Instiq
第4章 · ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速·v2.0.0·更新 2026/8/6·読了目安 約11分

変更要約: SAP-C02 第4章を深掘り(比較表・シナリオ・FAQ・ひっかけ・深掘り段落を各節に追加、図を日本語版に対応)

4.1移行戦略の選択(7 つの R)

この節の要点

移行アプローチ——7 つの Rリホストリプラットフォームリファクタリパーチェスリタイアリテインリロケート)と、Migration HubApplication Discovery Service による評価——を理解します。各ワークロードに最適な道を選びます。

大規模移行は、まずポートフォリオを評価し、各アプリに 7 つの R から戦略を割り当てます。労力と価値はトレードオフです。

4.1.17 つの R

移行戦略「7 つの R」を労力の少ない順に並べた図。リテイン(当面そのまま)、リタイア(廃止)、リロケート(VMware Cloud on AWS 等でそのまま移設)、リホスト(lift & shift・変更なしで EC2 へ・AWS MGN)、リプラットフォーム(少し最適化・例 DB を RDS マネージドへ)、リパーチェス(SaaS へ乗り換え)、リファクタ(クラウドネイティブに作り替え・サーバーレス/マイクロサービス・最大の労力と価値)を示し、評価ツールとして Application Discovery Service と Migration Hub を添えた図。
7 つの R と評価
  • リホスト(lift & shift):変更せず EC2 へ。最速・最小労力(AWS MGN で自動化)。
  • リプラットフォーム:少し最適化(例: 自前 DB → RDS マネージド)。
  • リファクタ:クラウドネイティブに作り替え(サーバーレス/マイクロサービス)。労力大・価値大。
  • リパーチェス:自前運用をやめ SaaS に乗り換え。リタイア:不要なものは廃止。リテイン:当面そのまま。リロケート:そのまま移設。
試験ポイント

「無変更で素早く=リホスト(lift & shift・MGN)」「DB をマネージドに等の小最適化=リプラットフォーム」「クラウドネイティブに作り替え=リファクタ」「SaaS 化=リパーチェス」「廃止=リタイア/据え置き=リテイン」、評価は Discovery Service+Migration Hub が SAP-C02 で頻出です。短納期・低リスクならリホスト、長期価値ならリファクタ。

補足

Application Discovery Service が依存関係や使用状況を収集し、Migration Hub が移行の進捗を一元的に追跡します。まず可視化してから戦略を割り当てるのが定石です。

SAP-C02 では「制約(期限・予算・スキル・リスク許容度)から正しい R を選ぶ」設問が中心です。リホストは変更を加えないため最速・最低リスクで、データセンター撤退の期限が迫る大量移行に向きます。ただしクラウドの利点(マネージド化・弾力性)はあまり得られません。リプラットフォームは「触りすぎない最適化」で、典型は自己管理 DB を RDS/Aurora に載せ替えてパッチ・バックアップ・HA を肩代わりさせる形です。リファクタは最も労力が大きい一方、サーバーレス化やマイクロサービス化で長期の俊敏性・スケール・コストを最大化します——ただしビジネス価値が高いコアにだけ適用するのが定石です。リパーチェスは自前運用をやめ SaaS(例: 自社メール基盤→マネージド SaaS)へ。リタイアで不要資産を削れば移行対象そのものが減り、リテインは規制・依存・近い廃止予定などで「今は動かさない」判断、リロケートは VMware Cloud on AWS(2024 年 4 月末に AWS からの販売は終了し、現在は Broadcom 経由で提供)などでハイパーバイザ単位をそのまま移すケースです。評価フェーズでは Application Discovery Service(エージェント/エージェントレスで CPU・メモリ・ネットワーク依存を収集)の結果を Migration Hub に集約し、アプリ単位で進捗とステータスを一元管理します。

状況選ぶ R理由
DC 撤退期限が迫る・変更最小リホスト最速・最低リスク(MGN で自動化)
運用負荷を下げたいが大改修は不可リプラットフォームDB をマネージドに等の小最適化
コア機能で長期の俊敏性が欲しいリファクタサーバーレス/マイクロで価値最大
自前運用をやめたい汎用機能リパーチェスSaaS へ乗り換え
補足

シナリオ:データセンターの契約終了まで 6 か月、数百台のサーバーを移す必要がある。多くは枯れた業務アプリで改修予算は乏しいが、一部の自己管理 MySQL は運用負荷を下げたい。→ 大半は リホスト(MGN)で期限内に確実に移し、MySQL だけ リプラットフォームRDS へ。先立って Discovery Service で依存関係を洗い出し、Migration Hub で波(wave)ごとの進捗を管理します。

補足

FAQ:リロケートとリホストの違いは? リホストは個々のサーバーを EC2 へ移す(lift & shift)のに対し、リロケートは VMware Cloud on AWS などで仮想化基盤ごと、OS やアプリを変えずにまとめて移設します。最も変更が少なく短期間で済む反面、クラウドネイティブの利点は得にくいです。

注意

ひっかけ:「最も短期間で移行したい」のにリファクタを選ぶのは誤り。リファクタは最も労力と時間がかかります。短納期・低リスクは リホストが正解です。逆に「長期の俊敏性・コスト効率を最大化」ならリファクタが正解で、期限とのトレードオフを見極めます。

4.1.2この節のまとめ

  • 7R=リホスト/リプラットフォーム/リファクタ/リパーチェス/リタイア/リテイン/リロケート
  • 評価=Application Discovery Service+Migration Hub

進捗の記録にはログインが必要です。

理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 期限が厳しく、まずは変更を加えずに既存サーバーをそのまま AWS の EC2 へ素早く移したい。どの戦略ですか?

Q2. 自前管理の MySQL を、アプリのコードはほぼ変えずに Amazon RDS のマネージド DB へ移して運用負荷を下げたい。どの戦略ですか?

Q3. 大規模移行に先立ち、オンプレのサーバー依存関係や使用状況を収集し、移行の進捗を一元管理したい。何を使いますか?

理解度を確認第4章「ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速」の問題を解く

学習の記録を残しませんか

参考書はすべて無料で読めます。無料登録すると、問題集での演習・既読と進捗の記録・間違えた問題の復習・ハイライトが使えます。