変更要約: 初版(主題2.03・副主題2.03.1〜2.03.3に対応)
3.1基本的なネットワーク構成
ip コマンドを中心に、インターフェースへのIPアドレス付与・リンクの up/down・ルーティングテーブルの確認、旧世代のifconfig・route・arp との対応、nmcli によるNetworkManager操作、無線LANのiw・iwconfig・iwlist を学びます。
サーバーが仕事をするには、まずネットワークインターフェースに正しいIPアドレスが振られ、ルーティングテーブルが正しい行き先を知っている必要があります。LinuC-2 では、現行主流のipコマンド体系と、いまも現場で見かける旧世代コマンド(ifconfig・route・arp)を両方正確に扱えることが問われます。
3.1.1ip コマンドによる設定と確認
- ip addr(
ip a)=インターフェース一覧とIPアドレス確認。追加はip addr add 192.0.2.10/24 dev eth0、削除はip addr del。 - ip link=インターフェースの存在・状態を扱う。
ip link set eth0 up|downでリンクの活性化/停止、MTU 変更もip link set eth0 mtu 1400。 - ip route=ルーティングテーブルの確認・操作。
ip route show(一覧)、ip route add default via 192.0.2.1(デフォルトゲートウェイ追加)、ip route delで削除。 - ip neigh(
ip n)=ARPテーブル(IPとMACの対応キャッシュ)の確認。旧来の arp コマンド(arp -a相当)の後継。
3.1.2旧世代コマンドと nmcli・無線ツール
- ifconfig=
ip addr+ip linkに相当する旧統合コマンド(例ifconfig eth0 192.0.2.10 netmask 255.255.255.0 up)。多くのディストリで非推奨・net-tools パッケージ扱い。 - route=
ip routeの旧世代版(route add default gw 192.0.2.1・route -nで数値表示)。arp=ip neighの旧世代版(arp -aで一覧、arp -dで削除)。 - nmcli=NetworkManager を CLI から操作。
nmcli device status(インターフェース状態)、nmcli connection show(接続プロファイル一覧)、nmcli connection up/down <name>で有効化/無効化。 - 無線LAN=iw(現行・netlinkベース。
iw dev wlan0 scanでAP走査)、iwconfig・iwlist(旧wireless-tools。iwconfigで設定確認、iwlist wlan0 scanでスキャン)。
「ip addr=ifconfig」「ip route=route」「ip neigh=arp」の対応関係が最頻出です。ip link と ip addr の役割分担(link=状態・addr=アドレス)も要注意。nmcli はNetworkManager 管理下の接続にのみ作用する点、iw は netlink・iwconfig/iwlist は旧 ioctl ベースという世代差も定番です。
実務のトラブルシュートは「状態→アドレス→経路→近隣」の順で切り分けると効率的です。まず ip link show eth0 でインターフェースが UP か、キャリア(ケーブル・電波)を検出しているかを見ます。次に ip addr show eth0 で目的のIPが割り当たっているかを確認し、期待とずれていれば ip addr add/del で修正します。経路の疎通問題なら ip route show でデフォルトゲートウェイの有無や、特定サブネット宛の経路が欠けていないかを見ます。それでも通信できない場合は ip neigh で相手のMACアドレスが解決できているか(INCOMPLETE状態なら ARP解決失敗)を確認します。NetworkManager が有効な環境(多くのデスクトップ・一部サーバー distro)では、ip で直接変更しても再起動やNetworkManagerの再適用で設定が巻き戻ることがあるため、恒久変更は nmcli connection modify のようにNetworkManager側のプロファイルへ反映するのが定石です。無線環境の疎通確認では、まず iw dev でインターフェース種別(managed/monitor等)を確認し、iw dev wlan0 link で現在の接続状態(SSID・信号強度)を見てから、必要に応じて iw dev wlan0 scan で周辺APを再スキャンします。
| 現行 (ip サブコマンド) | 旧世代コマンド | 用途 |
|---|---|---|
| ip addr | ifconfig | IPアドレスの表示・追加・削除 |
| ip link | ifconfig(up/down) | インターフェースの活性化・状態 |
| ip route | route | ルーティングテーブルの表示・変更 |
| ip neigh | arp | ARPテーブル(IP-MAC対応)の確認 |
ひっかけ: 「ip link set eth0 up でIPアドレスも割り当てられる」は誤りです。ip link はリンクの状態(up/down・MTU等)専用で、アドレス付与は ip addr add が必要です。また「nmcli で変更した内容は ip コマンドの変更より一時的」という思い込みも逆です=ip での変更はその場限り(再起動で消える)、nmcli 経由の接続プロファイルは永続化されます。
3.1.3この節のまとめ
- ip addr=ifconfig/ip link=状態(up/down)/ip route=route/ip neigh=arp。恒久設定は nmcli 経由が安全
- 無線は iw(現行・netlink)/iwconfig・iwlist(旧・ioctl)。診断順は状態→アドレス→経路→近隣
進捗の記録にはログインが必要です。
理解度チェック
(軽い確認用)Q1. eth0 にIPアドレス 192.0.2.10/24 を追加したい。現行の ip コマンド体系で適切なものは?
Q2. サーバーがデフォルトゲートウェイ経由で外部と通信できない。まず ip route show で確認すべき内容は?
Q3. NetworkManager が有効なサーバーで、再起動後も残る形でIPアドレス設定を変更したい。最も適切な方法は?

