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第4章 · インフラ·v1.0.0·更新 2026/7/18·読了目安 約14分

変更要約: 初版

4.3基本ルーティング概念

この節の要点

自分のネットワークの外(別ネットワーク)へ出るときの出口となるデフォルトゲートウェイ、MACで同一セグメント内を転送するL2スイッチと、ネットワーク間のルーティングもできるL3スイッチの違い、そして宛先がローカルネットワークリモートネットワークかで転送のされ方が変わることを、「この宛先はゲートウェイ経由か、直接届くか」を見分ける基礎として学びます。

「同じ部屋の相手には届くのに、外のサーバにだけつながらない」というトラブルの多くは、別ネットワークへの出口の話です。パソコンは、宛先が自分と同じネットワーク(ローカルネットワークなら相手へ直接、別のネットワーク(リモートネットワークならデフォルトゲートウェイという「外への出口」へ渡す、という判断を毎回しています。この節では、その出口の役割と、同一セグメント内を担うL2スイッチとネットワーク間のルーティングもできるL3スイッチの違いを、「この宛先は直接か、ゲートウェイ経由か」を見分ける入門の基礎として学びます。

4.3.1デフォルトゲートウェイとローカル/リモート

  • ローカルネットワーク=自分と同じネットワーク(同一サブネット)にある宛先。ここへはルータを介さず、スイッチによる同一セグメント内の転送で直接届く。リモートネットワーク別のネットワークにある宛先で、直接は届かず「外への出口」を経由する必要がある。
  • デフォルトゲートウェイ=宛先が別ネットワーク(リモート)のときにパケットを渡す出口となるルータ(またはL3スイッチ)のアドレス。PCはまず「宛先は自分と同じネットワークか?」を判断し、違えばデフォルトゲートウェイへ送り、そこから先はルータがルーティングして最終宛先へ運ぶ。
  • だからデフォルトゲートウェイが未設定/誤りだと、同じネットワーク内は通信できても外(インターネットや別サブネット)にだけ出られないという典型症状になる。ipconfig(Windows)でゲートウェイの設定値を確認するのが定石。

4.3.2L2スイッチとL3スイッチ

  • L2スイッチMACアドレスを見て同一セグメント(同じネットワーク)内でフレームを転送する機器。ネットワークをまたぐ判断(ルーティング)はせず、別ネットワーク宛のパケットはデフォルトゲートウェイ役の機器に任せる。一般的な「スイッチ」はこれ。
  • L3スイッチ=L2の高速なスイッチング機能に加え、IPアドレスを見てネットワーク間をルーティングできる機器。社内で複数のネットワーク(VLAN)を相互接続する出口=デフォルトゲートウェイの役目を1台で担えるのが利点。ルータと似た役割をLAN内で高速にこなす。
  • 見分けの勘所は「その宛先は自分と同じネットワークか(=L2スイッチングで届く)/別ネットワークか(=ルーティングが要る)」。同一ネットワーク内の到達はスイッチング、別ネットワークへの到達はルーティング、という役割分担を押さえる。
試験ポイント

「宛先がローカル(同一サブネット)なら直接スイッチング/リモート(別ネットワーク)ならデフォルトゲートウェイ経由でルーティング」「L2スイッチはMACで同一セグメント内転送・ルーティングしない/L3スイッチはIPでネットワーク間ルーティングも可能」「ゲートウェイ未設定は外にだけ出られない典型症状」が頻出です。

あるユーザから「隣の席の共有フォルダは開けるのに、社内の別部門のサーバとインターネットにだけ全くつながらない」という連絡が来たとします。ここで層とルーティングの見方があると、原因を素早く当てられます。まず「隣の席(同一ネットワーク=ローカルネットワーク)とは通じる」ということは、そのPCの物理接続やスイッチによる同一セグメント内のスイッチングは正常に動いている、と判断できます。問題は「別部門やインターネット(=別ネットワーク=リモートネットワーク)にだけ行けない」点で、これは別ネットワークへの出口=デフォルトゲートウェイが怪しい、という典型パターンです。そこで ipconfig(Windows)でそのPCのIPアドレスとデフォルトゲートウェイの設定を確認すると、ゲートウェイのアドレスが空欄だったり、正しい値と1つずれていたりする、といった原因が見つかることがよくあります。PCは「宛先が自分と同じネットワークかどうか」をまず判断し、同じならスイッチングで直接、違えばデフォルトゲートウェイへ渡すという動きをするので、ゲートウェイの設定が欠けると「内はOK・外だけNG」というこの症状になるわけです。なお、社内で複数のネットワーク(VLAN)を束ねる出口としては、L3スイッチが1台でそのルーティング役(デフォルトゲートウェイ)を高速に担っていることも多く、「どの機器がゲートウェイなのか」を図で把握しておくと切り分けが早まります。入門段階では、複雑な経路計算より、「ローカルは直接、リモートはゲートウェイ経由」という一線をはっきり引けることが、この種のトラブルを解く鍵になります。

観点ローカルネットワーク宛リモートネットワーク宛
宛先の位置自分と同じネットワーク(同一サブネット)別のネットワーク
届け方スイッチによる同一セグメント内の転送デフォルトゲートウェイ経由でルーティング
主に担う機器L2スイッチルータ / L3スイッチ
ゲートウェイ未設定時影響を受けにくい(内は通じる)到達不能(外に出られない)
注意

ひっかけ: 「同じネットワーク内の相手と通信するのにもデフォルトゲートウェイが必要」は誤りです——ローカルネットワーク(同一サブネット)内はスイッチによる転送で直接届き、デフォルトゲートウェイが要るのは別ネットワーク(リモート)宛のときだけです。また「L2スイッチもIPを見て別ネットワークへルーティングできる」も誤り=L2スイッチはMACで同一セグメント内を転送するだけで、ネットワーク間のルーティングルータやL3スイッチの役目です。

デフォルトゲートウェイとローカル/リモート、L2対L3スイッチの図。
ゲートウェイ経由か直接到達か

4.3.3この節のまとめ

  • 宛先がローカルネットワーク(同一サブネット)なら直接スイッチング、リモートネットワークならデフォルトゲートウェイ経由でルーティング
  • L2スイッチはMACで同一セグメント内を転送(ルーティングしない)、L3スイッチはIPでネットワーク間ルーティングも可能
  • 「内は通じるが外にだけ出られない」はデフォルトゲートウェイ未設定/誤りの典型症状。ipconfigで設定を確認する

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. あるPCは同じネットワーク内の共有フォルダは開けるが、別部門のサーバとインターネットにだけ到達できない。まず確認すべき設定として最も適切なものはどれか。

Q2. L2スイッチとL3スイッチの違いを新人に説明する。内容として最も正確なものはどれか。

Q3. PCが宛先へデータを送る際、まず何を判断してから送出するのが基本か。最も適切なものはどれか。

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