第4章 · 広域網とネットワーク仮想化·v1.0.0·更新 2026/7/10·読了目安 約15分
変更要約: 初版
4.4クラウドとエッジ
この節の要点
IaaS/PaaS/SaaSのサービスモデルとクラウド接続方式(専用接続/VPN)、VPC(仮想ネットワーク)、遅延に弱い処理を端末近くで行うエッジコンピューティング、コンテンツ配信を高速化するCDN、そしてIoT/M2Mを学び、オンプレミスとクラウド間のネットワーク接続設計の判断力を養います。
業務システムをクラウドへ移行する際、ネットワーク設計者は「どのサービスモデルを使うか」だけでなく「オンプレミスとクラウドをどう接続するか(専用接続かVPNか)」「クラウド上の仮想ネットワークをどう区画設計するか」「遅延に弱い処理をどこで実行するか(クラウドかエッジか)」という一連の判断を迫られます。この節では、要件(遅延許容度・セキュリティ・コスト)に応じたオンプレ/クラウド接続設計の視点を学びます。
4.4.1IaaS/PaaS/SaaSとクラウド接続
- IaaS(Infrastructure as a Service)=仮想サーバ・ストレージ・ネットワークなどインフラ部分をサービスとして提供し、OS以上は利用者が管理する。PaaS(Platform as a Service)=OS・ミドルウェアまでを提供し、利用者はアプリケーションの実装に専念できる。SaaS(Software as a Service)=アプリケーションそのものをサービスとして提供し、利用者は設定・利用のみを行う。利用者の管理範囲がIaaS→PaaS→SaaSの順に狭くなる。
- オンプレミスとクラウドの接続方式は、専用接続(クラウド事業者のデータセンターへ物理的な専用線・広域イーサネット等で直結し、公衆インターネットを経由しない)とVPN接続(インターネットVPNでIPsecトンネルを張る)に大別される。専用接続は帯域保証・低遅延・高セキュリティだが導入コストと工期がかかり、VPN接続は迅速・安価だが公衆網経由でSLAが弱いという、第1節のWAN選定と同型のトレードオフになる。

