ITパスポート試験参考書
IT を利活用する社会人・学生に必要な IT の基礎知識(ストラテジ・マネジメント・テクノロジ)を証明する国家試験、ITパスポート(iパス)。
ITパスポート試験(IP)について
ITパスポート試験(IP)は、IPA(情報処理技術者試験) が提供する入門レベルの認定資格です。このページでは、試験範囲を全 3 章・23 節の参考書として体系的に解説し、本番形式の練習問題で理解度を確認できます。下の章一覧から順に読み進め、「問題集で演習する」で実力を試すのが効率的な学習の流れです。
試験で問われる分野(出題範囲の目安)
- ストラテジ系約 35%
- マネジメント系約 20%
- テクノロジ系約 45%
配点は本番試験の目安です。各分野は下の章・節で詳しく解説しています。
公式の試験情報:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
1ストラテジ系
- 1.1企業活動
企業を動かす基本の仕組みとして、経営組織の形態、状況判断のサイクルである OODA と改善サイクルの PDCA を押さえます。会計・財務では 損益計算書(PL)と 貸借対照表(BS)の違い、損益分岐点、在庫評価の考え方を学びます。さらに ヒューマンリソース管理 と、生産性・品質を数値で捉える OR/IE(QC七つ道具・線形計画法・検定)にも触れます。
- 1.2法務
企業活動を支える法制度として、知的財産権(著作権・産業財産権=特許権/実用新案権/意匠権/商標権)を学びます。セキュリティ関連法規では 不正アクセス禁止法 と 個人情報保護法 を、労働・取引関連法規では 労働者派遣法 と 中小受託取引適正化法 を押さえます。最後に コンプライアンス と ISO/JIS などの標準化の役割にも触れます。
- 1.3経営戦略マネジメント
企業が市場でどう戦うかを考える競争戦略(SWOT分析・PPM・コアコンピタンス)、顧客にどう届けるかを考えるマーケティング(4P・セグメンテーション)、目標をどう測るかを示すビジネス戦略と目標評価(KGI・KPI・BSC)、そして戦略を実行に移す仕組みである経営管理システム(CRM・SCM・ERP・バリューチェーン)を学びます。
- 1.4技術戦略マネジメント
企業が技術をどう経営に活かすかという技術開発戦略(MOT・イノベーション・オープンイノベーション・デザイン思考)と、開発の道筋を示す技術開発計画(技術ロードマップ)を学びます。技術を単なる研究開発にとどめず、経営目標に結びつける視点が重要です。
- 1.5ビジネスインダストリ
業界特有のIT活用として、ビジネスシステム(POS・EDI・IoT応用)、エンジニアリング/生産管理(JIT・かんばん方式)、e-ビジネス(EC・ロングテール・フィンテック)、IoTシステム/組込みシステムを学びます。さらに近年重要性が増すAI活用(機械学習・生成AI・ハルシネーション・AI倫理)も押さえます。
- 1.6システム戦略
経営とITをどう結びつけるかという情報システム戦略(EA・BPR・BPM)、日々の業務をどう見直すかという業務プロセス(モデリング・RPA)、外部のITサービスをどう活用するかというソリューションビジネス(SaaS・PaaS・IaaS・クラウド)、そしてIT活用を組織に浸透させるシステム活用促進(DX・データ利活用)を学びます。
- 1.7システム企画
情報システムを作る最初の段階として、システム化計画(何をどう作るかの全体方針づくり)と、それを具体化する要件定義(利用者の要求を整理し仕様に落とし込む工程)を学びます。さらに外部のベンダーに開発を依頼する際の調達計画・実施(RFI・RFP・相見積り)についても押さえます。
2マネジメント系
- 2.1システム開発技術
システム開発の流れ(要件定義→設計→実装→テスト→受入れ)と、機能要件/非機能要件の違い、モジュール分割の考え方を学びます。テストの段階(単体テスト・結合テスト・システムテスト・運用テスト)と、ホワイトボックステスト・ブラックボックステスト、レビューの目的も押さえます。
- 2.2ソフトウェア開発管理技術
代表的な開発モデルとしてウォーターフォールモデルとアジャイル(スクラム・XP・ペアプログラミング)を比較し、共通の作業プロセス基準である共通フレーム、規模を数値化する見積り手法(ファンクションポイント法・工数)を学びます。
- 2.3プロジェクトマネジメント
プロジェクトを計画的に遂行するための知識体系であるPMBOKの考え方と、スコープ管理・スケジュール管理(WBS・アローダイアグラム・クリティカルパス)・コスト管理・品質管理・リスク管理・ステークホルダ管理を学びます。
- 2.4サービスマネジメント
ITサービスを継続的・安定的に提供するための考え方であるITIL、サービス品質の合意であるSLA・SLM、インシデント管理・問題管理・変更管理、利用者窓口のサービスデスク、そしてUPSや冗長化などのファシリティマネジメントを学びます。
- 2.5システム監査
