変更要約: 初版(テクノロジ系・基礎理論〜ハードウェア)
3.6ハードウェア
コンピュータの種類(デスクトップ・ノート・サーバ・組み込みシステム等)、入出力装置(キーボード・マウス・ディスプレイ・プリンタ等)、データを長期間保存する記憶装置(HDD・SSD)、電気電子回路の基礎、センサで周囲を感知しアクチュエータで働きかけるIoTデバイス、電力消費を抑える省電力の考え方を学びます。
これまでの節で扱ったCPUや主記憶、OSといった仕組みは、最終的には目に見える物理的な機器=ハードウェアの上で動いています。パソコンのような身近な機器から、家電の中に組み込まれた小さなコンピュータ、周囲を感知するIoTデバイスまで、幅広いハードウェアの種類と、それらを支える記憶装置・入出力装置の基礎を学びます。
3.6.1コンピュータの種類と入出力装置
- サーバ=他のコンピュータ(クライアント)にサービスを提供する専用のコンピュータ。組み込みシステム=家電・自動車等の機器の中に組み込まれ、特定の機能に特化して動作するコンピュータ(普段は意識されない)。用途に応じてデスクトップ・ノートパソコン・サーバ・組み込み機器など様々な形態がある。
- 入力装置=コンピュータへ情報を取り込む機器(キーボード・マウス・スキャナ・マイク等)。出力装置=コンピュータの処理結果を人が受け取れる形にする機器(ディスプレイ・プリンタ・スピーカー等)。両方の役割を兼ねる入出力装置にはタッチパネルなどがある。
3.6.2記憶装置・電気電子回路・IoTデバイス・省電力
- HDD(ハードディスクドライブ)=円盤(磁気ディスク)を回転させて磁気的にデータを読み書きする記憶装置。大容量・比較的安価だが、機械的な駆動部があるためSSDより低速で衝撃に弱い。SSD(ソリッドステートドライブ)=半導体メモリにデータを保存する記憶装置。可動部が無く、HDDより高速・軽量・衝撃に強いが、一般に単価は高め。
- 電気電子回路の基礎=電流・電圧・抵抗といった量の関係(オームの法則:電圧=電流×抵抗)や、電流を流す導体・流さない絶縁体の区別など、ハードウェアの動作を支える基本的な物理法則。
- IoT(Internet of Things)デバイス=インターネットにつながる「モノ」の総称。センサ=温度・光・人の動き等、周囲の状態を感知してデータ化する部品。アクチュエータ=受け取った指示に応じて、モーター等を動かし物理的に働きかける部品(センサとアクチュエータが対になって「感知して動く」IoTデバイスが実現する)。
- 省電力=機器の消費電力を抑える工夫(使っていない時間帯に自動でスリープ状態へ移行する等)。バッテリー駆動時間の延伸や環境負荷の低減につながる。
「サーバ=サービスを提供する側」「組み込みシステムは特定機能に特化」「HDD=磁気ディスク回転・SSD=半導体メモリで高速」「SSDはHDDより高速・軽量・衝撃に強い」「センサ=感知・アクチュエータ=物理的に働きかける」が最頻出です。IoTデバイスにおけるセンサとアクチュエータの役割の違いは特に狙われやすい論点です。
スマート家電(エアコン)の仕組みを例に、ハードウェアの各要素がどうつながるかを見てみましょう。このエアコンの内部には、特定の機能に特化して動作する小さなコンピュータである組み込みシステムが搭載されており、汎用的なパソコンのような柔軟性はありませんが、温度調節という限られた仕事を確実にこなします。室温を測るために内蔵されたセンサが周囲の温度を感知してデータ化し、そのデータは家庭内のネットワークを経由してインターネット上のサーバ(あるいはクラウド上のサービス)へ送られます。利用者がスマートフォンのアプリで「room設定温度を24度にする」と操作すると、その指示がサーバを経由してエアコンへ届き、内部のアクチュエータ(モーターやコンプレッサーの駆動部)が実際に風量や冷房の強さを物理的に調整します。このようにセンサで感知しアクチュエータで働きかける一連の仕組みが、エアコンをIoTデバイスとして成立させています。エアコンの運転履歴や設定を長期間記録しておく場合、機械的な駆動部を持つHDDよりも、衝撃に強く高速なSSDを内蔵したサーバ側で保存する構成が一般的です(HDDは大容量を安く確保したい用途に向き、SSDは速度や耐久性を重視する用途に向くというすみ分けがあります)。エアコン自体も、誰もいない部屋では自動的に消費電力を抑える省電力モードに切り替わるよう設計されており、これは電流・電圧・抵抗といった電気電子回路の基本的な性質を踏まえて、必要最小限の電力で動作するよう制御されています。利用者がリモコン(入力装置)で操作した内容は、本体のディスプレイ(出力装置)に現在の設定温度として表示され、人が結果を確認できるようになっています。
| 記憶装置 | 仕組み | 特徴 |
|---|---|---|
| HDD | 磁気ディスクを回転させて読み書き | 大容量・安価だが低速・衝撃に弱い |
| SSD | 半導体メモリに保存 | 高速・軽量・衝撃に強いが単価は高め |
ひっかけ: 「SSDは円盤を回転させてデータを読み書きする」は誤りです。円盤を回転させるのはHDDで、SSDは半導体メモリにデータを保存する方式のため可動部がありません。また「IoTデバイスのセンサは指示を受けて物理的に動作する部品である」も誤り=周囲を感知してデータ化するのがセンサの役割で、指示を受けて物理的に働きかけるのはアクチュエータです。役割が逆にならないよう注意しましょう。
3.6.3この節のまとめ
- サーバはサービス提供側、組み込みシステムは特定機能に特化した小型コンピュータ
- HDD=磁気ディスク回転(大容量・安価)・SSD=半導体メモリ(高速・軽量・耐衝撃)
- IoTデバイスはセンサ(感知)とアクチュエータ(物理的に働きかける)の組み合わせ。省電力で消費を抑える
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 記憶装置のうち、円盤(磁気ディスク)を回転させて磁気的にデータを読み書きするものはどれか。
Q2. スマート家電のIoTデバイスにおいて、受け取った指示に応じてモーターを動かし、実際に物理的な動作(風量の調整等)を行う部品はどれか。
Q3. 家電製品の内部に組み込まれ、温度調節のような特定の機能に特化して動作する、パソコンのような汎用性は持たないコンピュータを何と呼ぶか。

