変更要約: SC-900 第1章を AZ-900 基準まで深掘り(ゼロトラスト3原則+多層防御の各層、責任共有モデル、CIA比較表、認証/認可の順序、認証3要素とMFA、暗号化(対称/非対称・保管時/転送時)とハッシュ比較表、シナリオ・FAQ・ひっかけ)。図2枚ja化
1.2認証・認可と暗号化
認証(AuthN)と認可(AuthZ)の違い、暗号化とハッシュの基本を理解します。
アクセス制御の土台は「誰か(認証)」と「何ができるか(認可)」の2段階です。必ず認証が先、認可が後で、この順序と違いを混同しないことが SC-900 で繰り返し問われます。さらに、データそのものを守る暗号化と、改ざん検知やパスワード保存に使うハッシュも、ここで基礎を押さえます。
1.2.1認証と認可
- 認証(Authentication, AuthN):「あなたは誰か」を確認する(本人確認)。ログインの段階。
- 認可(Authorization, AuthZ):認証された相手が「何をできるか」を決める(権限)。認証の後に行う。
認証で使う「証拠」は、大きく3種類の要素に分かれます。知識(パスワード・PIN など「知っているもの」)、所持(スマホ・トークンなど「持っているもの」)、生体(指紋・顔など「本人そのもの」)です。多要素認証(MFA) は、このうち異なる種類の要素を2つ以上組み合わせて認証を強化する仕組みで、パスワードが漏れても第2要素がなければ突破されにくくなります。MFA はゼロトラストの「明示的に検証する」を実現する代表的な手段です。
1.2.2暗号化とハッシュ
暗号化(encryption)は、データを鍵で変換し、許可された者だけが鍵で元に戻せる(復号)ようにする技術です。守る対象により、ディスク上の 保管時(at rest) と、通信中の 転送時(in transit) の2場面があります。方式は2つ:対称鍵(同じ鍵で暗号化・復号。高速だが鍵の共有が課題)と、非対称鍵(公開鍵で暗号化し秘密鍵で復号するペア。鍵配布が安全)。一方 ハッシュ(hashing)は元に戻せない一方向の変換で、同じ入力からは常に同じ値が出ます。改ざん検知や、復号する必要のないパスワードの保存に使われます。
| 項目 | 可逆性 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 対称鍵暗号 | 鍵で復号可 | 高速な大量データの暗号化 |
| 非対称鍵暗号 | 秘密鍵で復号可 | 鍵交換・デジタル署名 |
| ハッシュ | 不可(一方向) | パスワード保存・改ざん検知 |
シナリオ:社内ポータルへのログイン。 社員がパスワード(知識)+スマホの承認(所持)で MFA 認証=本人確認(AuthN)。ログイン後、その人の役割(人事/経理など)に応じて閲覧できる画面が変わる=認可(AuthZ)。パスワードはサーバーにハッシュ化して保存し、通信は 転送時の暗号化で保護。各仕組みが役割分担します。
混同に注意:
①認証(誰か)が先、認可(何ができるか)が後。順序を逆にしない。
②暗号化(鍵で復号できる)とハッシュ(元に戻せない一方向)は目的が別——パスワード保存はハッシュ。
③対称鍵(同じ鍵)と非対称鍵(公開/秘密のペア)を取り違えない。
④MFA は「同じ種類の要素を2つ」ではなく異なる種類を2つ以上。
Q. 認証と認可、どちらが先? 必ず認証(本人確認)が先、認可(権限決定)が後です。Q. パスワードは暗号化?ハッシュ? 復号する必要がないのでハッシュ化が標準。漏洩時も元のパスワードを復元しにくくなります。Q. 対称鍵と非対称鍵の使い分けは? 大量データは高速な対称鍵、鍵交換や署名には非対称鍵、と組み合わせて使うのが一般的です。
「認証=誰か(先)/認可=何ができるか(後)」の区別と順序は頻出です。また 暗号化(鍵で復号できる)とハッシュ(元に戻せない一方向)、対称鍵と非対称鍵、MFA=異なる種類の要素を2つ以上、保管時/転送時の暗号化も押さえましょう。
1.2.3この節のまとめ
- 認証(誰か)→ 認可(何ができるか) の2段階
- 暗号化(復号可)/ハッシュ(一方向)、対称鍵/非対称鍵
進捗の記録にはログインが必要です。
理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 「あなたは誰か」を確認するプロセスはどれですか?
Q2. 認証された利用者が「何にアクセスできるか」を決めるのはどれですか?
Q3. パスワードの保存に適した、元に戻せない一方向の変換はどれですか?

