第4章 · 電子メールサービス·v1.0.0·更新 2026/7/7·読了目安 約12分
変更要約: 初版(主題2.10・副主題2.10.1〜2.10.2に対応)
4.1Postfixの設定と管理
この節の要点
Postfix(MTA)の設定体系を学びます。/etc/postfix/main.cf(動作パラメータ)とmaster.cf(サービス起動定義)の役割分担、/etc/aliasesによる宛先の付け替え、/var/spool/postfix/のキュー構造、ログの確認、SMTP認証(SASL)とTLSによる暗号化、SMTPプロトコルの基本、代替MTAとしてのeximの位置づけを押さえます。
電子メールは「送る(MTA)」「受け取って配送する(MDA)」「取り出す(MRA)」という役割分担で成り立っています。PostfixはこのうちMTA(メール転送エージェント)を担い、Linux で最も広く使われるメールサーバーソフトウェアです。設定を丸暗記するのではなく、「どのファイルが何を決めるか」の地図を持つことが実務でも試験でも近道になります。
4.1.1main.cf・master.cf・aliases
- 設定ファイルは/etc/postfix/に集約。main.cf=Postfix本体の動作パラメータ(受信ドメイン・リレー許可・TLS設定など)を1行1パラメータで記述。master.cf=どのサービス(smtp・submission・pickup 等)をどのプロセスで起動するかを定義するテーブル形式。
- 宛先の付け替えは/etc/aliases(例
root: admin@example.comでroot宛メールを転送)。編集後は必ずnewaliases(またはpostalias)を実行してハッシュ形式のデータベースに反映させないと有効にならない。 - メールは即座に配送されるとは限らず、いったん/var/spool/postfix/配下のキュー(incoming・active・deferred・hold・corrupt 等)を経由する。滞留メールの確認・強制配送は
postqueue・postsuperで行う。 - 動作ログは/var/log/配下(多くのディストリで
/var/log/maillogや/var/log/mail.log、systemd系はjournalctl)に出力され、配送失敗・認証失敗の切り分けの一次情報になる。

