LinuC レベル2 202試験参考書
DNS・Web・メール・ファイル共有・セキュリティなどネットワークサービス構築の上級スキルを証明する LinuC レベル2 の後半試験(202試験・Version 10.0)。
LinuC レベル2 202試験(LinuC-202)について
LinuC レベル2 202試験(LinuC-202)は、LPI-Japan が提供するプロフェッショナル・エキスパートレベルの認定資格です。このページでは、試験範囲を全 7 章・23 節の参考書として体系的に解説し、本番形式の練習問題で理解度を確認できます。下の章一覧から順に読み進め、「問題集で演習する」で実力を試すのが効率的な学習の流れです。
試験で問われる分野(出題範囲の目安)
- ネットワーククライアントの管理約 15%
- ドメインネームサーバー約 12%
- HTTPサーバーとプロキシサーバー約 18%
- 電子メールサービス約 8%
- ファイル共有サービス約 12%
- システムのセキュリティ約 20%
- システムアーキテクチャ約 15%
配点は本番試験の目安です。各分野は下の章・節で詳しく解説しています。
1ネットワーククライアントの管理
- 1.1DHCPサーバーの設定と管理
クライアントへ IP アドレスを自動配布する DHCP サーバーの設定・運用を学びます。dhcpd(ISC DHCP サーバー)と設定ファイル dhcpd.conf、貸与状態を記録する dhcpd.leases、動作確認に使う arp、syslog/systemd ジャーナル でのログ確認、IPv6 環境でルータ広告を配る radvd と radvd.conf を押さえます。
- 1.2PAM認証
Linux の認証を差し替え可能にする仕組み PAM(Pluggable Authentication Modules)を学びます。設定ディレクトリ /etc/pam.d/ と旧来の一元設定 pam.conf、名前解決の順序を決める nsswitch.conf、外部ディレクトリ連携の sssd.conf、代表的なモジュール pam_unix・pam_cracklib・pam_limits・pam_listfile・pam_sss を押さえます。
- 1.3LDAPクライアントの利用
LDAP ディレクトリサーバーをクライアントから操作する基本コマンドを学びます。エントリ追加の ldapadd、削除の ldapdelete、属性変更の ldapmodify、検索の ldapsearch、パスワード変更の ldappasswd の使い分けを押さえます。
- 1.4OpenLDAPサーバーの設定
OpenLDAP サーバー(slapd)本体の設定・運用を学びます。データベースのバックアップ/インポート/インデックス再構築を行う slapcat・slapadd・slapindex、データ格納先 /var/lib/ldap/、動的設定の仕組み slapd-config、アクセス制御を定義する slapd.access、ディレクトリ情報の基本単位 DN・LDIF・objectClass/属性(attributes)を押さえます。
2ドメインネームサーバー
- 2.1BINDの設定と管理
BIND(named)の基本構成ファイルnamed.confの読み方と、問い合わせ・運用に使うdig・host・nslookup・rndc・named-checkconfを学びます。あわせて軽量な代替実装dnsmasq・Unbound・NSD・PowerDNSの位置づけも押さえます。
- 2.2ゾーン情報の管理
ゾーンファイルのレイアウトと、代表的なリソースレコード(SOA・NS・A・AAAA・MX・CNAME・PTR)の書式を学びます。ゾーンファイルの変換・検査に使うnamed-compilezone・named-checkzoneも押さえます。
- 2.3セキュアなDNSサーバーの実現
DNSサーバーを堅牢化する手法としてchroot環境・forwardersの限定、そしてDNSSEC(dnssec-keygen・dnssec-signzone)による署名検証、通信の完全性を守るTSIG、証明書を DNS に紐づけるDANEを学びます。
3HTTPサーバーとプロキシサーバー
- 3.1Apache HTTPサーバーの設定と管理
Apache HTTPサーバー(httpd/apache2)の基本設定と運用を学びます。httpd.conf、apachectl/apache2ctl による制御、アクセスログ・エラーログ、仮想ホストによる複数サイトの収容、.htaccess によるディレクトリ単位の設定上書き、mod_auth_basic・mod_authz_host・AuthUserFile・AuthGroupFile・htpasswd によるベーシック認証、Redirect によるURL転送を押さえます。
- 3.2OpenSSLとHTTPSの設定
OpenSSLを使ったApacheのHTTPS化を学びます。証明書・秘密鍵の保管場所(/etc/ssl/・/etc/pki/)、SSLEngineでのSSL/TLS有効化、SSLCertificateFile・SSLCertificateKeyFileによる証明書と秘密鍵の指定、SSLProtocol・SSLCipherSuiteによるプロトコル/暗号スイートの制御、SSLCACertificateFile・SSLCACertificatePathによるCA証明書の指定、opensslコマンドでの鍵・証明書操作を押さえます。
- 3.3nginxの設定と管理
nginxの基本設定とリバースプロキシとしての利用を学びます。設定ディレクトリ/etc/nginx/、nginxコマンドによる制御、ssl関連ディレクティブ(ssl_certificate・ssl_certificate_key・ssl_ciphers・ssl_protocols)によるHTTPS化、proxy_passによるバックエンドへの転送、proxy_http_version・proxy_set_headerによるプロキシ動作の調整を押さえます。
- 3.4Squidの設定と管理
