a・最長約100m・EMI干渉を受ける)と、光ファイバ(シングルモード(SMF)=レーザで長距離/マルチモード(MMF)=LEDで中距離)の違い、そしてcoax・RJ-45・RJ-11・ファイバコネクタという代表的なコネクタを、「この距離・この環境ならどのケーブルか」を選ぶ判断として学びます。
- 3.2Wi-Fi・セルラー・有線の違い
Wi-Fi(802.11)が使う免許不要の2.4/5/6GHz帯、混雑しやすい2.4GHzの非重複チャネル1/6/11、電子レンジやBluetoothなどの干渉源、そして免許制のセルラー(携帯)との違いを整理し、「無線か有線か」「どの帯域か」を状況で選び分ける判断を学びます。
- 3.3エンドポイント機器
ネットワークの末端でデータを生み出し利用するエンドポイント——PC・モバイル端末・IP電話・ネットワークプリンタ・サーバ・IoT機器——の役割と識別を、「この機器は何を提供し、つながらないとき何を確認するか」という視点で学びます。
- 3.4OS別の接続確立と確認
Windows/Linux/macOS/Android/iOS それぞれのネットワークユーティリティと、ping・ipconfig(Win)/ifconfig・ip(Linux)などのトラブルシューティングコマンドの走らせ方、そして無線クライアントの設定要素(SSID・認証・WPAモード)を、「どのOSでどう確認・接続するか」という手順として学びます。
4インフラ
- 4.1ステータスライトとポート
スイッチやルータのリンクライト(LED)の色や点灯/点滅が示す意味と、コンソールポート・シリアルポート・イーサネットポート・ファイバ/SFP・USBポート・PoEという各ポートの役割を、「ランプを見ただけで状態を当てる」「この機器につなぐべき口はどれか」を見分ける基礎として学びます。
- 4.2ネットワーク図に基づく配線
エンジニアが描いたネットワーク図に従ってパッチケーブルを正しくつなぐ手順と、スイッチ/ルータを含む小規模トポロジ、機器を収めるラックのレイアウト(ラックユニット(U)・ケーブル管理・PDUでの電源供給・UPS)を、「図の通りに、上から順に、電源まで含めて配線する」入門作業として学びます。
- 4.3基本ルーティング概念
自分のネットワークの外(別ネットワーク)へ出るときの出口となるデフォルトゲートウェイ、MACで同一セグメント内を転送するL2スイッチと、ネットワーク間のルーティングもできるL3スイッチの違い、そして宛先がローカルネットワークかリモートネットワークかで転送のされ方が変わることを、「この宛先はゲートウェイ経由か、直接届くか」を見分ける基礎として学びます。
- 4.4基本スイッチング概念
スイッチが送信元MACと受信ポートを覚えるMACアドレステーブルの学習・未学習/ブロードキャスト時のフラッディング・既定300秒のエージング、許可制御のMACアドレスフィルタリング、そしてL2のブロードキャストドメインを分割するVLANを、show mac address-table を眺めつつ「スイッチはどう宛先を覚え、どう配るか」の基礎として学びます。
5問題の診断
- 5.1トラブルシュート方法論とヘルプデスク
思いつきで機器を触るのではなく、トラブルシュート方法論(症状の確認→情報収集→原因の切り分け→対処→検証)に沿って進めること、対応をチケットとして記録し正確で完全な文書化を残すこと、複数案件を影響度で優先順位付けすることを、サポート業務の型として学びます。
- 5.2Wiresharkによるパケットキャプチャ
通信を1パケットずつ記録して中身を見られるパケットアナライザ(代表例Wireshark)の目的と、キャプチャした通信を.pcapファイルとして保存・後から開いて解析する使い方を、「実際に何が流れているかを目で確かめる」道具として学びます。
- 5.3基本診断コマンドと結果解釈
到達性を確かめるping、自機のIP設定を見るipconfig(Windows)/ifconfig・ip(Linux)、経路をたどるtracert/traceroute、名前解決を確かめるnslookupという定番コマンドの使い分けと、ファイアウォールがICMP等を遮断するとpingが失敗しても実際は到達可能なことがあるといった結果の正しい解釈を学びます。
- 5.4機器へのアクセスとデータ収集手段
遠隔から機器を操作するRDP/SSH/Telnet(Telnetは暗号化されず非推奨、SSHが安全)、社外から社内へ安全につなぐVPN、機器に直結するコンソール接続とターミナルエミュレータ、多数の機器をまとめて監視するNMSやクラウド管理(Meraki)、繰り返し作業を自動化するスクリプトという、状況に応じたアクセス・データ収集手段を学びます。
- 5.5Cisco機器の基本showコマンド
Cisco機器の状態を読むための基本showコマンド(show ip interface briefでIF一覧とup/up、show cdp neighborsで隣接Cisco機器、show ip routeで経路表、show mac address-tableでMAC学習、show versionでIOS/型番)と、閲覧中心のユーザEXECモード(>)と全機能の特権EXECモード(#)という権限レベル、そして?ヘルプとTab補完という操作支援を学びます。
6セキュリティ
- 6.1ファイアウォールによるトラフィックフィルタ
ネットワークの出入口で通信を選別するファイアウォールの役割、通す/止めるを決める許可(permit)と拒否(deny)のルール、既定で止めて必要な分だけ開ける既定拒否の考え方、そして通信の状態を覚えて戻りを自動で通すステートフルの仕組みを、「この通信が届かないのはフィルタのせいか」を見分ける基礎として学びます。
- 6.2基礎セキュリティ概念
セキュリティの3本柱CIA(機密性/完全性/可用性)、利用者を確かめて制御し記録するAAA(認証/認可/アカウンティング)、複数の要素で本人確認を強めるMFA、そして暗号化・証明書・パスワード複雑性・Active DirectoryというID基盤、さらにフィッシング・マルウェア・DoSなどの脅威を、「この対策は何を守るためか」を見分ける基礎として学びます。
- 6.3家庭用ルータの無線セキュリティ設定
家庭やSOHOの無線を守る暗号化規格WPA/WPA2/WPA3の世代の違い、事前共有鍵で使うPersonal(PSK)と個別認証のEnterprise(802.1X/RADIUS)の使い分け、そして今も見かけるWEPやWPA(TKIP)が非推奨である理由を、「この環境ならどの方式を選ぶか」という基本判断として学びます。

