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第2章 · ファイルシステムとストレージ管理·v1.0.0·更新 2026/7/7·読了目安 約13分

変更要約: 初版(主題2.02・副主題2.02.1〜2.02.3に対応)

2.2ファイルシステムの管理

この節の要点

ファイルシステムの作成・検査・保守を学びます。作成はmkfs系、整合性検査はfsck系、ext系の調整・バックアップはtune2fsdumpe2fsdumprestoreXFS専用ツール(xfs_infoxfs_repairxfsdumpxfsrestore)、次世代ファイルシステムのBtrfssubvolumesnapshotbtrfsbtrfs-convert)、ディスク健康監視のsmartdsmartctlを押さえます。

ファイルシステムは作って終わりではなく、運用中に検査・調整・バックアップし続ける対象です。ext4・XFS・Btrfsはそれぞれ設計思想が異なり、専用ツール群も別系統になるため、「どのファイルシステムにはどのコマンド」を正確に対応づけられるかが実務にも試験にも直結します。

2.2.1作成と整合性検査

  • mkfs=ファイルシステムを新規作成する総称コマンド。実体はmkfs.ext4mkfs.xfsmkfs.btrfsのようなmkfs.*個別実装で、mkfs -t ext4はこれを呼び出すラッパー。作成後は元のデータが失われる破壊的操作
  • fsck=ファイルシステムの整合性検査・修復を行う総称コマンドで、実体はfsck.*fsck.ext4等)。マウント中のファイルシステムに対する実行は原則不可(破損の危険。ルートファイルシステムは起動時のシングルユーザー/レスキューモードで検査するのが定石)。

2.2.2ext系の調整とバックアップ、XFS・Btrfs、SMART

  • tune2fsマウントしたままext2/3/4のパラメータ(ラベル・予約ブロック率・チェック間隔等)を変更できる調整ツール。dumpe2fs=スーパーブロックやブロックグループ情報などの詳細情報を表示(変更はしない・読み取り専用)。
  • dumprestore=ext系ファイルシステム全体を完全・差分・増分でバックアップ/リストアする伝統的なペア(ダンプレベルで世代管理)。
  • XFS専用.区切りで統一)=xfs_info(レイアウト表示)・xfs_check(旧式チェック)・xfs_repairアンマウント状態で修復。fsck.xfsは実質何もしない)・xfsdumpxfsrestore(XFS版のdump/restore)。
  • Btrfsサブボリューム(subvolume)で1つのファイルシステム内を独立した名前空間に分割し、スナップショット(snapshot)でCoW(コピーオンライト)による瞬時・省容量な時点保存を実現。操作はbtrfs subvolume create/listbtrfs subvolume snapshotのようにbtrfsサブコマンド体系に統一。既存ext系からの移行はbtrfs-convert
  • smartdSMART(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)対応ディスクを常駐監視するデーモン(しきい値超過等をログ/通知)。smartctl=SMART情報の手動照会・自己テスト実行ツール(smartctl -a /dev/sdaで属性一覧、smartctl -t shortでテスト起動)。
試験ポイント

「fsckはマウント中の実行禁止(ルートはシングルユーザーモードで)」「tune2fsはマウントしたまま調整可・dumpe2fsは読み取り専用」「xfs_repairはアンマウント必須・fsck.xfsは実質無効」「Btrfsのスナップショットの実体はCoW」「smartd=常駐監視・smartctl=手動照会/自己テスト」が最頻出です。ファイルシステム種別と専用ツール名(.ext4xfs_接頭辞かbtrfsサブコマンドか)の対応も繰り返し出ます。

3つのファイルシステムのトレードオフを整理しておくと、出題の文脈が読みやすくなります。ext4は枯れた実装と幅広い実績が強みで、tune2fsdumpe2fsdump/restoreという成熟したツール群が揃い、単純な用途で無難な選択です。XFSは大容量・高並列I/Oに強い設計で、xfs_repairによるオンライン性の高い運用(ただし修復自体はアンマウント必須)やxfsdump/xfsrestoreによるレベル管理バックアップが特徴で、大規模ファイルサーバーやデータベース用途で好まれます。BtrfsはサブボリュームとスナップショットというCoWベースの機能で差別化されており、「本番環境の変更前にスナップショットを取り、問題があれば即座に戻す」という運用が容易です。既存のext4環境をBtrfsへ移行したい場合、データを作り直さずその場で変換できるbtrfs-convertが使われますが、変換後のファイルシステムは元のext4イメージへのロールバック情報を保持するため、確定後は明示的に破棄する運用が必要です。ディスク自体の健全性はSMARTで別軸に監視します。smartdを常駐させて閾値超過を継続的に検知し、疑わしい兆候(再割り当てセクタ数の増加等)が出た場合はsmartctl -t longで詳細な自己診断テストを実行してから、必要ならディスク交換に進む、という運用がハードウェア障害の予兆管理の定石です。

ファイルシステム作成/修復ツール特徴
ext4mkfs.ext4・fsck.ext4・tune2fs成熟・汎用・実績豊富
XFSmkfs.xfs・xfs_repair(アンマウント要)大容量・高並列I/Oに強い
Btrfsmkfs.btrfs・btrfs・btrfs-convertCoWのsubvolume/snapshot
注意

ひっかけ: 「fsckはマウントしたままでも安全に実行できる」は誤りです。マウント中のfsckはデータ破損の危険があり、ルートファイルシステムはシングルユーザー/レスキューモードで検査するのが定石です。同様に「XFSはxfs_repairをマウントしたまま実行できる」も誤り=xfs_repairはアンマウント状態が前提です。また「dumpe2fsでファイルシステムの設定値を変更できる」も誤り=dumpe2fsは読み取り専用の表示ツールで、変更するのはtune2fsです。

mkfs/fsckの総称構造、ext4系ツール(tune2fs/dumpe2fs/dump/restore)、XFS専用ツール、Btrfsのsubvolume/snapshot、smartd/smartctlを並べた図。
修復はfsck系・調整はtune2fs・照会はdumpe2fs

2.2.3この節のまとめ

  • mkfs/fsckは総称+.型個別実装fsckはアンマウント必須(ルートはシングルユーザー)tune2fsはマウント中調整可・dumpe2fsは読み取り専用
  • XFS=xfs_repair(アンマウント要)・xfsdump/xfsrestoreBtrfs=CoWのsubvolume・snapshot・btrfs-convertSMART=smartd常駐・smartctl手動照会

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 本番稼働中のサーバーで、ルートファイルシステム(ext4)にファイルシステムエラーの兆候が出ている。安全に fsck で検査・修復するための正しい手順は?

Q2. XFSファイルシステムに破損の疑いがあり、xfs_repair で修復したい。実行前に必ず行うべきことは?

Q3. Btrfsで運用中のシステムに大きな設定変更を加える前に、問題が起きたら即座に元の状態へ戻せるようにしておきたい。最も適切な準備は?

理解度を確認第2章「ファイルシステムとストレージ管理」の問題を解く