第5章 · 開発技術とマネジメント·v1.0.0·更新 2026/7/9·読了目安 約14分
変更要約: 初版(第5章・s1-s5)
5.1システム開発技術
この節の要点
ソフトウェア開発プロセス(要件定義・外部設計・内部設計・実装・テスト・運用)の流れと、モジュール分割(強度・結合度)、オブジェクト指向設計とUML、テスト技法(ホワイトボックステスト・ブラックボックステスト・網羅基準)、レビュー(インスペクション・ウォークスルー)を学びます。
システム開発は「何を作るか」を決める上流工程から「正しく動くか」を確かめる下流工程まで、段階を踏んで進みます。各工程で何を確定させるかと、設計・実装の質を高める技法(分割の指針、テストの網羅基準、レビュー)を対応づけて理解することが、応用情報につながる実務理解の土台になります。
5.1.1開発プロセスと設計の階層
- 要件定義=利用者・発注者の業務要求を明確化し、システムが何を実現すべきかを定義する工程。ここで確定した要件は以降の全工程の基準になり、後工程での要件変更ほど手戻りコストが大きくなります。
- 外部設計(基本設計)=利用者から見える画面・帳票・インタフェースを設計する工程。内部設計(詳細設計)=外部設計を実現するための内部構造・モジュール分割・データ構造をプログラマ視点で設計する工程。外部設計は「利用者が見るもの」、内部設計は「開発者が実装するもの」という視点の違いを区別します。
- モジュール分割=プログラムを機能単位に分割する設計技法。分割の質はモジュール強度(1つのモジュール内の処理のまとまりの強さ、高いほど良い)とモジュール結合度(モジュール間の依存の強さ、低いほど良い)の2軸で評価します。「強度は高く・結合度は低く」が良い設計の指針です。
5.1.2オブジェクト指向設計とUML
- オブジェクト指向設計=データと処理を1つのオブジェクト(クラス)にまとめ、カプセル化(内部実装の隠蔽)・継承(既存クラスの性質の再利用)・多態性(ポリモーフィズム)(同じ呼び出しで異なる振る舞いを実現)を活用して部品化・再利用性を高める設計手法。
- UML(統一モデリング言語)=オブジェクト指向設計を図で表す標準記法。代表的な図に、クラス間の静的関係を表すクラス図、オブジェクト間のメッセージのやり取りを時系列で表すシーケンス図、利用者から見た機能を表すユースケース図、状態の遷移を表す状態遷移図があります。用途に応じて図の種類を使い分けます。