フォワードプロキシソフトウェアであるSquidの基本設定を学びます。設定ファイルsquid.conf、動作確認に使うsquidclient、アクセス許可を制御するhttp_accessディレクティブ、その条件を定義するacl(アクセスコントロールリスト)を押さえます。
4電子メールサービス
- 4.1Postfixの設定と管理
Postfix(MTA)の設定体系を学びます。/etc/postfix/main.cf(動作パラメータ)とmaster.cf(サービス起動定義)の役割分担、/etc/aliasesによる宛先の付け替え、/var/spool/postfix/のキュー構造、ログの確認、SMTP認証(SASL)とTLSによる暗号化、SMTPプロトコルの基本、代替MTAとしてのeximの位置づけを押さえます。
- 4.2Dovecotの設定と管理
Dovecot(MRA・メール取得エージェント)の設定を学びます。/etc/dovecot/配下の設定構造とdovecot.conf、設定確認コマンドdoveconf、運用管理コマンドdoveadm、POP3とIMAPの違い、TLSによる暗号化を押さえます。
5ファイル共有サービス
- 5.1Sambaの設定と管理
Windows クライアントとファイル・プリンタを共有するSambaの設定と管理を学びます。設定ファイル/etc/samba/smb.conf、デーモンsmbd・nmbd・winbinddの役割、testparmによる構文検証、smbpasswdによるSambaユーザー管理、smbstatus・smbcontrolによる運用監視、smbclient・net・samba-toolによるクライアント操作とAD連携、ユーザマッピングとgetfacl・setfaclによるACL管理を押さえます。
- 5.2NFSサーバーの設定と管理
Unix/Linux 系クライアント同士でファイルシステムを共有するNFSの設定と管理を学びます。エクスポート定義/etc/exports、反映コマンドexportfs、クライアント側での確認showmount、稼働状況のnfsstat、RPC サービス確認のrpcinfo、mountd・portmapperの役割、マウントオプションと/etc/fstab・/proc/mountsによる永続化・確認を押さえます。
6システムのセキュリティ
- 6.1iptables/firewalldによるパケットフィルタリング
iptables/ip6tables によるパケットフィルタリングの仕組みと、より抽象化されたfirewalld(firewall-cmd)・ufw を学びます。/proc/sys/net/ipv4/・/proc/sys/net/ipv6/ によるカーネルパラメータ、ルーティングテーブル、ポートリダイレクト、/etc/services、設定の永続化(iptables-save/iptables-restore)を押さえます。
- 6.2OpenSSHサーバーの設定と管理
sshd の設定ファイル/etc/ssh/sshd_configを中心に、ホスト鍵(/etc/ssh/ssh_host_*_key・ssh_host_*_key.pub)、root ログイン制御のPermitRootLogin、公開鍵認証のPubkeyAuthentication、接続許可ユーザーを絞るAllowUsers、パスワード認証のPasswordAuthenticationを学びます。
- 6.3OpenVPNの設定と管理
VPN(Virtual Private Network)の基本概念と、オープンソース実装OpenVPNの設定を学びます。設定ファイル群を置く/etc/openvpn/、サーバー/クライアント両方で使うopenvpnコマンド、代表的な2つの接続形態(ポイントツーポイントとサイトツーサイト)の違いを押さえます。
- 6.4セキュリティ業務
ネットワーク疎通・ポートスキャンのnetcat(nc/ncat)・nmap、パケットフィルタのiptables/firewalld、脆弱性情報の速報源であるBugtraq・CERT・CIAC、侵入対策のfail2ban、侵入検知システム(IDS)のsnort、脆弱性スキャナのOpenVAS・OpenSCAPといった、日常のセキュリティ運用業務で使う道具立てを学びます。
7システムアーキテクチャ
- 7.1高可用システムの実現方式
システムを止めない設計の考え方を学びます。故障パターン(物理障害・論理障害・メンテナンス停止)とSPoF(単一障害点)の排除、MTBF・MTTR・稼働率・SLA・RPO・RTOという指標の意味と違い、冗長化・クラスタ(Pacemaker・Corosync)・ロードバランシング・地理的分散による回復性の実現方法を押さえます。
- 7.2キャパシティプランニングとスケーラビリティ
将来の負荷増大に備えるキャパシティプランの考え方と、負荷への対応方式であるスケールアップ・ダウン(垂直)とスケールアウト・イン(水平)の違いを学びます。スケールアウトを機能させる前提となるステートレス構成(DB・セッションの外部化)、構成管理ツールや仮想マシンイメージによるマシン再構成の自動化、ロードバランサ・DNSラウンドロビンによる分散を押さえます。
- 7.3クラウドサービス上のシステム構成
IaaS(Infrastructure as a Service)を使ったシステム構成の考え方を学びます。エフェメラルストレージと永続化ストレージの違い、固定IPとフローティングIP、テナントネットワークの分離、ファイアウォール・セキュリティグループによる通信制御、オブジェクトストレージ、メッセージングシステム・キュー、オートスケーラーによる自動的な台数調整を押さえます。
- 7.4典型的なシステムアーキテクチャ
実務で繰り返し登場する定番構成を学びます。LAMP・LAPP(Linux+Apache+MySQL/MariaDB または PostgreSQL+PHP/Perl/Python)の構成要素、Web3層モデル(Webサーバー・APサーバー・DBサーバーの役割分担)、ロードバランサとHA構成・DBレプリケーション・スケールアウトを組み合わせた冗長構成、プロキシサーバー・キャッシュ・CDNによる高速化、メッセージングキューによる非同期データ処理を押さえます。

