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第1章 · コアネットワークインフラの設計・実装·v2.0.0·更新 2026/6/3·読了目安 約10分

変更要約: AZ-700 第1章を深掘り(図ja化・比較表/シナリオ/FAQ/ひっかけ/深掘り段落を全節に追加)

1.3負荷分散(Load Balancer・App Gateway・Front Door)

この節の要点

トラフィックを複数のバックエンドに振り分ける Azure の負荷分散サービス——Azure Load Balancer(L4)・Application Gateway(L7・リージョン内)・Front Door(L7・グローバル)・Traffic Manager(DNS ベース)——の使い分けを理解します。

可用性とスケールのため、トラフィックを複数のバックエンドに分散します。Azure には層(L4/L7)と範囲(リージョン/グローバル)が異なる複数の負荷分散サービスがあります。

1.3.1負荷分散サービスの使い分け

負荷分散サービスを2軸(L4 か L7 か/リージョンかグローバルか)で分類し、Azure Load Balancer は L4・リージョン、Application Gateway は L7・リージョン(WAF 付き)、Front Door は L7・グローバル(WAF/CDN 付き)、Traffic Manager は DNS ベース・グローバルである、と示した分類図。
負荷分散サービスの分類
  • Azure Load BalancerL4(TCP/UDP)でリージョン内のトラフィックを高速に分散する。
  • Application GatewayL7(HTTP)でリージョン内を分散。URL パスベースのルーティングや WAF を備える。
  • Front DoorL7・グローバル。世界中のユーザーに近いエッジから配信し、WAF/CDN も備える。
  • Traffic ManagerDNS ベースで地域/優先度などによりグローバルにエンドポイントを振り分ける
試験ポイント

「L4 のリージョン分散=Load Balancer」「L7・URL ベース・WAF のリージョン分散=Application Gateway」「L7・グローバル・WAF/CDN=Front Door」「DNS ベースのグローバル振り分け=Traffic Manager」 は AZ-700 で頻出です。L4 か L7 か/リージョンかグローバルか、の2軸で判断します。

補足

Application Gateway と Front Door はいずれも WAF を統合できます。リージョン内なら App Gateway、グローバル配信なら Front Door、と範囲で選びます。

4 つは排他ではなく組み合わせて使います。代表的な多層構成は「Front Door(グローバル L7・WAF)→ 各リージョンの Application Gateway(L7・WAF)→ Azure Load Balancer(L4)→ VM」です。Load Balancer には パブリック(外部公開)と 内部(Internal)(VNet 内専用)があり、ヘルスプローブ で異常なバックエンドを外し、バックエンドプール負荷分散規則NAT 規則 で構成します。SKU は Standard(ゾーン冗長・既定でセキュア)が推奨で、旧 Basic は機能が限られます。Application Gateway は リスナー→規則→バックエンドプール の流れで、パスベース複数サイトルーティング、SSL 終端、自動スケール(v2)を備えます。Front Door と Traffic Manager は混同しやすいですが、Front Door は リバースプロキシ(実トラフィックがエッジを通る・キャッシュ/WAF 可)、Traffic Manager は DNS 応答を返すだけ(実トラフィックは直接バックエンドへ)という根本的な違いがあります。Traffic Manager のルーティング方式には 優先度/重み付け/パフォーマンス/地理的 などがあります。

サービス範囲代表機能
Load BalancerL4(TCP/UDP)リージョン高速・内部/公開・ヘルスプローブ
Application GatewayL7(HTTP)リージョンパスベース・SSL 終端・WAF
Front DoorL7(HTTP)グローバルエッジ配信・WAF・CDN(リバースプロキシ)
Traffic ManagerDNSグローバルDNS 応答で振り分け(実通信は直接)
補足

シナリオ: 世界中の利用者に低遅延で配信しつつ、各リージョン内では URL パスで /api と /img を別バックエンドへ振り分け、L4 で VM 群に分散したい。→ Front Door(グローバル・WAF)でエッジ受け、最寄りリージョンの Application Gateway でパスベースルーティング、その背後の Azure Load Balancer(L4)で VM へ分散します。

補足

FAQ: Q. Front Door と Traffic Manager の決定的な違いは? → A. Front Door は実トラフィックがエッジを通るリバースプロキシ(キャッシュ/WAF 可)、Traffic Manager は DNS 応答を返すだけで実トラフィックは直接バックエンドへ向かいます。Q. 内部だけで使う L4 分散は? → A. 内部 Load Balancer(Internal LB)を使い、公開 IP を持たせません。

注意

ひっかけ: 「Traffic Manager は実トラフィックを中継して負荷分散する」は誤りです。Traffic Manager は DNS で振り分けるだけで、実通信はクライアントから直接バックエンドへ向かいます(中継するのは Front Door)。また「HTTP の URL パスで振り分けるのに Azure Load Balancer を使う」も誤り(L4 は URL を見ない=App Gateway/Front Door が L7)。

1.3.2この節のまとめ

  • Load Balancer(L4)/App Gateway(L7・リージョン)/Front Door(L7・グローバル)/Traffic Manager(DNS)
  • 判断軸=L4 か L7 か・リージョンかグローバルか

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. リージョン内で TCP/UDP(L4)のトラフィックを高速に負荷分散したい。何を使いますか?

Q2. HTTP の URL パスに基づくルーティングと WAF をリージョン内で使いたい。何を使いますか?

Q3. 世界中のユーザーに近いエッジから配信し、グローバルに L7 で負荷分散したい(WAF/CDN 付き)。何を使いますか?

理解度を確認第1章「コアネットワークインフラの設計・実装」の問題を解く