変更要約: 初版(テクノロジ系・基礎理論〜ハードウェア)
3.5ソフトウェア
コンピュータ全体を管理するOS(オペレーティングシステム)の役割(タスク管理・仮想記憶)、ファイルを整理するファイル管理(ディレクトリ・絶対パス・相対パス・バックアップ)、日常業務で使う表計算ソフト(相対参照・絶対参照・関数)、無償で公開・改変できるOSS(オープンソースソフトウェア)を学びます。
ハードウェアだけではコンピュータは何もできません。ハードウェアを取りまとめて使いやすくするOS(オペレーティングシステム)、データを整理して保管するファイル管理の仕組み、そして日々の業務で活躍する表計算ソフトのようなアプリケーションソフトウェアまで、ソフトウェアの基礎を一通り押さえます。
3.5.1OSの役割とファイル管理
- OS(オペレーティングシステム)=ハードウェアとアプリケーションソフトの間に立ち、コンピュータ全体を管理する基本ソフトウェア(Windows・macOS等)。タスク管理=複数のプログラム(タスク)に対してCPUの使用時間を順番に割り当て、同時に複数の作業が進んでいるように見せる機能。
- 仮想記憶(仮想メモリ)=主記憶(RAM)の容量が足りないとき、ハードディスク等の一部を主記憶の延長として使うことで、実際の主記憶より大きなメモリ空間があるかのように見せる技術。
- ディレクトリ(フォルダ)=ファイルを分類・整理するための入れ物で、入れ子(階層)構造にできる。絶対パス=最上位(ルート)から目的のファイルまでの完全な道順(例:
C:\Users\report.txt)。相対パス=今いる場所(カレントディレクトリ)を基準にした道順(例:..\report.txtは1つ上の階層)。 - バックアップ=データの破損・消失に備えて、あらかじめ別の場所へ複製を作っておくこと。誤操作やハードウェア故障によるデータ喪失に備える基本対策。
3.5.2表計算ソフトとOSS
- 表計算ソフト=マス目(セル)に数値や数式を入力して集計・分析を行うソフトウェア(Excel等)。相対参照=数式をコピーすると参照先のセルが自動的にずれる参照方式(既定の動作)。絶対参照=
$A$1のように$を付け、数式をコピーしても参照先のセルが固定されたまま動かない参照方式。 - 表計算ソフトの代表的な関数=
SUM(合計)・AVERAGE(平均)・IF(条件分岐)等。数式をセル間でコピーする際、消費税率のように全ての行で同じセルを参照し続けたい場合は絶対参照、明細ごとに参照先も一緒にずらしたい場合は相対参照を使い分ける。 - OSS(オープンソースソフトウェア)=ソースコードが公開されており、誰でも無償で入手・利用・改変・再配布できるソフトウェア。無料で使えることに加え、多くの開発者が改善に参加できる利点がある一方、サポートは有償ソフトほど手厚くない場合もある。
「OSはハードとアプリの間を取り持つ基本ソフト」「タスク管理は複数プログラムを同時に動いているように見せる」「仮想記憶は補助記憶を主記憶の延長として使う」「絶対パス=完全な道順・相対パス=現在地基準」「相対参照は数式コピーでずれる・絶対参照は$で固定」「OSSはソースコード公開・無償利用可」が最頻出です。表計算の相対参照/絶対参照の使い分けは頻出の実技寄り論点です。
営業部門で使う経費精算のパソコン作業を例に、ソフトウェアの各要素を見てみましょう。パソコンの電源を入れるとOSが起動し、経費精算ソフト・メールソフト・ブラウザといった複数のアプリを同時に開いても操作できるのは、OSのタスク管理機能が各アプリにCPUの処理時間を順番に細かく割り当てているためです。大量の画像を含む資料を同時にいくつも開いて主記憶(RAM)が不足しそうになっても、突然フリーズせずに動作し続けられるのは、仮想記憶がハードディスクの一部を主記憶の延長として使ってくれるおかげです。作成した経費精算書は「2026年度」フォルダの中の「7月」フォルダにしまう、というようにディレクトリで階層的に整理し、社内共有サーバ上の正確な場所を伝えるときは\\server\keihi\2026\07\seisan.xlsxのようなルートからの完全な道順=絶対パスを使い、同じフォルダ内の別ファイルを指すときは.\report.xlsxのような今いる場所を基準にした相対パスで済ませます。誤って上書き保存してしまった場合に備え、月次でバックアップを別のドライブに取っておく運用も欠かせません。経費精算書を表計算ソフトで作る際、「交通費×消費税率」を各行で計算する数式をコピーしていくとき、交通費のセルは行ごとに変わってほしいので相対参照のまま、消費税率のセルはどの行でも同じセル(例えば$B$1)を指し続けてほしいので絶対参照に固定します。もし消費税率のセルを相対参照のままコピーすると、行がずれるごとに参照先も一緒にずれてしまい、正しくない税率を参照してしまうという典型的なミスが起こります。こうした業務ソフトの中には、OSSとして無償で公開されている表計算ソフトも存在し、ソースコードが公開されているため、コミュニティによる改善や独自のカスタマイズが可能という特徴があります。
| 参照方式 | 数式コピー時の挙動 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 相対参照 | 参照先が自動的にずれる | `A1` |
| 絶対参照 | 参照先が固定されたまま動かない | `$A$1` |
ひっかけ: 「相対パスは常に一番上(ルート)からの道順を表す」は誤りです。ルートからの完全な道順を表すのは絶対パスで、相対パスは今いる場所(カレントディレクトリ)を基準にした道順です。また「消費税率のような、どの行からもコピー後に同じセルを参照し続けたいときは相対参照を使う」も誤り=そのような場合は参照先を固定する絶対参照($付き)を使うのが正しく、相対参照のままコピーすると参照先がずれてしまいます。
3.5.3この節のまとめ
- OSはハードとアプリの橋渡し。タスク管理で並行動作、仮想記憶で主記憶を拡張
- 絶対パス=ルートからの完全な道順・相対パス=現在地基準。バックアップで複製を保持
- 相対参照は数式コピーでずれる・絶対参照($)は固定。OSSはソースコード公開で無償利用可
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 主記憶(RAM)の容量が不足しそうなときに、ハードディスクの一部を主記憶の延長として使うことで処理を継続させるОSの機能はどれか。
Q2. 表計算ソフトで「単価×消費税率」を各行で計算する数式を下の行へコピーしたい。消費税率のセル(B1)はどの行でも常にB1を参照し続けたい場合、B1の参照方式として適切なものはどれか。
Q3. あるソフトウェアは、ソースコードが公開されており、誰でも無償で入手・利用・改変・再配布できる。このようなソフトウェアを何と呼ぶか。

