第4章 · 情報セキュリティ·v1.0.0·更新 2026/7/9·読了目安 約15分
変更要約: 初版
4.4対策と管理(ファイアウォール・ゼロトラスト・ISMS)
この節の要点
ネットワーク境界を守るファイアウォール・IDS/IPS・WAFと、外部公開サーバを隔離するDMZ、遠隔拠点を安全に接続するVPN、境界防御に依存しないゼロトラストの考え方、組織的な情報セキュリティ管理の枠組みISMS・ISO/IEC 27001、セキュリティポリシの体系、アクセス制御(最小権限・職務分離)、ログ管理、インシデント発生時に対応するCSIRT・インシデント対応のプロセスを学びます。
これまでの節で見た脅威・攻撃手法・暗号技術は、組織としてどう仕組み化して継続運用するかが最後の課題です。個別の技術対策(ファイアウォール等)だけでは不十分で、管理面の枠組み(ISMSやセキュリティポリシ)と技術対策を両輪で回すことが実効性のある情報セキュリティにつながります。この節では技術的対策と組織的管理を橋渡しする形で学びます。
4.4.1ネットワーク境界の対策
- ファイアウォール=送信元/宛先IPアドレスやポート番号に基づき通信を許可/拒否する境界防御。ネットワーク層〜トランスポート層の情報で判断し、通信内容そのものは見ない。IDS(侵入検知システム)=不正な通信を検知して管理者に通知する。IPS(侵入防止システム)=検知に加え自動で遮断まで行う。
- WAF(Webアプリケーションファイアウォール)=HTTPリクエストの中身(パラメータ等)を検査し、SQLインジェクションやXSSのようなアプリケーション層の攻撃パターンを検出・遮断する。ファイアウォールがIP/ポートで判断するのに対し、WAFは通信の中身を見る点が最大の違い。
- DMZ(非武装地帯)=インターネットに公開するWebサーバ等を、内部ネットワークとは別のセグメントに配置する構成。外部からの不正アクセスでDMZ上のサーバが侵害されても、内部ネットワークへの直接の侵入を防ぐ多層防御の一環。VPN(仮想プライベートネットワーク)=公衆網上に暗号化されたトンネルを構築し、遠隔拠点やリモートワーカーを安全に接続する。
- ゼロトラスト=「境界の内側は信頼できる」という従来の境界防御の前提を置かない考え方。社内外を問わずすべてのアクセスを都度検証し、最小権限の原則でリソースへのアクセスを許可する。リモートワークやクラウド利用の拡大で境界が曖昧になったことが背景。

