LinuC レベル1 102試験参考書
シェル・ネットワーク・システム管理とセキュリティを扱う LinuC レベル1 の後半試験(102試験・Version 10.0)。
LinuC レベル1 102試験(LinuC-102)について
LinuC レベル1 102試験(LinuC-102)は、LPI-Japan が提供するアソシエイトレベルの認定資格です。このページでは、試験範囲を全 6 章・18 節の参考書として体系的に解説し、本番形式の練習問題で理解度を確認できます。下の章一覧から順に読み進め、「問題集で演習する」で実力を試すのが効率的な学習の流れです。
試験で問われる分野(出題範囲の目安)
- シェルおよびスクリプト約 17%
- ネットワークの基礎約 23%
- システム管理約 20%
- 重要なシステムサービス約 15%
- セキュリティ約 20%
- オープンソースの文化約 5%
配点は本番試験の目安です。各分野は下の章・節で詳しく解説しています。
1シェルおよびスクリプト
- 1.1シェル環境のカスタマイズ
ログイン時・シェル起動時に読み込まれる設定ファイルの体系を学びます。全体設定(/etc/profile・/etc/bash.bashrc)とユーザー設定(~/.bash_profile・~/.bash_login・~/.profile・~/.bashrc・~/.bash_logout)の読み込み順、alias によるコマンド置換、PATH の設定、./source とリスト(;・&&・||)を押さえます。
- 1.2シェルスクリプト
102試験で最重要(重要度6)のシェルスクリプトを学びます。シバン(#!)、実行権の管理(chmod・chown)、位置パラメータ($0・$1..$n・$#・$*・$@・shift)、終了ステータス($?・exit)、条件分岐(if・case)、ループ(for・while)、シェル関数、PATH に依存しない書き方、デバッグ(bash -x・bash -v)を押さえます。
2ネットワークの基礎
- 2.1インターネットプロトコルの基礎
TCP/IP ネットワークの土台を学びます。IPアドレスとサブネットマスク・CIDR 表記、プライベートIPアドレスとパブリックIPアドレスの違い、主要プロトコル(TCP・UDP・ICMP)の性質、ウェルノウンポート(22/25/53/80/123/443)、IPv4 と IPv6 の違いを押さえます。
- 2.2基本的なネットワーク構成
ホストのネットワーク設定の参照・変更を学びます。ip コマンド(ip addr・ip route)と従来の ifconfig・route、インターフェイスの起動/停止(ifup・ifdown)、NetworkManager の nmcli、ホスト名(/etc/hostname)、名前解決の基本ファイル(/etc/hosts・/etc/nsswitch.conf)、デフォルトルートの設定、ping による疎通確認を押さえます。
- 2.3基本的なネットワークの問題解決
ネットワーク障害の切り分けを学びます。疎通確認(ping・ping6)、経路調査(traceroute・tracepath)、名前解決の確認(host・dig)、ポート・接続状態の調査(ss・netstat・netcat)、インターフェイスの再設定(ifconfig・ifup/ifdown・hostname)とルーティングテーブルの修正を押さえます。
- 2.4クライアント側のDNS設定
ホストが名前解決に使う DNS クライアント設定を学びます。/etc/resolv.conf(nameserver・search)による問い合わせ先の指定、リモート DNS サーバーへの問い合わせ(host・dig)、/etc/hosts との関係、参照順序を試せる getent、/etc/nsswitch.conf による順序変更を押さえます。
3システム管理
- 3.1アカウント管理
ユーザーとグループの管理を学びます。useradd・userdel・usermod、groupadd・groupdel・groupmod、既定値(/etc/default/useradd)と雛形(/etc/skel/)、アカウント情報のデータベース(/etc/passwd・/etc/shadow・/etc/group)、passwd によるパスワード管理、確認用の getent・id を押さえます。
- 3.2ジョブスケジューリング
定期実行・指定時刻実行の仕組みを学びます。cron(crontab の書式・/var/spool/cron/・/etc/crontab・/etc/cron.d/ と cron.{hourly,daily,weekly,monthly})、単発実行の at(atq・atrm)、電源断を補償する anacron(/etc/anacrontab)、利用制限(/etc/cron.allow・/etc/cron.deny・/etc/at.allow・/etc/at.deny)を押さえます。
