LinuC レベル2 201試験参考書
カーネル・ストレージ・仮想化まで踏み込む Linux サーバー構築の上級スキルを証明する LinuC レベル2 の前半試験(201試験・Version 10.0)。
LinuC レベル2 201試験(LinuC-201)について
LinuC レベル2 201試験(LinuC-201)は、LPI-Japan が提供するプロフェッショナル・エキスパートレベルの認定資格です。このページでは、試験範囲を全 6 章・21 節の参考書として体系的に解説し、本番形式の練習問題で理解度を確認できます。下の章一覧から順に読み進め、「問題集で演習する」で実力を試すのが効率的な学習の流れです。
試験で問われる分野(出題範囲の目安)
- システムの起動とLinuxカーネル約 23%
- ファイルシステムとストレージ管理約 17%
- ネットワーク構成約 15%
- システムの保守と運用管理約 27%
- 仮想化サーバー約 10%
- コンテナ約 8%
配点は本番試験の目安です。各分野は下の章・節で詳しく解説しています。
1システムの起動とLinuxカーネル
- 1.1ブートプロセスとGRUB
電源投入からカーネル起動までのファームウェア層を深掘りします。BIOS/UEFI の違い、MBR と ESP(EFI System Partition)というディスクレイアウトの差、efibootmgr によるブートエントリ管理、GRUB2 の設定生成(grub-mkconfig / grub2-mkconfig)とインストール(grub-install / grub2-install)、initrd/initramfs の役割を押さえます。
- 1.2システム起動のカスタマイズ
systemd によるサービス管理の実務操作を深掘りします。設定ファイルの三層(/usr/lib/systemd/・/etc/systemd/・/run/systemd/)、systemctl によるユニット操作(status・list-units・start・stop・enable・disable・mask・unmask)、設定の差分確認 systemd-delta、rescue モードと emergency モードの使い分けを押さえます。
- 1.3Linuxカーネルの構成要素
カーネルイメージそのものの構造とソースツリーを学びます。圧縮された実行イメージ bzImage、その内部で使われる xz データ圧縮、カーネルソースが展開される /usr/src/linux/、付属ドキュメント /usr/src/linux/Documentation/ の位置づけを押さえます。
- 1.4Linuxカーネルのコンパイル
ソースからカーネルをビルドする一連の作業を学びます。設定ファイル .config とカーネル Makefile、設定用の make ターゲット(config/xconfig/menuconfig/gconfig/oldconfig)とビルド用ターゲット(all/bzImage/modules/modules_install)、クリーンアップの mrproper、パッケージ化ターゲット(rpm-pkg/binrpm-pkg/deb-pkg)、モジュールの配置先 /lib/modules/<kver>/、depmod や DKMS・Dracut(mkinitrd/mkinitramfs)との連携を押さえます。
- 1.5カーネル実行時の管理とトラブルシューティング
稼働中カーネルのモジュール管理と障害解析を学びます。モジュール操作(depmod・modinfo・modprobe・insmod・lsmod・rmmod)と設定 /etc/modprobe.d/、uname によるバージョン確認、procfs(/proc・/proc/sys/kernel/)と sysctl(/etc/sysctl.conf・/etc/sysctl.d/)によるカーネルパラメータ調整、sysfs(/sys)、ハードウェア確認(dmesg・lspci・lsdev・lsusb・journalctl)、udev ルールと udevadm monitor、kdump/kexec によるクラッシュダンプを押さえます。
2ファイルシステムとストレージ管理
- 2.1ファイルシステムの設定とマウント
ストレージをディレクトリツリーへ組み込むマウントの仕組みを学びます。恒久的な設定である/etc/fstab、手動操作のmount・umount、現在のマウント状態を映す/proc/mounts、スワップを扱うswapon・swapoff・mkswap、デバイス識別のblkid・lsblk・UUIDを押さえます。
- 2.2ファイルシステムの管理
ファイルシステムの作成・検査・保守を学びます。作成はmkfs系、整合性検査はfsck系、ext系の調整・バックアップはtune2fs・dumpe2fs・dump・restore、XFS専用ツール(xfs_info・xfs_repair・xfsdump・xfsrestore)、次世代ファイルシステムのBtrfs(subvolume・snapshot・btrfs・btrfs-convert)、ディスク健康監視のsmartd・smartctlを押さえます。
- 2.3LVM の設定と管理
LVM(論理ボリュームマネージャ)による柔軟なストレージ管理を学びます。全体設定のlvmコマンド/lvm.conf、物理ボリューム(PV)を扱うpv系コマンド、ボリュームグループ(VG)を扱うvg系コマンド、論理ボリューム(LV)を扱うlv系コマンドという3階層の構造と、リサイズ・拡張の実務を押さえます。
3ネットワーク構成
- 3.1基本的なネットワーク構成
