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第3章 · エンドポイントとメディア·v1.0.0·更新 2026/7/17·読了目安 約14分

変更要約: 初版

3.1ケーブルとコネクタ

この節の要点

銅線のツイストペア(Cat5e/6/6a・最長約100m・EMI干渉を受ける)と、光ファイバシングルモード(SMF)=レーザで長距離/マルチモード(MMF)=LEDで中距離)の違い、そしてcoaxRJ-45RJ-11ファイバコネクタという代表的なコネクタを、「この距離・この環境ならどのケーブルか」を選ぶ判断として学びます。

ネットワークのサポートでは、「つながらない」「速度が出ない」の原因がケーブルそのものにあることが少なくありません。安いからと銅線を100mを超えて引いてしまった、工場の大きなモータのそばに配線してEMI(電磁干渉)を拾ってしまった、といった物理的な選択ミスは、設定をいくら見直しても直りません。この節では、身近なツイストペア(銅線)と光ファイバの違い、なぜ銅線には最長約100mという目安があるのか、そしてRJ-45RJ-11といったコネクタの見分け方を、「この距離・この環境ならどれを選ぶか」という現場判断の土台として学びます。

3.1.1銅線のツイストペアと距離・干渉

  • ツイストペア=2本の銅線をより合わせたケーブルで、オフィスや家庭のLAN配線の主役。カテゴリで性能が分かれ、Cat5e(1Gbps級)/Cat6・Cat6a(10Gbps級)のように上位ほど高速・高周波数に対応する。より合わせるのはノイズを打ち消すためで、これが干渉への耐性を生む。
  • 銅線のイーサネットは最長約100m(機器間のリンク距離の目安)。これを超えると信号が減衰して安定しなくなるため、長距離では中継機器を入れるか光ファイバに切り替える。この「銅は約100mまで」は入門で最頻出の数字。
  • 銅線は電気信号で伝えるためEMI(電磁干渉)を受けやすい。蛍光灯・モータ・電源ケーブルなど強い電磁ノイズ源のそばに這わせると通信が乱れることがある。ノイズの多い環境では、シールド付き(STP)や後述の光ファイバが有利。

3.1.2光ファイバ:SMFとMMF

  • 光ファイバ=光でデータを伝えるケーブル。電気ではなく光なのでEMIの影響を受けず、銅線より長距離・高帯域に向く。ノイズの多い工場や、建物間・拠点間のバックボーンで使われる。
  • シングルモード(SMF)=細い芯にレーザ光を通し、減衰が少なく長距離(数km〜)に向く。マルチモード(MMF)=太い芯にLED/VCSEL光を通し、中距離(数百m)のデータセンタ内や構内で使う。ざっくり「SMF=長距離・レーザ、MMF=中距離・LED」で識別する。
  • ファイバは折り曲げや端面の汚れに弱く、扱いに注意が要る。とはいえ電気ノイズに強く、盗聴されにくいという利点もある。距離・帯域・環境(ノイズ)の3点で銅線と比較して選ぶ。
試験ポイント

「銅線のツイストペアは最長約100m・EMI干渉を受ける」「Cat5e=1Gbps級/Cat6・Cat6a=10Gbps級」「光ファイバはEMIを受けず長距離:SMF=レーザ・長距離/MMF=LED・中距離」「コネクタの用途:RJ-45=LAN(イーサネット)/RJ-11=電話/coax=同軸/ファイバコネクタ=光」が頻出です。距離と環境から適切なケーブルを選べるようにしましょう。

倉庫の現場から「新しく設置した端末だけネットワークが不安定で、ときどき切れる」と相談が来たとします。まず配線図と現地を確認すると、その端末は本社スイッチから約130m離れた場所にあり、途中に大きなコンベアのモータが並んでいました。ここでツイストペア(銅線)の2つの弱点が同時に効いてきます。ひとつは距離——銅線イーサネットの目安は最長約100mで、130mはこれを超えており、信号の減衰で不安定になって当然です。もうひとつは環境——モータは強い電磁ノイズ源で、銅線はEMIを拾いやすいため、より合わせ(ツイスト)だけでは打ち消しきれないことがあります。この状況で「LANカードを交換しよう」「設定を見直そう」と機器や設定に飛びつくのは誤った切り分けです。正しくは、まず物理層の妥当性を疑い、距離を100m以内に収める(途中にスイッチを入れて区切る)か、ノイズと距離に強い光ファイバ(この距離ならMMFでも十分)に張り替えるのが根本対処になります。逆に、たとえば同じ建物内の30mで、周囲にノイズ源も無いのに遅い、というならケーブル種別より他の要因を疑うべきで、闇雲にファイバへ替えるのは過剰です。「まず距離と環境(ノイズ)を確認し、銅線の約100m・EMIという制約に照らして選ぶ」——この物理の物差しを持つことが、遠回りの交換作業を防ぎます。

ケーブル/コネクタ主な用途距離・特徴の目安
ツイストペア(銅線・RJ-45)LAN(イーサネット)最長約100m・EMIを受ける
シングルモードファイバ(SMF)長距離バックボーン・拠点間レーザ・数km〜・EMIに強い
マルチモードファイバ(MMF)データセンタ内・構内の中距離LED/VCSEL・数百m・EMIに強い
RJ-11電話(アナログ回線)RJ-45より小さい・LANには使わない
coax(同軸)CATV・一部の旧LAN/機器間中心導体をシールドで覆う構造
注意

ひっかけ: 「LANのイーサネットには電話と同じRJ-11を使う」は誤りです——LAN(イーサネット)は8極のRJ-45、電話は小さいRJ-11で別物です。また「光ファイバは無条件に最強だから、社内配線はすべてファイバにすべき」も誤り=短距離・低ノイズなら銅線で十分安価に足り、距離・帯域・環境(ノイズ)で選ぶのが正解です。「銅線は何mでも問題ない」も誤りで、目安は最長約100mです。

銅線ツイストペアと光ファイバSMF/MMF、代表的なコネクタの図。
距離と環境でケーブルを選ぶ

3.1.3この節のまとめ

  • ツイストペア(銅線・Cat5e/6/6a)は最長約100mEMIを受ける。LANのコネクタはRJ-45
  • 光ファイバはEMIに強く長距離向き:SMF=レーザ・長距離/MMF=LED・中距離
  • コネクタで用途を識別:RJ-45=LAN/RJ-11=電話/coax=同軸/ファイバコネクタ=光。距離と環境で選ぶ

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 工場内で、スイッチから約130m離れ、途中に大きなモータが並ぶ場所に端末を設置したところ、通信が不安定になった。原因と対処の判断として最も適切なものはどれか。

Q2. 数km離れた2拠点を結ぶバックボーン配線に用いるメディアとして最も適切なものはどれか。

Q3. オフィスでPCをLAN(イーサネット)スイッチに接続するときに用いるコネクタとして最も適切なものはどれか。

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