変更要約: 初版
5.5Cisco機器の基本showコマンド
Cisco機器の状態を読むための基本showコマンド(show ip interface briefでIF一覧とup/up、show cdp neighborsで隣接Cisco機器、show ip routeで経路表、show mac address-tableでMAC学習、show versionでIOS/型番)と、閲覧中心のユーザEXECモード(>)と全機能の特権EXECモード(#)という権限レベル、そして?ヘルプとTab補完という操作支援を学びます。
ここまでの汎用的な診断に加え、Cisco機器そのものの状態を読むにはshowコマンドが中心になります。CCSTでは複雑な設定までは求められませんが、show 系で「今どうなっているか」を読み取れることは、サポートの基本装備です。この節では、よく使う show ip interface brief・show cdp neighbors・show ip route・show mac address-table・show version の役割と、プロンプト記号で見分けるユーザEXECモード(>)と特権EXECモード(#)の権限レベル、そして操作を助ける ?(ヘルプ)とTab補完を、入門レベルで学びます。
5.5.1よく使う基本showコマンド
- show ip interface brief=各インターフェースのIPアドレスと状態(
up/upなど)を一覧で表示。「どのポートが上がっていて、IPが振られているか」を最初に把握する定番。show version=IOSのバージョンや機種・型番を表示。 - show cdp neighbors=直接つながっている隣接Cisco機器を表示(相手の機種・接続ポートが分かる)。ネットワーク図がなくても「この機器の隣に何があるか」をたどれる。
show ip route=ルーティングテーブル(経路表)を表示し、どのネットワークへどう行くかを見る。 - show mac address-table=スイッチが学習したMACアドレスと対応ポートの表を表示。「あるPCがどのポートにつながっているか」を追える。ほかに
show interface status(ポート状態一覧)、show inventory(搭載モジュール)などがある。
5.5.2権限レベルと操作支援
- ユーザEXECモード=プロンプトが
>(例Switch>)。基本的な閲覧中心で、できることが限られた入口のモード。特権EXECモード=プロンプトが#(例Switch#)で、enableコマンドで移行し、すべてのshowや管理操作が可能。記号で今どちらにいるかが分かる。 ?(ヘルプ)=その場で使えるコマンドや続きの引数を一覧してくれる。show ?と打てばshowに続けられるキーワードが並ぶので、うろ覚えでも探せる。コマンドが分からないときの最初の頼りになる。- Tab補完=コマンドの途中でTabキーを押すと残りを自動補完する。
shと打ってTabでshowに、show ip intからTabでshow ip interfaceに伸びる。打ち間違いを減らし速く正確に入力できる。
「show ip interface brief=IF一覧とup/up」「show cdp neighbors=隣接Cisco機器」「show ip route=経路表」「show mac address-table=MAC学習」「show version=IOS/型番」の役割と、「>=ユーザEXEC(閲覧中心)/#=特権EXEC(enableで移行・全機能)」「?=ヘルプ一覧/Tab=コマンド補完」が頻出です。プロンプト記号でモードを見分ける点に注意しましょう。
あるアクセススイッチに 192.168.10.20 のPCがつながっているはずなのに通信できない、という調査を任されたとします。SSHでスイッチに入ると、プロンプトが Switch> になっていることに気づきます。この > はユーザEXECモードの印で、閲覧できる範囲が限られています。そこで enable を打って Switch#、すなわち特権EXECモードへ移り、必要な show を実行できる状態にします。まず show ip interface brief でインターフェースの一覧を見ると、対象PCがつながるポートが up/up なのか、それとも down なのかが一目で分かります。もしポートが up/up なら物理・リンクは生きているので、次に show mac address-table を見て、そのPCのMACアドレスが期待するポートで学習されているかを確かめます。学習されていなければ、PC側が通信を出していないか、別ポート・別VLANにいる可能性が見えてきます。隣の機器との関係を確かめたいときは show cdp neighbors で直結のCisco機器をたどり、経路の問題を疑うなら show ip route で経路表を確認します。ここで入門者がやりがちなのは、コマンドをうろ覚えで打って弾かれることですが、そんなときは show ? と打てば続けられる候補が一覧され、sh からTabキーで show に補完されるので、正確なコマンドを思い出せなくても手が進みます。大切なのは、まず自分がどのモード(> か # か)にいるかを記号で確認し、目的に合った show を選び、? とTabの助けを借りて確実に情報を集めるという一連の型です。設定を変える前に、まず show で「今どうなっているか」を正確に読むこと——これがCisco機器診断の入口です。
| コマンド/記号 | 分かること/意味 | 主な使いどころ |
|---|---|---|
| show ip interface brief | 各IFのIPと状態(up/up など) | ポートが上がっているか一覧で把握 |
| show cdp neighbors | 直結の隣接Cisco機器 | 図なしで隣の機器をたどる |
| show ip route | ルーティングテーブル(経路表) | どのネットワークへどう行くか確認 |
| show mac address-table | 学習したMACと対応ポート | PCがどのポートにいるか追う |
| show version | IOSバージョン・機種/型番 | 版数や機種の確認 |
| > と # | > =ユーザEXEC/# =特権EXEC | 今の権限モードを記号で見分ける |
ひっかけ: 「プロンプトの > と # はただの飾りで、どちらでも同じコマンドが使える」は誤りです——> はユーザEXECモード(閲覧中心で機能が限られる)、# はenableで移行する特権EXECモード(全機能)で、権限が違います。また「? を打つとエラーになるので使ってはいけない」も誤り=? は使えるコマンドや引数を一覧するヘルプで、Tab補完と並ぶ心強い操作支援です。
5.5.3この節のまとめ
- 基本のshow:
show ip interface brief(IF一覧/up/up)・show cdp neighbors(隣接)・show ip route(経路)・show mac address-table(MAC学習)・show version(IOS/型番) - プロンプト
>=ユーザEXEC(閲覧中心)、#=特権EXEC(enableで移行・全機能)。記号でモードを見分ける ?(ヘルプで候補一覧)とTab補完を使うと、うろ覚えでも速く正確にコマンドを入力できる
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. Ciscoスイッチにログインするとプロンプトが `Switch>` になっていた。すべての show コマンドや管理操作を行える状態にするための操作として最も適切なものはどれか。
Q2. あるCiscoスイッチで、各インターフェースにIPが振られていて状態が up/up かどうかを一覧でまず把握したい。最も適したコマンドはどれか。
Q3. あるPCのMACアドレスが、Ciscoスイッチのどのポートで学習されているかを確認したい。最も適したコマンドはどれか。

