Instiq
第3章 · ネットワーク構成·v1.0.0·更新 2026/7/7·読了目安 約12分

変更要約: 初版(主題2.03・副主題2.03.1〜2.03.3に対応)

3.1基本的なネットワーク構成

この節の要点

ip コマンドを中心に、インターフェースへのIPアドレス付与・リンクの up/down・ルーティングテーブルの確認、旧世代のifconfigroutearp との対応、nmcli によるNetworkManager操作、無線LANのiwiwconfigiwlist を学びます。

サーバーが仕事をするには、まずネットワークインターフェースに正しいIPアドレスが振られ、ルーティングテーブルが正しい行き先を知っている必要があります。LinuC-2 では、現行主流のipコマンド体系と、いまも現場で見かける旧世代コマンド(ifconfigroutearp)を両方正確に扱えることが問われます。

3.1.1ip コマンドによる設定と確認

  • ip addrip a)=インターフェース一覧とIPアドレス確認。追加は ip addr add 192.0.2.10/24 dev eth0、削除は ip addr del
  • ip link=インターフェースの存在・状態を扱う。ip link set eth0 up|down でリンクの活性化/停止、MTU 変更も ip link set eth0 mtu 1400
  • ip routeルーティングテーブルの確認・操作。ip route show(一覧)、ip route add default via 192.0.2.1(デフォルトゲートウェイ追加)、ip route del で削除。
  • ip neighip n)=ARPテーブル(IPとMACの対応キャッシュ)の確認。旧来の arp コマンド(arp -a 相当)の後継。

3.1.2旧世代コマンドと nmcli・無線ツール

  • ifconfigip addrip link に相当する旧統合コマンド(例 ifconfig eth0 192.0.2.10 netmask 255.255.255.0 up)。多くのディストリで非推奨・net-tools パッケージ扱い。
  • routeip route の旧世代版(route add default gw 192.0.2.1route -n で数値表示)。arpip neigh の旧世代版(arp -a で一覧、arp -d で削除)。
  • nmcli=NetworkManager を CLI から操作。nmcli device status(インターフェース状態)、nmcli connection show(接続プロファイル一覧)、nmcli connection up/down <name> で有効化/無効化。
  • 無線LAN=iw(現行・netlinkベース。iw dev wlan0 scan でAP走査)、iwconfigiwlist(旧wireless-tools。iwconfig で設定確認、iwlist wlan0 scan でスキャン)。
試験ポイント

「ip addr=ifconfig」「ip route=route」「ip neigh=arp」の対応関係が最頻出です。ip link と ip addr の役割分担(link=状態・addr=アドレス)も要注意。nmcli はNetworkManager 管理下の接続にのみ作用する点、iw は netlink・iwconfig/iwlist は旧 ioctl ベースという世代差も定番です。

実務のトラブルシュートは「状態→アドレス→経路→近隣」の順で切り分けると効率的です。まず ip link show eth0 でインターフェースが UP か、キャリア(ケーブル・電波)を検出しているかを見ます。次に ip addr show eth0 で目的のIPが割り当たっているかを確認し、期待とずれていれば ip addr add/del で修正します。経路の疎通問題なら ip route show でデフォルトゲートウェイの有無や、特定サブネット宛の経路が欠けていないかを見ます。それでも通信できない場合は ip neigh で相手のMACアドレスが解決できているか(INCOMPLETE状態なら ARP解決失敗)を確認します。NetworkManager が有効な環境(多くのデスクトップ・一部サーバー distro)では、ip で直接変更しても再起動やNetworkManagerの再適用で設定が巻き戻ることがあるため、恒久変更は nmcli connection modify のようにNetworkManager側のプロファイルへ反映するのが定石です。無線環境の疎通確認では、まず iw dev でインターフェース種別(managed/monitor等)を確認し、iw dev wlan0 link で現在の接続状態(SSID・信号強度)を見てから、必要に応じて iw dev wlan0 scan で周辺APを再スキャンします。

現行 (ip サブコマンド)旧世代コマンド用途
ip addrifconfigIPアドレスの表示・追加・削除
ip linkifconfig(up/down)インターフェースの活性化・状態
ip routerouteルーティングテーブルの表示・変更
ip neigharpARPテーブル(IP-MAC対応)の確認
注意

ひっかけ:ip link set eth0 up でIPアドレスも割り当てられる」は誤りです。ip linkリンクの状態(up/down・MTU等)専用で、アドレス付与は ip addr add が必要です。また「nmcli で変更した内容は ip コマンドの変更より一時的」という思い込みも逆です=ip での変更はその場限り(再起動で消える)、nmcli 経由の接続プロファイルは永続化されます。

ip addr/link/route/neigh と ifconfig/route/arp の対応、nmcli・iw系の位置づけを整理した図。
ip addr=ifconfig・ip route=route・ip neigh=arp

3.1.3この節のまとめ

  • ip addr=ifconfig/ip link=状態(up/down)/ip route=route/ip neigh=arp。恒久設定は nmcli 経由が安全
  • 無線は iw(現行・netlink)/iwconfig・iwlist(旧・ioctl)。診断順は状態→アドレス→経路→近隣

進捗の記録にはログインが必要です。

理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. eth0 にIPアドレス 192.0.2.10/24 を追加したい。現行の ip コマンド体系で適切なものは?

Q2. サーバーがデフォルトゲートウェイ経由で外部と通信できない。まず ip route show で確認すべき内容は?

Q3. NetworkManager が有効なサーバーで、再起動後も残る形でIPアドレス設定を変更したい。最も適切な方法は?

理解度を確認第3章「ネットワーク構成」の問題を解く