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ネットワークスペシャリスト試験参考書

ネットワーク分野の最高峰の国家資格、ネットワークスペシャリスト(NW)。本コースは午前(科目A)の四肢択一を対象に、NW固有の午前II専門(TCP/IP・ルーティング・スイッチング・無線/広域網・SDN/仮想化・QoS/高可用性・ネットワークセキュリティ)を中心に対策します(午前I共通は応用情報 AP コースが土台/午後の記述式は対象外)。

ネットワークスペシャリスト試験(NW)について

ネットワークスペシャリスト試験(NW)は、IPA(情報処理技術者試験) が提供するプロフェッショナル・エキスパートレベルの認定資格です。このページでは、試験範囲を全 6 章・25 節の参考書として体系的に解説し、本番形式の練習問題で理解度を確認できます。下の章一覧から順に読み進め、「問題集で演習する」で実力を試すのが効率的な学習の流れです。

試験で問われる分野(出題範囲の目安)

  • ネットワーク方式・TCP/IP基礎約 20%
  • ルーティングとスイッチング約 18%
  • ネットワーク応用約 16%
  • 広域網とネットワーク仮想化約 16%
  • ネットワーク管理と高可用性約 12%
  • ネットワークセキュリティ約 18%

配点は本番試験の目安です。各分野は下の章・節で詳しく解説しています。

公式の試験情報:https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/nw.html

1ネットワーク方式とTCP/IP基礎

  • 1.1OSI参照モデルとTCP/IP階層

    通信を7つの役割に分けるOSI参照モデルと実務で使われるTCP/IPの4階層の対応関係、上位層データを下位層のヘッダで包むカプセル化と各層のPDU(フレーム/パケット/セグメント)、そしてL2/L3/L4/L7のどの層の障害かを切り分ける判断力を学びます。

  • 1.2LANとイーサネット・スイッチング

    イーサネット規格とCSMA/CD・全二重通信、48ビットのMACアドレス、L2スイッチのMACアドレス学習とフラッディング、コリジョンドメインとブロードキャストドメインを分ける機器選定、そして「ハブ/L2スイッチ/L3スイッチのどれを使うか」を判断する力を学びます。

  • 1.3IPアドレスとサブネット設計

    IPv4アドレスの構造とクラス概念、CIDR表記とサブネットマスク、必要ホスト数に応じて可変長で分割するVLSM、外部に漏出させないプライベートアドレス、そしてサブネット計算を手動検算しながらセグメント設計を判断する力を学びます。

  • 1.4IPv6とアドレス解決

    128ビットのIPv6アドレス表記とグローバルユニキャストアドレス・リンクローカルアドレス、IPv4のMACアドレス解決を担うARPとIPv6版のNDP、IPv4/IPv6を共存させるデュアルスタック、そして「IPv4アドレス枯渇にどう対処するか」を判断する力を学びます。

  • 1.5データ伝送と物理層

    デジタル信号をアナログ伝送路に乗せる伝送符号化、複数の通信を1本の回線に集約する多重化(TDM/FDM/WDM)、伝送誤りを扱う誤り制御、全二重/半二重の違い、そして帯域幅と実効伝送速度の関係を学びます。

2ルーティングとスイッチング

  • 2.1ルーティングの基礎

    ルーティングテーブルの参照方法、静的ルーティングと動的ルーティングの使い分け、経路が複数一致するときのロンゲストマッチ、既定の出口となるデフォルトルート、経路のコストを表すメトリック、そして複数の経路情報源を比較するAD(アドミニストレーティブディスタンス)を学びます。

  • 2.2動的ルーティングプロトコル

    ホップ数で経路を評価するディスタンスベクタ型(RIP)、リンク状態をフラッディングして最短経路木を計算するリンクステート型(OSPF・エリア・LSA・コスト)、AS間の経路制御を担うパスベクタ型(BGP・AS・eBGP/iBGP・経路属性)、そして組織内で使うIGPと組織間で使うEGPの違いと収束の速さを学びます。

  • 2.3スイッチングとVLAN

    1つの物理スイッチを論理的に分割するVLAN、複数VLANのフレームを1本のリンクで運ぶタグVLAN(IEEE802.1Q)、トランクポートとアクセスポートの役割分担、VLANをまたぐ通信を実現するVLAN間ルーティングとL3スイッチ、そして複数の物理リンクを束ねるリンクアグリゲーション(LACP)を学びます。

  • 2.4STPとループ防止

    冗長化のためにスイッチ間を複数リンクで接続すると発生するL2ループとその害であるブロードキャストストーム、これを防ぐスパニングツリープロトコル(STP/RSTP)、優先度とMACアドレスで決まるルートブリッジ選出、そしてポートが遷移するポート状態とSTP・RSTPの収束速度の違いを学びます。

3ネットワーク応用サービス

  • 3.1DNS

    権威サーバとキャッシュサーバの役割分担、ゾーンと委譲によるドメイン空間の分割、A/AAAA/MX/CNAME/NS/PTRなどのリソースレコード、再帰問い合わせと反復問い合わせの違い、正引き・逆引きの流れを学び、DNS障害の切り分け方を習得します。

  • 3.2DHCPとアドレス配布

    DHCPのDISCOVER/OFFER/REQUEST/ACKの4メッセージ交換、リースによるアドレスの一時貸与、複数セグメントで使うDHCPリレーエージェント、サーバ機器などに使う固定割当、そして複数セグメント環境でのDHCPスコープ設計を、実務での配布設計の判断とともに学びます。

