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第4章 · システム戦略·v1.0.0·更新 2026/7/16·読了目安 約16分

変更要約: 初版

4.5IT投資マネジメントとソリューション活用

この節の要点

個別案件の採否だけでなく、全社のIT投資をIT投資ポートフォリオとして「維持(Run)/成長(Grow)/変革(Transform)」のバランスで管理する考え方、複数プロジェクトを戦略目標の便益実現に束ねるプログラムマネジメント共通フレーム(SLCP)の企画・要件定義プロセス、そしてクラウド/SaaS活用と内製vs外製の判断を学びます。予算制約下でリスクとリターンのバランスを取る投資判断が要点です。

IT投資の巧拙は、個々の案件が良いか悪いかだけでは決まりません。限られた投資予算の中で、全社の投資群をどうバランスさせるか——安定稼働を支える守りの投資と、事業を伸ばし変革する攻めの投資をどう配分するか——という全体の設計が経営を左右します。この節では、全社のIT投資をIT投資ポートフォリオとして管理する考え方、複数プロジェクトを戦略便益に束ねるプログラムマネジメント、上流工程の共通言語である共通フレーム(SLCP)の企画・要件定義プロセス、そしてクラウド/SaaS 活用や内製 vs 外製といった調達の方向性を、予算制約下で投資のリスクとリターンのバランスを取るストラテジストの判断として学びます。

4.5.1IT投資ポートフォリオとプログラムマネジメント

  • IT投資ポートフォリオ=全社のIT投資を、性格の異なるカテゴリ——維持・運用(Run=守り/低リスク・低リターン)/業務改善・成長(Grow)/事業変革(Transform=攻め/高リスク・高リターン)——に分類し、予算制約の中でリスクとリターンのバランスを取って配分する考え方。金融のポートフォリオと同様、守りに偏れば競争力を失い、攻めに偏れば安定を欠く。
  • プログラムマネジメント=個々のプロジェクト(プロジェクトマネジメントの対象)を超えて、複数の関連プロジェクトを一つの戦略目標・便益の実現に向けて束ねて管理する。個々のプロジェクトが期日・予算内で完了(成功)しても、束ねた戦略便益が実現しなければプログラムとしては失敗——視点はアウトプット(成果物)ではなくアウトカム(便益)にある。

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