- 3.3ローカライゼーションと国際化
言語・地域設定の仕組みを学びます。国際化(i18n)とローカライゼーション(l10n)の違い、ロケールと環境変数(LANG・LC_ALL・LC_*)、locale コマンド、文字コード(ASCII・Unicode・UTF-8・ISO-8859・ISO-2022-JP)とiconv による変換、スクリプトで LANG=C が役立つ理由を押さえます。
4重要なシステムサービス
- 4.1システム時刻の管理
システム時刻の維持と同期を学びます。date とハードウェアクロック(hwclock)、タイムゾーンの設定(/usr/share/zoneinfo/・/etc/localtime・/etc/timezone・TZ・tzselect・timedatectl)、NTP による時刻同期(ntpd・ntpdate・ntpq・chronyd・chronyc・pool.ntp.org)を押さえます。
- 4.2システムのログ
ログの収集・参照・保守を学びます。rsyslog(rsyslog.conf のファシリティ・プライオリティ・アクション、中央ログサーバーへの転送)、systemd ジャーナル(journalctl の問い合わせ・フィルタ・journald.conf・/var/log/journal/)、手動出力(logger・systemd-cat)、logrotate によるローテーション(/etc/logrotate.conf・/etc/logrotate.d/)を押さえます。
- 4.3メール配送エージェント(MTA)の基本
ホスト上のメール配送の基本を学びます。MTA の役割と代表的な実装(postfix・exim)、システム全体の転送先を定める /etc/aliases と反映コマンド newaliases、ユーザー単位の転送 ~/.forward、送信・確認コマンド(mail・mailq)を押さえます。
5セキュリティ
- 5.1セキュリティ管理業務の実施
ホストをセキュリティポリシーに沿って点検する業務を学びます。SUID/SGID ファイルの監査(find -perm)、パスワードエージング(chage・passwd・usermod)、開いているポートの発見(ss・netstat・nmap・lsof・fuser)、ログイン状況の把握(who・w・last)、リソース制限(ulimit)、sudo(/etc/sudoers・su)、自動ログアウト(TMOUT)を押さえます。
- 5.2ホストのセキュリティ設定
ホストの攻撃面を減らす設定を学びます。シャドウパスワードの役割と/etc/nologin によるログイン抑止、使用していないネットワークサービスの停止(systemctl・/etc/init.d/・chkconfig・service、レガシーのinetd/xinetd)、ファイアウォールの概要(iptables・firewalld)を押さえます。
- 5.3暗号化によるデータの保護
公開鍵技術によるデータ・通信の保護を学びます。OpenSSH クライアントの鍵管理(ssh-keygen・ssh-agent・ssh-add)、主要な暗号化アルゴリズム(RSA・ECDSA・Ed25519)の特徴、SSHポート転送(ローカル/リモート)、GnuPG(gpg・gpg-agent・~/.gnupg/)によるファイルの暗号化・署名を押さえます。
- 5.4クラウドセキュリティの基礎
パブリッククラウド上の Linux サーバーに固有のセキュリティ観点を学びます。オンプレミスとの機能分担(管理コンソール・クラウド側ファイアウォール・ルーティング)、リージョン選択の意味(国内外の制約)、揮発性ストレージの扱い、事業者都合のメンテナンス・再起動、コンソールへのアクセス経路と認証(多要素認証・ワンタイムパスワード)を押さえます。
6オープンソースの文化
- 6.1オープンソースの概念とライセンス
オープンソースの定義と特徴、主要ライセンスを学びます。ソースコード公開と利用・改変・再配布の自由、著作権に基づく著作物であること・無保証・継続した開発、コピーレフト型(GPL・AGPL・LGPL)と非コピーレフト型(BSDライセンス・MIT・Apache License)・中間のMPL・パブリックドメインの違いを押さえます。
- 6.2オープンソースのコミュニティとエコシステム
オープンソース開発を支えるコミュニティの構成と参加方法を学びます。メーリングリスト・掲示板・開発サイト(GitHub 等)といった意思疎通の場、メンテナーやコントリビューターによる開発体制、そして使用・紹介・バグ報告という段階的なエコシステムへの参加を押さえます。