  • 3.3HTTP・Web・メールプロトコル

    HTTP/HTTPSの基本とHTTP/2・HTTP/3(QUIC)による性能改善、cookie・セッション管理、SMTP/POP3/IMAPによるメール送受信、SPF/DKIM/DMARCによる送信ドメイン認証、MIMEによるメール添付の仕組みを、Web/メールの性能となりすまし対策の設計判断とともに学びます。

  • 3.4負荷分散とコンテンツ配信

    L4/L7ロードバランサの違いとラウンドロビン/最小コネクション/重み付けなどの負荷分散方式、ヘルスチェックによる障害サーバの自動切り離し、セッション維持(スティッキーセッション)、リバースプロキシとCDNによるコンテンツ配信の最適化、NTPによる時刻同期を、要件に応じたL4/L7選択の判断とともに学びます。

4広域網とネットワーク仮想化

  • 4.1WANと広域接続

    拠点間を結ぶ専用線・広域イーサネット・MPLS(ラベルスイッチング)によるIP-VPN、そしてインターネットVPNなどの閉域網サービスの特性を比較し、コスト・品質(帯域保証・遅延)・セキュリティのトレードオフから最適な回線・アクセス方式を選ぶ判断力を学びます。

  • 4.2無線LANとモバイル

    IEEE802.11規格の変遷(a/b/g/n/ac/ax(Wi-Fi 6))、周波数帯とチャネル、SSID、WPA2/WPA3による暗号化、ローミング、隠れ端末問題、そして5G/LTEモバイル通信を学び、電波干渉・セキュリティ要件を踏まえた無線環境設計の判断力を養います。

  • 4.3ネットワーク仮想化

    制御機能とデータ転送機能を分離するSDN(OpenFlow)、拠点間WANをソフトウェアで統合制御するSD-WAN、専用機器の機能をソフトウェア化するNFV、そしてL2ネットワークをL3上にオーバーレイ構築するVXLAN(VNI)を学び、従来型ネットワークからの移行判断を養います。

  • 4.4クラウドとエッジ

    IaaS/PaaS/SaaSのサービスモデルとクラウド接続方式(専用接続/VPN)、VPC(仮想ネットワーク)、遅延に弱い処理を端末近くで行うエッジコンピューティング、コンテンツ配信を高速化するCDN、そしてIoT/M2Mを学び、オンプレミスとクラウド間のネットワーク接続設計の判断力を養います。

5ネットワーク管理と高可用性

  • 5.1ネットワーク管理と監視

    SNMP(マネージャ/エージェント/MIB/OID)による機器監視、ポーリングとトラップの使い分け、SNMPv3のセキュリティ強化、NetFlow・sFlowによるフロー監視、シスログによるイベント収集、そして障害を早期発見するための監視設計の考え方を学びます。

  • 5.2性能とトラフィック設計

    スループット・帯域・遅延・ジッタ・パケットロスといった性能指標、窓口の混雑を数理的に扱う待ち行列理論(M/M/1)(利用率ρ・平均待ち時間)、トラフィック量の見積もりとキャパシティ管理、そして性能劣化の原因を切り分けるボトルネック診断を学びます。

  • 5.3QoSと帯域制御

    音声・映像トラフィックの品質を守るためのQoSの必要性、優先度に応じてキューを分ける優先制御(プライオリティキューイング)、送信レートを制御するシェーピングとポリシング、標準化された優先度マーキングのDiffServ(DSCP)とIntServ、そしてネットワーク全体の破綻を防ぐ輻輳制御を学びます。

  • 5.4冗長化と高可用性

    デフォルトゲートウェイを冗長化するVRRP・HSRP、物理リンクを束ねるリンクアグリゲーション、複数経路を確保する経路冗長、アクティブ/スタンバイ構成の機器冗長、稼働率・MTBF・MTTRの計算、そしてシステム全体を脅かす単一障害点(SPOF)の排除を学びます。

6ネットワークセキュリティ

  • 6.1セキュアプロトコルとVPN

    IPパケットを暗号化・認証するIPsec(ESP・AH・IKE)のトランスポート/トンネルモード、Webの暗号化通信を支えるTLS、Webブラウザだけで使えるSSL-VPN、拠点間を結ぶサイト間VPNとリモートワーカー向けのリモートアクセスVPN、そしてNAT環境でIPsecを通すNAT-Tを学びます。

  • 6.2境界防御

    ネットワークの境界で不正な通信を遮断するファイアウォール(パケットフィルタ・ステートフルインスペクション・アプリケーションゲートウェイ)、攻撃を検知・防御するIDS/IPS(シグネチャ型・アノマリ型)、Webアプリを狙う攻撃を防ぐWAF、複数機能を統合するUTM、外部公開サーバを隔離するDMZ、そして通信を代理するプロキシを学びます。

  • 6.3認証と暗号・PKI

    ネットワークアクセスを一元的に認証するRADIUS、認証方式を拡張するEAP(EAP-TLS・PEAP)、ポート単位でアクセス制御するIEEE 802.1Xと認証VLAN、鍵の扱いが異なる共通鍵暗号と公開鍵暗号、そして通信相手の身元を保証するデジタル証明書・PKI・CA、改ざん検知と真正性証明を担うハッシュ・デジタル署名を学びます。

  • 6.4攻撃と対策

    大量のリクエストでサービスを停止させるDoS/DDoS(SYN Flood・リフレクション攻撃・増幅攻撃)、DNS応答を偽装するDNSキャッシュポイズニング、LAN内でMACアドレスを偽装するARPスプーフィングとそれによる中間者攻撃、事前調査に使われるポートスキャン、そしてこれらへの対策となるDNSSEC・DHCPスヌーピング・送信ドメイン認証(SPF/DKIM/DMARC)、境界を前提としないゼロトラスト・SASEを学びます。