第5章 · 開発技術とマネジメント·v1.0.0·更新 2026/7/9·読了目安 約14分
変更要約: 初版(第5章・s1-s5)
5.4サービスマネジメント
この節の要点
ITILの枠組みに基づくSLA(サービスレベル合意書)・SLM(サービスレベル管理)、インシデント管理・問題管理・変更管理・構成管理の各プロセス、サービスデスクの役割、キャパシティ管理・可用性管理、そしてデータセンターのファシリティ(UPS・免震構造)を学びます。
システムを作って終わりではなく、安定的に運用し続けるための体系がサービスマネジメントです。ITILが示すベストプラクティスをもとに、約束したサービス水準をどう管理するか(SLA/SLM)、障害への対応プロセスをどう区別するか(インシデント/問題/変更管理)を理解することが、実務でも試験でも問われる核心です。
5.4.1ITILとSLA/SLM
- ITIL(Information Technology Infrastructure Library)=ITサービスマネジメントのベストプラクティス集。特定の製品や組織に依存しない、業界標準として広く参照される枠組みです。
- SLA(Service Level Agreement・サービスレベル合意書)=サービス提供者と利用者の間で、提供するサービスの水準(稼働率・応答時間など)を数値目標として合意した文書。SLM(Service Level Management・サービスレベル管理)=SLAで合意した水準を継続的に監視・報告し、達成に向けて管理する活動全体。SLAが「約束の中身」、SLMが「約束を守るための管理プロセス」という関係です。
5.4.2インシデント管理・問題管理・変更管理・構成管理
- インシデント管理=サービスの中断や品質低下が発生した際、サービスを可能な限り迅速に復旧させることを目的とするプロセス(応急対応・暫定回避策が中心。根本原因の追究は目的としない)。問題管理=インシデントの背後にある根本原因を特定し、恒久的な対策を講じて再発を防止するプロセス。
- 変更管理=システムへの変更(設定変更・パッチ適用・機能追加等)を計画的に評価・承認し、統制されたプロセスで実施することで、変更に起因する新たな障害を防ぐプロセス。構成管理(サービスマネジメント文脈)=IT資産・機器・ソフトウェアなどの構成情報(CI: Configuration Item)を正確に把握・記録し、変更管理やインシデント対応の判断材料にするプロセス。
- インシデント管理と問題管理の違いが最重要の区別です。「今すぐサービスを止めない・復旧させる」のがインシデント管理、「二度と同じ障害を起こさない」のが問題管理で、目的の時間軸(応急 vs 恒久)が異なります。

