Instiq
第5章 · 問題の診断·v1.0.0·更新 2026/7/18·読了目安 約15分

変更要約: 初版

5.5Cisco機器の基本showコマンド

この節の要点

Cisco機器の状態を読むための基本showコマンドshow ip interface briefでIF一覧とup/up、show cdp neighborsで隣接Cisco機器、show ip routeで経路表、show mac address-tableでMAC学習、show versionでIOS/型番)と、閲覧中心のユーザEXECモード>)と全機能の特権EXECモード#)という権限レベル、そして?ヘルプとTab補完という操作支援を学びます。

ここまでの汎用的な診断に加え、Cisco機器そのものの状態を読むにはshowコマンドが中心になります。CCSTでは複雑な設定までは求められませんが、show 系で「今どうなっているか」を読み取れることは、サポートの基本装備です。この節では、よく使う show ip interface briefshow cdp neighborsshow ip routeshow mac address-tableshow version の役割と、プロンプト記号で見分けるユーザEXECモード>)と特権EXECモード#)の権限レベル、そして操作を助ける ?(ヘルプ)とTab補完を、入門レベルで学びます。

5.5.1よく使う基本showコマンド

  • show ip interface brief=各インターフェースのIPアドレスと状態(up/up など)を一覧で表示。「どのポートが上がっていて、IPが振られているか」を最初に把握する定番。show versionIOSのバージョンや機種・型番を表示。
  • show cdp neighbors直接つながっている隣接Cisco機器を表示(相手の機種・接続ポートが分かる)。ネットワーク図がなくても「この機器の隣に何があるか」をたどれる。show ip routeルーティングテーブル(経路表)を表示し、どのネットワークへどう行くかを見る。
  • show mac address-table=スイッチが学習したMACアドレスと対応ポートの表を表示。「あるPCがどのポートにつながっているか」を追える。ほかに show interface status(ポート状態一覧)、show inventory(搭載モジュール)などがある。

5.5.2権限レベルと操作支援

  • ユーザEXECモード=プロンプトが >(例 Switch>)。基本的な閲覧中心で、できることが限られた入口のモード。特権EXECモード=プロンプトが #(例 Switch#)で、enable コマンドで移行し、すべての show や管理操作が可能。記号で今どちらにいるかが分かる。
  • ?(ヘルプ)=その場で使えるコマンドや続きの引数を一覧してくれる。show ? と打てば show に続けられるキーワードが並ぶので、うろ覚えでも探せる。コマンドが分からないときの最初の頼りになる。
  • Tab補完=コマンドの途中でTabキーを押すと残りを自動補完する。sh と打ってTabで show に、show ip int からTabで show ip interface に伸びる。打ち間違いを減らし速く正確に入力できる。
試験ポイント

「show ip interface brief=IF一覧とup/up」「show cdp neighbors=隣接Cisco機器」「show ip route=経路表」「show mac address-table=MAC学習」「show version=IOS/型番」の役割と、>=ユーザEXEC(閲覧中心)/#=特権EXEC(enableで移行・全機能)」「?=ヘルプ一覧/Tab=コマンド補完」が頻出です。プロンプト記号でモードを見分ける点に注意しましょう。

あるアクセススイッチに 192.168.10.20 のPCがつながっているはずなのに通信できない、という調査を任されたとします。SSHでスイッチに入ると、プロンプトが Switch> になっていることに気づきます。この >ユーザEXECモードの印で、閲覧できる範囲が限られています。そこで enable を打って Switch#、すなわち特権EXECモードへ移り、必要な show を実行できる状態にします。まず show ip interface brief でインターフェースの一覧を見ると、対象PCがつながるポートが up/up なのか、それとも down なのかが一目で分かります。もしポートが up/up なら物理・リンクは生きているので、次に show mac address-table を見て、そのPCのMACアドレスが期待するポートで学習されているかを確かめます。学習されていなければ、PC側が通信を出していないか、別ポート・別VLANにいる可能性が見えてきます。隣の機器との関係を確かめたいときは show cdp neighbors で直結のCisco機器をたどり、経路の問題を疑うなら show ip route で経路表を確認します。ここで入門者がやりがちなのは、コマンドをうろ覚えで打って弾かれることですが、そんなときは show ? と打てば続けられる候補が一覧され、sh からTabキーで show に補完されるので、正確なコマンドを思い出せなくても手が進みます。大切なのは、まず自分がどのモード(># か)にいるかを記号で確認し、目的に合った show を選び、? とTabの助けを借りて確実に情報を集めるという一連の型です。設定を変える前に、まず show で「今どうなっているか」を正確に読むこと——これがCisco機器診断の入口です。

コマンド/記号分かること/意味主な使いどころ
show ip interface brief各IFのIPと状態(up/up など)ポートが上がっているか一覧で把握
show cdp neighbors直結の隣接Cisco機器図なしで隣の機器をたどる
show ip routeルーティングテーブル(経路表)どのネットワークへどう行くか確認
show mac address-table学習したMACと対応ポートPCがどのポートにいるか追う
show versionIOSバージョン・機種/型番版数や機種の確認
> と #> =ユーザEXEC/# =特権EXEC今の権限モードを記号で見分ける
注意

ひっかけ: 「プロンプトの ># はただの飾りで、どちらでも同じコマンドが使える」は誤りです——>ユーザEXECモード(閲覧中心で機能が限られる)、#enableで移行する特権EXECモード(全機能)で、権限が違います。また「? を打つとエラーになるので使ってはいけない」も誤り=?使えるコマンドや引数を一覧するヘルプで、Tab補完と並ぶ心強い操作支援です。

show ip interface brief等の基本コマンドと権限レベルの図。
機器の状態をコマンドで読む

5.5.3この節のまとめ

  • 基本のshowshow ip interface brief(IF一覧/up/up)・show cdp neighbors(隣接)・show ip route(経路)・show mac address-table(MAC学習)・show version(IOS/型番)
  • プロンプト >ユーザEXEC(閲覧中心)、#特権EXECenableで移行・全機能)。記号でモードを見分ける
  • ?(ヘルプで候補一覧)とTab補完を使うと、うろ覚えでも速く正確にコマンドを入力できる

進捗の記録にはログインが必要です。

理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. Ciscoスイッチにログインするとプロンプトが `Switch>` になっていた。すべての show コマンドや管理操作を行える状態にするための操作として最も適切なものはどれか。

Q2. あるCiscoスイッチで、各インターフェースにIPが振られていて状態が up/up かどうかを一覧でまず把握したい。最も適したコマンドはどれか。

Q3. あるPCのMACアドレスが、Ciscoスイッチのどのポートで学習されているかを確認したい。最も適したコマンドはどれか。

理解度を確認第5章「問題の診断」の問題を解く

学習の記録を残しませんか

参考書はすべて無料で読めます。無料登録すると、問題集での演習・既読と進捗の記録・間違えた問題の復習・ハイライトが使えます。