変更要約: 初版(主題1.07・副主題1.07.1〜1.07.4に対応)
2.1インターネットプロトコルの基礎
TCP/IP ネットワークの土台を学びます。IPアドレスとサブネットマスク・CIDR 表記、プライベートIPアドレスとパブリックIPアドレスの違い、主要プロトコル(TCP・UDP・ICMP)の性質、ウェルノウンポート(22/25/53/80/123/443)、IPv4 と IPv6 の違いを押さえます。
サーバーがネットワークにつながる以上、IPアドレスとプロトコルの基礎は避けて通れません。この節は「暗記が効く」領域です——CIDR の読み方・ポート番号・TCP と UDP の対比は、確実な得点源として仕上げましょう。
2.1.1IPアドレスとサブネット
- IPv4 アドレス=32ビットをドット区切り4組で表記(192.168.1.10)。サブネットマスク(255.255.255.0)がネットワーク部とホスト部の境界を決める。
- CIDR 表記=マスクを「/ビット数」で書く(192.168.1.0/24=マスク 255.255.255.0=ホスト部8ビット→254台が上限。/26 なら 62台)。サブネット化=ホスト部を借りてネットワークを分割すること。
- プライベートIPアドレス=組織内専用の範囲(10.0.0.0/8・172.16.0.0/12・192.168.0.0/16)。インターネットに直接出られず、NAT 経由でパブリックIPアドレスに変換されて通信する。
- IPv6=128ビット・コロン区切り16進表記(2001:db8::1)。アドレス枯渇の根本解決・NAT 前提でない設計・リンクローカルアドレス(fe80::/10)の自動構成などが特徴。
2.1.2TCP・UDP・ICMP とポート
- TCP=コネクション型(3ウェイハンドシェイクで接続確立・到達保証・順序保証)。Web や SSH などデータの完全性が要る通信。
- UDP=コネクションレス(確認応答なし・軽量・高速)。DNS 問い合わせ・NTP・動画配信など。ICMP=通信制御・診断用(ping の疎通確認・到達不能通知)。ポートを持たない。
- ウェルノウンポートの必修6つ=22/SSH・25/SMTP・53/DNS・80/HTTP・123/NTP・443/HTTPS。
「/24=254台」「プライベート3範囲(10/8・172.16/12・192.168/16)」「到達保証が要る=TCP・速さ優先=UDP・ping=ICMP」「22=SSH・53=DNS・123=NTP・443=HTTPS」 は即答必須です。ポートは「25 と 22 の入れ替え」「53 と 80 の入れ替え」のような番号シャッフルが定番の誤答パターンです。
CIDR の計算は「2の累乗」を1つ覚えれば済みます。ホスト部が n ビットなら理論上 2^n 個・実際に使えるのは 2^n−2 台(ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除く)。/24 は 2^8−2=254台、/26 は 2^6−2=62台、/30 は 2台(ルータ間リンクの定番)です。TCP と UDP の対比は用途の理由まで押さえると強くなります:DNS の名前解決が UDP なのは「1往復で済む小さな問い合わせに接続確立のコストが見合わない」から、Web が TCP なのは「HTML が1バイトでも欠けたら壊れる」からです。IPv6 では NAT に頼らず端末がグローバルアドレスを持てる・ICMPv6 が近隣探索などプロトコルの中核を担う(v4 以上に止めてはいけない)・同一リンク内通信には fe80:: のリンクローカルアドレスが自動で付く、という「v4 との考え方の違い」が問われます。
| 観点 | TCP | UDP |
|---|---|---|
| 接続 | コネクション型(ハンドシェイク) | コネクションレス |
| 信頼性 | 到達・順序を保証 | 保証なし(軽量・高速) |
| 代表例 | HTTP/HTTPS・SSH・SMTP | DNS 問い合わせ・NTP |
| ICMP(参考) | — | 診断・制御専用(ping)・ポート無し |
ひっかけ: 「/24 のネットワークでは 256 台のホストが使える」は誤りです。ネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いた 254台です。また「172.31.0.0 はパブリックアドレス」も誤り=プライベート範囲 172.16.0.0/12 は 172.16.0.0〜172.31.255.255 をカバーします(/12 の範囲を狭く誤解させる定番)。「ping は TCP を使う」も誤りで、ping は ICMP です。
2.1.3この節のまとめ
- CIDR=/n(使えるのは 2^(32−n)−2 台)・プライベートは 10/8・172.16/12・192.168/16(外へは NAT)
- TCP=保証・UDP=軽速・ICMP=診断。ポート必修6=22 SSH・25 SMTP・53 DNS・80 HTTP・123 NTP・443 HTTPS。IPv6=128bit・NAT非前提・fe80::リンクローカル
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 社内ネットワークを 192.168.10.0/24 で構築する。このネットワークで実際にホストへ割り当てられる IP アドレスの数は?
Q2. DNS の名前解決の問い合わせに標準で使われる、プロトコルとポート番号の組み合わせは?
Q3. インターネットに直接公開できない「プライベートIPアドレス」の範囲として正しいのはどれ?

