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第2章 · アドレスとサブネット形式·v1.0.0·更新 2026/7/17·読了目安 約14分

変更要約: 初版

2.2IPv4アドレスとサブネット形式

この節の要点

ネットワークを小さく区切るサブネットの考え方、アドレスの「どこまでがネットワーク部か」を決めるサブネットマスクと、その1ビット数を数えたスラッシュ表記(CIDR)の対応、各サブネットの先頭がネットワークアドレス・末尾がブロードキャストアドレスで予約されること、そしてルータがブロードキャストドメインを分ける役割を、/24・/25程度の易しい例で学びます(複雑な計算はしません)。

IPv4アドレスは、ただの数字の羅列ではなく「どのネットワークの、どの端末か」という2つの情報を1つに詰め込んだものです。その境目を決めるのがサブネットマスクであり、それを簡潔に書いたのが /24 のようなスラッシュ表記です。この節では、大きなネットワークを扱いやすい単位に区切るサブネットの考え方、マスクとスラッシュ表記の対応、各サブネットで予約されるネットワークアドレスブロードキャストアドレス、そしてルータが分けるブロードキャストドメインを、/24/25 といった易しい例で学びます。CCSTの範囲では複雑なVLSM計算は要らず、「この2台は同じサブネットにいるのか、別か」を見分けられることが目標です。

2.2.1サブネットとブロードキャストドメイン

  • サブネット=1つの大きなIPネットワークを、扱いやすい小さなまとまりに区切ったもの。区切ることで、部門や用途ごとに整理でき、無用なブロードキャストの広がりも抑えられる。同じサブネット内の端末どうしは、ルータを介さず直接通信できる。
  • ブロードキャストドメイン=1つのブロードキャストが届く範囲。同一サブネット=原則1つのブロードキャストドメインで、スイッチはこれを分けない(同じVLAN内は素通し)。ルータ(またはL3スイッチ)がブロードキャストドメインを分ける役割を持ち、別サブネットへはブロードキャストは越えない。
  • だから「同じサブネットか、別サブネットか」は実務で重要:同じなら直接通信、別ならデフォルトゲートウェイ経由(ルーティング)になる。2台のIPとマスクを見て同じネットワーク部かを確かめるのが、切り分けの基本動作。

2.2.2サブネットマスクとスラッシュ表記(CIDR)

  • サブネットマスク=アドレスのどこまでがネットワーク部で、どこからがホスト部かを示すもの。ネットワーク部のビットは1、ホスト部は0で表す。例:255.255.255.0 は先頭24ビットが1=ネットワーク部が24ビット。
  • スラッシュ表記(CIDR)=そのマスクの1のビット数をそのまま /24 のように書いた省略記法。255.255.255.0/24255.255.255.128/25255.255.0.0/16。数字が大きいほどネットワーク部が長く、入るホスト数は少なくなる
  • 各サブネットでは端末に使えないアドレスが2つ予約される:ネットワークアドレス(ホスト部が全0=そのサブネットの先頭・サブネット自身を指す)とブロードキャストアドレス(ホスト部が全1=末尾・サブネット全員宛て)。だから /24(256個)で実際に端末へ割り当てられるのは 256−2=254台
試験ポイント

「サブネットマスクはネットワーク部=1・ホスト部=0」「スラッシュ表記は1のビット数(255.255.255.0=/24・255.255.255.128=/25)」「各サブネットは先頭=ネットワークアドレス・末尾=ブロードキャストアドレスで2個予約→/24は254台」「ブロードキャストドメインを分けるのはルータ(L3)、スイッチは分けない」が頻出です。複雑な計算より、同一/別サブネットの識別を優先しましょう。

あるオフィスで「同じ部署のAさんとBさんのPCが、なぜかお互いに直接ファイル共有できない」という相談を受けたとします。2台のIP設定を ipconfig で確認したところ、Aさんは 192.168.10.20 / 255.255.255.0(つまり /24)、Bさんは 192.168.11.30 / 255.255.255.0(同じく /24)でした。ここでスラッシュ表記の意味が分かっていると、原因が見えてきます。/24 はネットワーク部が先頭24ビット=先頭3オクテットまでなので、Aさんの所属サブネットは 192.168.10.0/24、Bさんは 192.168.11.0/24 で、第3オクテットが 10 と 11 で異なる=2人は別サブネットにいると読み取れます。別サブネットどうしは同一のブロードキャストドメインではなく、直接は通信できず、通信するにはデフォルトゲートウェイ経由のルーティングが必要です。したがって「スイッチをつなぎ替えれば直る」という発想は的外れで、確認すべきは各PCのゲートウェイ設定や、その2つのサブネット間をルーティングするルータ/L3スイッチが正しく機能しているか、になります。逆に、もし2台がともに 192.168.10.x/24同じネットワーク部を共有していれば、本来は直接通信できるはずなので、疑いは物理・L2やファイアウォールへ移ります。ここで大切なのは、IPとマスク(スラッシュ表記)から「同じサブネットか別か」を見分けられれば、直接通信で済む話か、ルーティングが要る話かを即座に切り分けられるという点です。CCSTでは細かなビット計算に習熟する必要はなく、この同一/別サブネットの識別という一点を確実にできることが土台になります。

スラッシュ表記サブネットマスク総アドレス数割り当て可能なホスト数
/24255.255.255.0256254(−ネットワーク/ブロードキャスト)
/25255.255.255.128128126
/26255.255.255.1926462
/16255.255.0.06553665534
注意

ひっかけ:/24 のサブネットには256台の端末を割り当てられる」は誤りです——先頭のネットワークアドレス(ホスト部全0)と末尾のブロードキャストアドレス(ホスト部全1)の2個は端末に使えないため、割り当て可能なのは 256−2=254台です。また「スイッチを入れればブロードキャストドメインが分かれる」も誤り=ブロードキャストドメインを分けるのはルータ(L3)で、スイッチは同一VLAN内のブロードキャストを分けません。

サブネットマスク、スラッシュ表記、ネットワーク/ブロードキャストアドレス、ドメイン分割の図。
同一/別サブネットの識別

2.2.3この節のまとめ

  • サブネットは大きな網を小さく区切ったまとまりで、サブネットマスクがネットワーク部(1)とホスト部(0)の境目を決める
  • スラッシュ表記は1のビット数(255.255.255.0=/24)。各サブネットは先頭=ネットワーク・末尾=ブロードキャストの2個を予約し、/24は254台
  • ブロードキャストドメインを分けるのはルータ(L3)。IPとマスクから同一/別サブネットを見分ければ、直接通信かルーティングかが決まる

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. サブネットマスク 255.255.255.0 をスラッシュ表記(CIDR)で表したものと、そのサブネットに割り当て可能なホスト数の組み合わせとして最も適切なものはどれか。

Q2. 同じ部署のPCが 192.168.10.20/24 と 192.168.11.30/24 に設定されており、互いに直接通信できない。この状況の解釈として最も適切なものはどれか。

Q3. ネットワークにおいてブロードキャストドメインを分割する(別のブロードキャスト範囲にする)機器として最も適切なものはどれか。

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