第4章 · サービス継続と可用性·v1.0.0·更新 2026/7/11·読了目安 約15分
変更要約: 初版
4.3キャパシティ管理(需要予測・しきい値・傾向分析)
この節の要点
サービスが必要とする性能・容量を過不足なく確保するキャパシティ管理の3つの副次プロセス(ビジネスキャパシティ管理・サービスキャパシティ管理・コンポーネントキャパシティ管理)、需要そのものを平準化する需要管理、しきい値監視と傾向分析による予兆検知、そしてボトルネックの特定を学び、増強と需要抑制を使い分ける判断力を養います。
キャパシティ管理は「性能が足りなくなったら増強する」という後追いの作業ではありません。過剰投資(使わない設備を持ちすぎる)も過少投資(性能不足でSLA違反)も避け、需要の伸びを先読みして、必要な時に必要なだけの能力を、最も費用対効果よく確保するのが本質です。この節では、3つの副次プロセスで管理対象を整理し、しきい値監視・傾向分析で不足の兆候を予兆段階で捉え、増強するか・需要管理で平準化するかを判断する視点を養います。
4.3.13つの副次プロセス
- ビジネスキャパシティ管理=事業計画・将来の事業要求(新サービス投入・利用者増の見込み等)から中長期の必要能力を予測する、最も上流の副次プロセス。サービスキャパシティ管理=個々のサービス単位で、SLAの性能目標(応答時間・スループット等)を満たすためにエンドツーエンドの性能を監視・管理する。コンポーネントキャパシティ管理=CPU・メモリ・ディスク・回線帯域など個々の資源(コンポーネント)の使用率を監視・管理する、最も下流の副次プロセス。
- 3副次プロセスは「事業→サービス→コンポーネント」と上流から下流へつながる。コンポーネント単体の使用率だけを見ても、それがSLA(サービス性能)や事業成長にどう響くかは判断できない——例えばCPU使用率が上がっていても、それがSLAの応答時間に影響していなければ即増強の必要はない。逆に事業計画で大幅な利用者増が見込まれるなら、現時点で余裕があっても先んじて増強計画を立てる。3つの視点を突き合わせて判断するのがキャパシティ管理の要。

