変更要約: 初版(テクノロジ系・基礎理論〜ハードウェア)
3.1基礎理論
コンピュータが数を表す2進数とその基数変換、真偽を組み合わせる論理演算(AND・OR・NOT・XOR)、範囲の関係を図にする集合とベン図、データの傾向を捉える確率統計(相関・回帰・正規分布)、情報量の単位bit・byte、文字を表す文字コード、そして機械学習・ニューラルネットワークといったAIの基礎を学びます。
テクノロジ系の入り口となるのが「基礎理論」です。コンピュータは内部では0と1だけの2進数で全てのデータを表現しており、その仕組みを知ることがハードウェアやプログラミングの理解の土台になります。あわせて、条件判断の核となる論理演算、データの傾向をつかむ確率統計、AIを支える機械学習の考え方まで、幅広い基礎を一通り押さえます。
3.1.12進数・基数変換・論理演算
- 2進数=0と1だけで数を表す方法。10進数の「5」は2進数で「101」(4+0+1)。基数変換=10進・2進・16進の間で数を変換すること。2進数4桁はちょうど16進数1桁に対応するため、コンピュータ内部の表現によく使われる。
- 論理演算=真(1)・偽(0)を組み合わせて結果を出す演算。AND=両方真のときだけ真(論理積)。OR=どちらか一方でも真なら真(論理和)。NOT=真偽を反転。XOR=どちらか一方だけ真のときに真(排他的論理和、両方真・両方偽なら偽)。
3.1.2集合・確率統計・情報量・文字コード・AI基礎
- 集合=ものの集まりを表す考え方。ベン図=円の重なりで集合同士の関係(共通部分・和・差)を視覚化した図。「AかつB」は円の重なる部分、「AまたはB」は両方の円を合わせた部分にあたる。
- 相関=2つのデータの間に見られる関係の強さ(片方が増えるともう片方も増える・減る、といった傾向)。相関があるからといって因果関係があるとは限らない点に注意。回帰=データの傾向から数式(直線など)を当てはめて予測する分析手法。正規分布=平均値の周りに左右対称に山型に分布する、自然界や測定値によく現れる代表的な分布。
- bit(ビット)=情報量の最小単位(0か1の1桁)。byte(バイト)=8bitをまとめた単位(256通りの値を表せる)。文字コード=文字とビット列を対応づける取り決め(ASCII・Unicode等)で、同じ文字でも異なる文字コードで開くと文字化けが起きる。
- 機械学習=大量のデータからコンピュータ自身が規則やパターンを学習する技術(AIの中核)。ニューラルネットワーク=人間の脳の神経細胞のつながりを模した計算モデルで、機械学習(特にディープラーニング)の基盤となる仕組み。
「10進5=2進101」のような基数変換、「AND=両方真・OR=どちらか真・XOR=一方だけ真」「相関≠因果関係」「1byte=8bit」「文字コードが異なると文字化けする」が最頻出です。ベン図で集合の関係(積・和)を読み取る設問や、機械学習・ニューラルネットワークの一言説明を問う設問も定番です。
社内アンケートの集計を例に、基礎理論の各要素がどうつながるかを見てみましょう。回答者のうち「製品Aを知っている」人の集合と「製品Aを購入した」人の集合をベン図で描くと、両方の円が重なる部分が「知っていて、かつ購入した」人にあたり、これは論理演算でいえばAND条件(両方真)に相当します。逆に「知っている、または購入した」人は両方の円を合わせた範囲で、OR条件にあたります。集計システムの内部では、回答が「はい」なら1、「いいえ」なら0というように2進数の1桁(bit)で管理され、8件分の回答をまとめると1byteになります。アンケートの自由記述欄を保存するときは、日本語を正しく表示するために文字コードを統一しておく必要があり、これがずれていると別のシステムで開いたときに文字化けを起こします。集計結果を分析する段階では、「広告接触回数」と「購入率」の間に相関が見られたとしても、それだけで「広告が購入の原因だ」と断定することはできません(気温など第三の要因が両方に影響している可能性もあります)。傾向を数式で表して将来の購入率を予測したい場合は回帰分析を使い、多数の回答者の年齢分布のようにデータが平均の周りに山型に集まる場合は正規分布に近い形として扱われることがあります。近年ではアンケートの自由記述をAIが自動で分類する取り組みも増えており、その裏側では大量の文章データから規則性を学習する機械学習(人間の神経回路を模したニューラルネットワークを用いるディープラーニングを含む)が使われています。
| 論理演算 | 真になる条件 | 例(A,B) |
|---|---|---|
| AND(論理積) | AとBが両方とも真 | 1,1→1/1,0→0 |
| OR(論理和) | AかBの少なくとも一方が真 | 1,0→1/0,0→0 |
| XOR(排他的論理和) | AとBのどちらか一方だけが真 | 1,0→1/1,1→0 |
ひっかけ: 「2つのデータに相関があれば、一方がもう一方の原因である」は誤りです。相関はあくまで同時に動く傾向があるという事実を示すだけで、因果関係(原因と結果)を保証しません。また「XORは両方が真のときも真になる」も誤り=XORが真になるのはどちらか一方だけが真のときで、両方真の場合はOR(論理和)と混同しがちなので注意が必要です。「1byteは10bit」という誤りにも注意(1byte=8bit)。
3.1.3この節のまとめ
- 2進数はコンピュータの数の表し方。AND=両方真・OR=一方以上真・XOR=一方だけ真
- ベン図で集合の関係を視覚化。相関≠因果関係、回帰で傾向を予測、正規分布は山型
- 1byte=8bit。文字コードがずれると文字化け。機械学習・ニューラルネットワークがAIの基礎
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 論理演算のうち、2つの入力のどちらか一方だけが真(1)のときに真になり、両方とも真または両方とも偽のときは偽になる演算はどれか。
Q2. 「アイスクリームの売上」と「水難事故の件数」には強い相関が見られたが、これは気温という別の要因が両方に影響しているためであった。この状況が示すこととして最も適切なものはどれか。
Q3. あるファイルをテキストエディタで開いたところ、日本語の部分が意味不明な記号の羅列(文字化け)として表示された。この現象の主な原因として最も適切なものはどれか。