ip コマンドを中心に、インターフェースへのIPアドレス付与・リンクの up/down・ルーティングテーブルの確認、旧世代のifconfig・route・arp との対応、nmcli によるNetworkManager操作、無線LANのiw・iwconfig・iwlist を学びます。
- 3.2高度なネットワーク構成
sysctlによるカーネルパラメータ調整(特にIPフォワードの有効化)、疎通確認のping・ping6、任意ポートでの通信検証に使うnetcat(nc/ncat)、パケットキャプチャのtcpdump、ポートスキャンのnmap、接続状況確認のss・netstat を学びます。
- 3.3ネットワークの問題解決
ホスト名の設定(hostname・/etc/hostname)、名前解決に関わる/etc/hosts・/etc/resolv.conf、経路をたどるtraceroute・traceroute6・mtr、ログからの手がかり(dmesg・/var/log/syslog・/var/log/messages・systemdジャーナル)、NetworkManagerや旧来の設定ファイル群(/etc/network/・/etc/sysconfig/network-scripts/)を学びます。
4システムの保守と運用管理
- 4.1make によるソースからのビルドとインストール
パッケージ管理に頼らずソースコードからビルドする一連の流れを学びます。git clone・git tag -l・git checkoutによるソース取得、gzip・gunzip・bzip2・xz・tar・unzipによる展開、patchによる差分適用、configureによる環境検出、make・make installによるビルドと配置を押さえます。
- 4.2バックアップとリストア
バックアップ戦略の基本(完全・差分・増分)と、代表的なバックアップソフトウェア(Amanda・Bacula・Bareos・BackupPC)、媒体(テープ・HDD・光メディア)、実行コマンド(dd・tar・mt・rsync)を学びます。
- 4.3ユーザへの通知
システム保守作業の前後にログインユーザーへ状況を伝える仕組みを学びます。ログイン前メッセージの/etc/issue・/etc/issue.net、ログイン後メッセージの/etc/motd、稼働中の全ユーザーへ即時通知するwall、シャットダウン予告を兼ねるshutdown、サービス制御と組み合わせるsystemctlを押さえます。
- 4.4リソース使用状況の把握
CPU・メモリ・ディスクI/O・ネットワークI/Oそれぞれの使用状況を把握するツール群を学びます。CPUはtop・htop・ps・sar、メモリはvmstat・free・sar、ディスクはiostat・iotop・sar、ネットワークはnetstat・iftop・ss・sar。開いているファイルを見るlsof、ネットワークトラフィックのiptrafも押さえます。
- 4.5死活監視・リソース監視・運用監視ツール
リソース枯渇・過負荷・異常停止を早期に検知する監視の考え方と、OOMKillerの挙動、SNMPによるリモート監視、しきい値とアラートの設計、代表的な監視ツール(Icinga2・Nagios・collectd・MRTG・Cacti・Zabbix)を学びます。
- 4.6システム構成ツール(Ansible)
構成管理の自動化がもたらす標準化・効率化・スケール可能性・冪等性という価値と、Ansibleの基本概念(インベントリ・モジュール・Playbook・YAML)、実行コマンドansible・ansible-playbook、代表的な用途(仮想サーバー/コンテナ払い出し・アプリケーションリリース・ネットワーク機器の設定変更)を学びます。
5仮想化サーバー
- 5.1仮想マシンの仕組みとKVM
ホスト型とハイパーバイザー型(KVM/VirtualBox/Xen)の違い、CPU・メモリ・ストレージ・ネットワークの仮想化の仕組み、QEMU の役割、vmx・svm(仮想化支援機構)と /proc/cpuinfo・lscpu での確認、kvm-intel・kvm-amd モジュール、libvirtd によるライフサイクル管理、virt-manager、bridge-utils を学びます。
- 5.2仮想マシンの作成と管理
virt-manager(GUI)とvirt-install(CLI)による仮想マシンの作成、完全仮想化と準仮想化(virtio)の違い、virshによるコマンドラインでのライフサイクル操作、virt-manager によるパフォーマンス監視を学びます。
6コンテナ
- 6.1コンテナの仕組み
物理マシン・仮想マシン・コンテナの違いを整理し、コンテナがなぜ軽量かを支える2つのカーネル機能——名前空間(namespaces)とcgroups——を学びます。コンテナファイルシステムとイメージの関係(読み取り専用レイヤーと書き込み可能レイヤー)も押さえます。
- 6.2Dockerコンテナとイメージの管理
Dockerの日常操作を学びます。ポート変換とフラットL2ネットワーク、docker ps・docker statsによる状態確認、docker run・create・restartによるライフサイクル管理、pause/unpause・stop/kill/rm、attach/execによるコンテナ内操作、Dockerレジストリとdocker images・pull・rmi・import、そしてDockerfileによるdocker build・docker commitでのイメージ作成を扱います。