システム監査の目的と流れ(監査計画→監査の実施→監査報告→フォローアップ)、内部統制(IT統制・職務分掌)、そして監査人に求められる独立性を学びます。
3テクノロジ系
- 3.1基礎理論
コンピュータが数を表す2進数とその基数変換、真偽を組み合わせる論理演算(AND・OR・NOT・XOR)、範囲の関係を図にする集合とベン図、データの傾向を捉える確率統計(相関・回帰・正規分布)、情報量の単位bit・byte、文字を表す文字コード、そして機械学習・ニューラルネットワークといったAIの基礎を学びます。
- 3.2アルゴリズムとプログラミング
処理の手順を図で表す流れ図、データの持ち方であるデータ構造(配列・リスト・後入れ先出しのスタック・先入れ先出しのキュー・階層構造の木)、目的のデータを見つける探索アルゴリズムと順序を整える整列アルゴリズム、処理の効率を表す計算量、プログラム言語やマークアップ言語(HTML・XML)・API・ローコード開発を学びます。
- 3.3コンピュータ構成要素
コンピュータの頭脳であるプロセッサ(CPU)とその動作速度を表すクロック、処理を並行して行うコア、作業机にあたる主記憶(RAM)と読み出し専用のROM、CPUと主記憶の速度差を埋めるキャッシュ、外部機器とつなぐ入出力インタフェース(USB・HDMI・Bluetooth)を学びます。
- 3.4システム構成要素
複数のコンピュータの組み合わせ方であるシステム構成(集中処理・分散処理・クライアントサーバシステム・仮想化・クラウド)、システムの速さを表す性能指標(レスポンスタイム・スループット・ベンチマーク)、止まりにくさを表す信頼性指標(稼働率・RASIS・MTBF・MTTR・フォールトトレラント・デュアルシステム・デュプレックスシステム)を学びます。
- 3.5ソフトウェア
コンピュータ全体を管理するOS(オペレーティングシステム)の役割(タスク管理・仮想記憶)、ファイルを整理するファイル管理(ディレクトリ・絶対パス・相対パス・バックアップ)、日常業務で使う表計算ソフト(相対参照・絶対参照・関数)、無償で公開・改変できるOSS(オープンソースソフトウェア)を学びます。
- 3.6ハードウェア
コンピュータの種類(デスクトップ・ノート・サーバ・組み込みシステム等)、入出力装置(キーボード・マウス・ディスプレイ・プリンタ等)、データを長期間保存する記憶装置(HDD・SSD)、電気電子回路の基礎、センサで周囲を感知しアクチュエータで働きかけるIoTデバイス、電力消費を抑える省電力の考え方を学びます。
- 3.7情報デザイン(ユニバーサルデザイン・アクセシビリティ・インタフェース設計)
年齢や障がいの有無を問わず誰もが使いやすいように配慮するユニバーサルデザイン、利用者の体験全体を設計するUX(ユーザーエクスペリエンス)と操作画面そのものを設計するUI(ユーザーインタフェース)、Webサイトを誰もが利用できるようにするWebアクセシビリティ、迷わず操作できるよう画面構成を整理する構造化(サインイン・ナビゲーション)、絵文字で情報を伝えるピクトグラムや色覚の違いに配慮するカラーユニバーサルデザインを学びます。
- 3.8情報メディア(マルチメディア・圧縮技術・VR/AR)
静止画・動画・音声を組み合わせて扱うマルチメディア、データを符号化してファイルサイズを小さくする圧縮(可逆圧縮・非可逆圧縮)と代表的な形式(JPEG・MPEG・MP3)、コンピュータで仮想空間を作るVR(仮想現実)、現実に情報を重ねるAR(拡張現実)、それらを応用したメタバース、そして画像を生成・加工するCG(コンピュータグラフィックス)の基礎を学びます。
- 3.9データベース(関係データベース・SQL基礎・トランザクション)
表形式でデータを管理する関係データベース(表・行・列・主キー・外部キー)、データの重複や矛盾を減らす正規化、データを検索・操作するSQLの基礎(SELECT・WHERE)、複数の処理をひとまとまりとして扱うトランザクション(ACID特性・排他制御・コミット・ロールバック)、大量データを分析用に蓄積するデータウェアハウスと規則性を発見するデータマイニングを学びます。
- 3.10ネットワーク(TCP/IP・IPアドレス・無線LAN・通信速度)
限られた範囲を結ぶLANと広域を結ぶWAN、インターネットの標準的な通信規約であるTCP/IP、機器を識別するIPアドレス、名前解決を行うDNS、IPアドレスを自動割り当てするDHCP、ルータやハブといった通信機器、ケーブル不要の無線LAN、メールの送受信に使うSMTP・POP・IMAP、そして通信速度の計算を学びます。
- 3.11セキュリティ(情報セキュリティの3要素・脅威・暗号・認証・対策)
情報セキュリティが守るべき機密性・完全性・可用性の3要素、マルウェア・フィッシング・標的型攻撃・ソーシャルエンジニアリングといった脅威、鍵を使ってデータを保護する暗号(共通鍵暗号方式・公開鍵暗号方式・電子署名・PKI)、本人確認の多要素認証・生体認証、そして組織を守るファイアウォール・ゼロトラスト・ISMS・リスクマネジメントを学びます。

