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第1章 · 規格と概念·v1.0.0·更新 2026/7/17·読了目安 約13分

変更要約: 初版

1.3ネットワークの種類とトポロジ

この節の要点

規模で分類するLAN/WAN/MAN/CAN/PAN/WLANという「ネットワークの種類」と、機器を実際にどう配線するかの物理トポロジ・データがどう流れるかの論理トポロジの違いを、「この状況はどの規模の話か」「図が示すのは配線か流れか」を見分ける基礎として学びます。

ネットワークは規模によって呼び名が変わり、その呼び名は「どこまでを、誰の責任範囲として扱うか」を示す道しるべになります。1つの部屋の中の話(LAN)なのか、都市や国をまたぐ話(WAN)なのかで、確認すべき相手も対処も変わるからです。この節では、規模で分けるネットワークの種類と、機器のつなぎ方(物理トポロジとデータの流れ方(論理トポロジの違いを、図や状況を正しく読み解くための基礎として学びます。

1.3.1規模で分けるネットワークの種類

  • LAN(Local Area Network)=1つの建物やフロアなど限られた範囲のネットワーク。オフィスや家庭内のスイッチ配下がこれ。WAN(Wide Area Network)=都市・国・大陸をまたぐ広域ネットワークで、拠点間を通信事業者の回線などで結ぶ。インターネットは巨大なWANの集合。
  • MAN(Metropolitan Area Network)都市規模(LANとWANの中間)で、市内の複数拠点を結ぶ。CAN(Campus Area Network)=大学や企業の構内(キャンパス)で複数建物をまたぐ範囲。規模の大小は LAN < CAN < MAN < WAN と覚えると整理しやすい。
  • PAN(Personal Area Network)=個人の身の回り数mの極小ネットワーク(BluetoothのイヤホンやスマホのテザリングなどPersonalな範囲)。WLAN(Wireless LAN)=Wi-Fiで無線化したLANで、範囲としてはLANと同じだが有線ではなく電波でつなぐ点が特徴。

1.3.2物理トポロジと論理トポロジ

  • 物理トポロジ=機器やケーブルを実際にどう配置・配線したかの見た目の形。代表例は、全機器が中央のスイッチにつながるスター型、1本の幹線に連なるバス型、リング状に結ぶリング型、相互に多重接続するメッシュ型など。ラック図や配線図が示すのは主にこれ。
  • 論理トポロジ=データが実際にどう流れるかの論理的な形で、物理配線とは一致しないことがある。例えば見た目は全機器がスイッチに集まるスター型(物理)でも、同じセグメント内ではブロードキャストが全員に届くなど、流れ方(論理)は配線図の形と別に考える必要がある。
試験ポイント

「規模:LAN(建物内) < CAN(構内) < MAN(都市) < WAN(広域)」「PANは身の回り数m・WLANはWi-Fiで無線化したLAN」「物理トポロジ=配線の形(スター等)/論理トポロジ=データの流れ方で、両者は一致しないことがある」が頻出です。図が「配線」か「流れ」かを見分けましょう。

あなたはヘルプデスクで、複数のトラブルを同時にさばいています。1件目は「同じフロアのプリンタに印刷できない」。これは1つの建物内、つまりLANの範囲の話なので、確認すべきは目の前のスイッチやそのPCのLAN設定であり、社外の通信事業者に連絡する話ではありません。2件目は「他県の支社との専用線がつながらない」。これは拠点間をまたぐWANの範囲なので、責任分界点の先=回線事業者への確認が視野に入ります。このように「どの種類(規模)の話か」を最初に見極めると、誰に何を確認すべきかが自然に決まります。次に、支社から送られてきたネットワーク図を見て「全部スイッチに集まるスター型だから、1台が壊れても他は無関係のはず」と考えたとします。ここで物理と論理の混同という落とし穴があります。配線の見た目(物理トポロジ)がスター型でも、それらが同じセグメント(論理的に1つの島)にいれば、ブロードキャストの嵐やループの影響は島全体に及び、データの流れ(論理トポロジの観点では「みな地続き」です。図を見るときは、それが配線の形を描いた図なのか、データの流れを描いた図なのかを必ず意識する——この一手間が、誤った原因切り分けを防ぎます。入門段階では、複雑な計算より先に、この「種類(規模)」と「物理/論理」という分類の物差しを正確に持つことが、後の章すべての土台になります。

種類範囲の目安
PAN身の回り数mBluetoothイヤホン・テザリング
LAN / WLAN1つの建物・フロア(WLANは無線)オフィスや家庭のネットワーク
CAN大学・企業の構内(複数建物)大学キャンパス全体
MAN都市規模市内の複数拠点接続
WAN都市・国・大陸をまたぐ広域拠点間の専用線・インターネット
注意

ひっかけ: 「物理的にスター型で配線されていれば、論理的にも各機器は独立していてブロードキャストは相手に届かない」は誤りです——物理トポロジ(配線の形)と論理トポロジ(データの流れ方)は一致しないことがあり、スター配線でも同一セグメントならブロードキャストは全員に届きます。また「WLANはWi-Fiだからスマホ専用でLANとは別物」も誤り=WLANは無線化したLANで範囲はLANと同じです。

規模別のLAN/WAN/MAN/CAN/PAN/WLANと物理・論理トポロジの図。
規模と配線・流れの見分け方

1.3.3この節のまとめ

  • ネットワークは規模で分類:PAN(数m) < LAN/WLAN(建物内) < CAN(構内) < MAN(都市) < WAN(広域)
  • 物理トポロジは配線の形(スター等)、論理トポロジはデータの流れ方。両者は一致しないことがある
  • まず「どの種類(規模)の話か」を見極めると、確認相手(社内かWANの事業者か)と対処の方向が定まる

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. ネットワークの種類を範囲(規模)の小さい順に並べたものとして最も適切なものはどれか。

Q2. 全PCが中央の1台のスイッチに接続された、見た目がスター型の配線のLANがある。この物理トポロジと論理的なデータの流れの関係について最も正確な説明はどれか。

Q3. ヘルプデスクに「他県にある支社との拠点間接続が切れた」という連絡が入った。この事象が主に関係するネットワークの種類として最も適切なものはどれか。

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