第5章 · システム企画·v1.0.0·更新 2026/7/16·読了目安 約16分
変更要約: 初版
5.1システム化構想・システム化計画
この節の要点
経営戦略・情報システム戦略を受けて情報システム化の全体像・方針を描くシステム化構想と、それを受けて対象範囲・体制・投資額・スケジュール・効果・リスクを具体化するシステム化計画の役割分担、そして計画を確定する前に技術的・経済的・運用的なフィジビリティスタディ(実現可能性の評価)で前提・制約条件とリスクを見極める判断を学びます。
システム企画の出発点は、思いつきで開発対象を選ぶことではなく、経営戦略・情報システム戦略から情報システム化の全体像を描き、その実現可能性を見極めてから計画に落とし込むことです。上流で全体方針を描くのがシステム化構想、それを受けて対象範囲・体制・投資額・スケジュール・効果・リスクを具体化するのがシステム化計画です。そして計画を確定する前に、技術・経済・運用の各面から本当に実現できるかを評価するのがフィジビリティスタディ(実現可能性の評価)です。この節では、ITストラテジストが前提・制約条件とリスクの中でどの実現方式・投資規模を選ぶかを判断する視点で、企画上流の意思決定を学びます。
5.1.1システム化構想とシステム化計画の役割
- システム化構想=経営戦略・情報システム戦略と業務の課題・あるべき姿を踏まえ、どの業務をどう情報システム化するかの全体像・方針・目的を描く企画の最上流。個別の実装ではなく「何のために・どこを・どの方向で」変えるかを定める。
- システム化計画=構想を受けて、対象範囲・実現方式・体制・スケジュール・投資額・期待効果・リスクを具体化する。共通フレーム(SLCP)の企画プロセスに位置づけられ、この計画が要件定義以降の土台となる。上流の構想が下流の計画を方向づける関係にある。
5.1.2フィジビリティスタディと前提・制約・リスク
- フィジビリティスタディ(実現可能性の評価)=計画を確定する前に、技術的(実現手段・スキル)・経済的(投資対効果)・運用的(体制・運用能力)・日程的な各側面から実現できるかを総合的に評価する。ある1面だけが実現可能でも、他の面が不成立なら計画は成り立たない。
- 前提と制約条件(予算上限・納期・法規制・既存システムとの連携・要員)とリスクを計画段階で明確化し、その範囲内で対象範囲・実現方式を選ぶ。制約に起因するリスクへの対応方針(段階導入・スキル確保・投資規模の再検討)を計画に織り込むのがストラテジストの役割。

