Instiq
第1章 · ストラテジ系·v1.0.0·更新 2026/7/8·読了目安 約12分

変更要約: 初版(ストラテジ系・企業活動〜システム企画)

1.3経営戦略マネジメント

この節の要点

企業が市場でどう戦うかを考える競争戦略SWOT分析PPMコアコンピタンス)、顧客にどう届けるかを考えるマーケティング4Pセグメンテーション)、目標をどう測るかを示すビジネス戦略と目標評価KGIKPIBSC)、そして戦略を実行に移す仕組みである経営管理システムCRMSCMERPバリューチェーン)を学びます。

経営戦略とは、限られた経営資源をどこに集中させ、競合とどう戦い、顧客にどう価値を届けるかという「会社の勝ち筋」を描く活動です。この節では、現状分析のためのフレームワーク、顧客への届け方、目標の測り方、そして戦略を日々の業務システムに落とし込む仕組みまでを一続きに見ていきます。

1.3.1競争戦略(SWOT・PPM・コアコンピタンス)

  • SWOT分析=自社の強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)という内部要因と、機会(Opportunities)・脅威(Threats)という外部要因を整理し、戦略の方向性を導くフレームワーク。
  • PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)=製品・事業を「市場成長率」と「市場占有率(シェア)」の2軸で花形・金のなる木・問題児・負け犬の4象限に分類し、資源配分の判断材料にする手法。
  • コアコンピタンス=他社に真似されにくい、その企業ならではの中核的な強み・技術力。長期的な競争優位の源泉となる。

1.3.2マーケティング(4P・セグメンテーション)

  • 4P=マーケティング施策をProduct(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(販促)の4要素で整理するフレームワーク。
  • セグメンテーション=市場全体を年齢・地域・ニーズなどの基準で複数の部分市場(セグメント)に分割すること。その中から狙う層を選ぶターゲティング、自社の立ち位置を決めるポジショニングとあわせてSTPと呼ばれる。

1.3.3ビジネス戦略と目標評価(KGI・KPI・BSC)

  • KGI(重要目標達成指標)=経営戦略の最終ゴールを数値で示す指標(例:売上高○○円)。KPI(重要業績評価指標)=KGI達成に向けた途中経過・プロセスを測る指標(例:訪問件数、成約率)。
  • BSC(バランスト・スコアカード)=業績を財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4つの視点からバランスよく評価する経営管理手法。財務指標だけに偏らないのが特徴。

1.3.4経営管理システム(CRM・SCM・ERP・バリューチェーン)

  • CRM(顧客関係管理)=顧客情報や商談履歴を一元管理し、顧客との関係を強化する仕組み。SCM(サプライチェーンマネジメント)=原材料調達から製造・物流・販売までの供給連鎖全体を最適化する仕組み。
  • ERP(統合基幹業務システム)=会計・人事・生産・販売など企業の基幹業務を一つのシステムに統合し、情報を一元化する仕組み。バリューチェーン(価値連鎖)=原材料から顧客に届くまでの一連の事業活動を機能ごとに分解し、どこで付加価値が生まれているかを分析する考え方。
試験ポイント

「KGI=最終目標、KPI=途中経過の指標」の対比、4P(Product/Price/Place/Promotion)の4要素の名称SWOTの4象限(内部=強み弱み、外部=機会脅威)が最頻出です。CRM(顧客)・SCM(供給連鎖)・ERP(基幹業務統合)のそれぞれの管理対象の違いも定番の出題ポイントです。

ある中堅の菓子メーカーが新商品の投入を検討する流れで、この節の道具立てを一通り使ってみましょう。まずSWOT分析を行い、「自社の強み=独自の製法技術(コアコンピタンス)、弱み=広告予算の少なさ、機会=健康志向の高まり、脅威=競合の低価格戦略」と整理します。既存の製品ラインはPPMの4象限に当てはめると、主力商品は市場シェアが高く安定収益を生む「金のなる木」、新商品候補は市場成長率が高いがシェア未知数の「問題児」に位置づけられます。新商品を出すにあたりセグメンテーションで「健康志向の30〜40代」という部分市場を切り出し、ターゲットに定めます。4Pで施策を組み立てると、Product(低糖質の新フレーバー)、Price(やや高めの価格設定)、Place(コンビニ中心の流通)、Promotion(SNS広告)という具合に整理できます。目標設定では、KGIを「発売1年で売上5億円」と定め、その達成に向けたKPIとして「月間の店舗導入数」「SNSでの言及数」を設定し、日々の進捗を追います。業績評価はKGI/KPIだけでなくBSCの4視点(財務・顧客満足度・製造プロセスの効率・従業員のスキル向上)でバランスよく確認します。裏側の業務では、原材料調達から店舗への配送までをSCMで最適化し、顧客からの反応やクレームはCRMで一元管理し、会計・生産・販売のデータはERPで統合して経営陣がリアルタイムに把握できるようにします。そして商品が顧客に届くまでの一連の活動をバリューチェーンとして分解すれば、「どの工程が最も付加価値を生んでいるか」を特定し、次の投資判断に活かせます。

指標意味
KGI最終ゴールの数値指標発売1年で売上5億円
KPIKGI達成に向けた途中経過の指標月間の店舗導入数
注意

ひっかけ: 「KPIは経営戦略の最終ゴールを示す指標である」は誤りです。最終ゴールを示すのはKGIで、KPIはその達成に向けた途中経過・プロセスを測る指標です。また「BSCは財務指標のみで業績を評価する手法である」も誤り=BSCは財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4視点でバランスよく評価する点が特徴で、財務偏重の評価とは対照的です。

経営戦略=競争戦略・マーケティング・目標評価・経営管理システムの図。
戦略の立案から評価・管理まで

1.3.5この節のまとめ

  • SWOT(強み/弱み/機会/脅威)・PPM(成長率×シェアの4象限)・コアコンピタンス(模倣困難な中核的強み)
  • 4P(Product/Price/Place/Promotion)とセグメンテーションで顧客に届ける。KGI=最終目標、KPI=途中経過
  • BSCは4視点でバランス評価。CRM(顧客)・SCM(供給連鎖)・ERP(基幹業務統合)・バリューチェーン(付加価値の分析)

進捗の記録にはログインが必要です。

理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 自社の強み・弱みという内部要因と、機会・脅威という外部要因を整理して戦略の方向性を導くフレームワークはどれ?

Q2. 「発売1年で売上5億円」という最終ゴールを示す指標と、それに向けた「月間の店舗導入数」という途中経過の指標の組み合わせとして正しいのはどれ?

Q3. 原材料調達から製造・物流・販売までの供給連鎖全体を最適化する仕組みはどれ?

理解度を確認第1章「ストラテジ系」の問題を解く