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第5章 · セキュリティ·v1.0.0·更新 2026/7/6·読了目安 約13分

変更要約: 初版(主題1.10・副主題1.10.1〜1.10.4に対応)

5.1セキュリティ管理業務の実施

この節の要点

ホストをセキュリティポリシーに沿って点検する業務を学びます。SUIDSGID ファイルの監査(find -perm)、パスワードエージング(chagepasswdusermod)、開いているポートの発見(ssnetstatnmaplsoffuser)、ログイン状況の把握(whowlast)、リソース制限(ulimit)、sudo/etc/sudoerssu)、自動ログアウト(TMOUT)を押さえます。

セキュリティは「設定して終わり」ではなく定期点検の業務です。この節は監査の道具箱——危険なファイルを探す・アカウントの期限を管理する・開いている入口を数える・誰が入っているかを見る——を一通り揃えます。

5.1.1ファイル監査とパスワードエージング

  • SUIDSGID 監査=find / -perm -4000(SUID)・-perm -2000(SGID)。意図しない SUID ファイルは権限昇格の温床なので定期棚卸しする(2.1 の知識の応用)。
  • パスワードエージングchage で有効期限を管理(chage -l user01=現状表示・-M 90=最長90日・-d 0次回ログインで強制変更)。passwdusermod にも一部同等オプションがある。
  • ログインの把握=who(現在のログイン者)・w(+何をしているか・負荷)・lastログイン履歴。/var/log/wtmp 由来)。

5.1.2開放ポート・権限昇格・制限

  • 開いているポート=ss -tlnpnetstat(ローカルから)・nmap外からスキャンして実際の見え方を確認)。ポートを掴んでいるプロセスの特定=lsof -i:80fuser
  • su=別ユーザーに成り代わる(su -=環境ごと root へ)。sudoコマンド単位で特権実行し、実行記録が残る。設定は /etc/sudoers必ず visudo で編集=文法エラーでロックアウトしない保護付き)。
  • ulimit=シェルとその子のリソース上限(-n ファイル数・-u プロセス数・-c core サイズ)。TMOUT無操作で自動ログアウトする秒数(放置端末対策・profile に設定)。
試験ポイント

「SUID の棚卸し=find / -perm -4000」「パスワード期限=chage」「root 作業は su より sudo(記録が残る・権限を絞れる)」「sudoers は visudo で編集」「放置端末対策=TMOUT」 が定番です。ポート調査は内側から ss・外側から nmap という視点の対比で問われます。

月次のセキュリティ点検を1本のストーリーにしましょう。まず find / -perm -4000 -type f 2>/dev/null で SUID ファイルを列挙し、前回の棚卸し結果と diff——増えた1個が説明できなければ即調査です(rpm -qf/dpkg -S で所属パッケージ確認、という前章の技が効きます)。次に chage -l で特権ユーザーの期限を確認し、ポリシー逸脱(無期限パスワード等)を chage -M 90 で是正。ss -tlnp の結果をサービス台帳と突き合わせ、覚えのない LISTEN があれば lsof でプロセスを特定します。仕上げに外部から nmap サーバーIP を当てて、ファイアウォール越しに実際に見える口が想定どおりかを確認——内側の ss と外側の nmap の差分がすなわちファイアウォールの効果です。日々の運用では、管理者にも root を直接使わせず sudo必要なコマンドだけ許可し(ops ALL=(root) /usr/bin/systemctl restart nginx のように書ける)、全実行をログに残すのが現代の標準です。

点検項目道具見るもの
SUID/SGID の棚卸しfind -perm -4000/-2000前回との差分
パスワード期限chage -l / -M / -d 0ポリシー逸脱の是正
開放ポートss(内)・nmap(外)・lsof台帳との突き合わせ
ログイン状況who / w / last不審な時間帯・端末
注意

ひっかけ: 「sudo と su は同等で、どちらでも記録が残る」は誤りです。su はシェルごと成り代わるため以後の操作の記録が乏しく、sudo はコマンド単位の記録と許可制御ができます。また「/etc/sudoers は vi で直接編集してよい」も誤り=visudo(文法チェック付き)を使わないと、書き損じで全管理者がロックアウトされる恐れがあります。「TMOUT はパスワードの有効期限を設定する」も誤り(無操作タイムアウトです)。

SUID監査・chage/sudo・ss/nmap/lsof と ulimit/TMOUT の点検項目図。
内 ss と外 nmap の差分=FW

5.1.3この節のまとめ

  • 監査=find -perm -4000(SUID)・chage(期限)・who/w/last(ログイン)・ss内/nmap外+lsof/fuser(ポート)
  • 特権は sudo(visudo・記録・最小権限)。制限は ulimit(リソース)・TMOUT(無操作ログアウト)

進捗の記録にはログインが必要です。

理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. システム全体から SUID ビットが設定されたファイルを洗い出したい。適切なコマンドは?

Q2. ユーザー user01 に、次回ログイン時のパスワード変更を強制したい。適切なコマンドは?

Q3. 管理チームに root の全権を渡さず、「nginx の再起動だけ」を特権実行させ、実行記録も残したい。適切な仕組みは?

理解度を確認第5章「セキュリティ」の問題を解く

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