Instiq
第5章 · ハードウェア、ディスク、パーティション、ファイルシステム·v1.0.0·更新 2026/7/6·読了目安 約12分

変更要約: 初版(主題1.05・副主題1.05.1〜1.05.3に対応)

5.3ファイルシステムの作成と管理、マウント

この節の要点

パーティションを使える状態にするファイルシステム作成とマウントを学びます。mkfs による作成(ext4XFSVFATBtrfstmpfs の特徴)、スワップmkswapswaponswapoff)、mountumount、ブート時マウントの /etc/fstabUUIDラベルによる識別、/media を押さえます。

パーティションを切っただけではまだ「更地」です。ファイルシステムを作成(フォーマット)し、ディレクトリツリーのどこかにマウントして初めてファイルが置けるようになります。Windows のドライブレターと違い、Linux はすべてを1本の木につなぐのが最大の特徴です。

5.3.1ファイルシステムの作成

  • 作成=mkfs 系(mkfs.ext4 /dev/sdb1mkfs.xfsmkfs.vfat など。mkfs -t ext4 も同義)。中身は消えるので対象デバイスの指定ミスに最大の注意。
  • 特徴=ext4(Linux の標準的な汎用 FS・ジャーナリング。前身の ext3 も同系のジャーナリング FS で、ext4 はその後継)/XFS(大容量・並列に強い・RHEL 系標準)/VFAT(FAT=Windows と共用できる・USB メモリや ESP)/Btrfs(スナップショット等を内蔵する新世代)/tmpfsメモリ上の一時 FS・再起動で消える)。
  • スワップmkswap /dev/sdb2 で初期化 → swapon で有効化(解除は swapoff)。swapon --show で確認。

5.3.2マウントと /etc/fstab

  • 手動=mount /dev/sdb1 /data(/data がマウントポイント)/解除=umount /data使用中は解除できない=そのディレクトリにいるシェルやプロセスが妨げる)。
  • ブート時の自動マウント=/etc/fstab に1行追加(デバイス・マウントポイント・FS種別・オプション・dump・fsck順)。mount -a で fstab の内容を即時適用(再起動前の検証に必須)。
  • デバイス指定は UUIDUUID=xxxx-...)やラベルLABEL=data)が推奨=/dev/sdb が /dev/sdc に変わる接続順変化の影響を受けない。確認は blkid
  • リムーバブルメディアは /media 配下に(デスクトップ環境では自動マウント)。ユーザーにマウントを許可するには fstab の user オプションを使う。
試験ポイント

「Windows と共用する USB=VFAT」「メモリ上の一時領域=tmpfs」「スワップは mkswap → swapon の2段」「fstab は UUID/LABEL 指定が堅牢」「umount できない→ 誰かが使用中(lsof/fuser で特定)」 が定番です。fstab 編集後に mount -a で検証せず再起動して起動不能、は実務でも試験でも典型的な失敗例です。

ディスク増設の一連の流れで総仕上げをしましょう。
fdisk -l で新ディスク(/dev/sdb)を確認 →
②パーティション作成(前節)→
mkfs.ext4 /dev/sdb1ファイルシステム作成 →
mkdir /data && mount /dev/sdb1 /data で仮マウントして動作確認 →
blkid /dev/sdb1UUID を控え、/etc/fstabUUID=xxxx /data ext4 defaults 0 2 を追記 →
umount /data && mount -a で fstab 経由のマウントを検証(ここでタイプミスに気づければ再起動事故を防げる)。ジャーナリング(ext4/XFS)は書き込み操作を先に記録してから実行する仕組みで、電源断でもファイルシステムの整合性が壊れにくいというサーバー向けの安心材料です。tmpfs は /tmp や高速な作業領域に使われますが、メモリを消費し再起動で消える性質を理解して使います。

ファイルシステム特徴典型用途
ext4汎用・ジャーナリングLinux の標準的な選択
XFS大容量・並列に強いRHEL 系の標準
VFATWindows と互換USB メモリ・ESP
tmpfsメモリ上・揮発/tmp・高速作業領域
注意

ひっかけ: 「/etc/fstab を編集すれば即座にマウントされる」は誤りです。fstab はブート時(および mount -a 実行時)に読まれる定義で、書いただけでは何も起きません。また「umount はどんな状態でも即座に解除できる」も誤り=使用中のファイルシステムは解除できず、lsof や fuser で使用プロセスを特定してから解除します。「tmpfs の内容は再起動後も保持される」も誤りです(メモリ上のため消えます)。

mkfs→mount→/etc/fstab 恒久化というディスク増設フローの図。
再起動前に mount -a で検証

5.3.3この節のまとめ

  • 作成=mkfs.<種類>(ext4 汎用・XFS 大容量・VFAT 共用・Btrfs 新世代・tmpfs メモリ)。スワップは mkswap→swapon
  • mount/umount(使用中は不可)・恒久化は /etc/fstab(UUID/LABEL 推奨)→ mount -a で検証・リムーバブルは /media

進捗の記録にはログインが必要です。

理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 増設したパーティション /dev/sdb1 を ext4 でフォーマットしたい。適切なコマンドは?

Q2. ブート時に /dev/sdb1 を /data に自動マウントさせたい。デバイスの接続順が変わっても影響を受けない堅牢な指定方法は?

Q3. umount /data を実行したら「target is busy」で失敗した。原因の説明として正しいのはどれ?

理解度を確認第5章「ハードウェア、ディスク、パーティション、ファイルシステム」の問題を解く

学習の記録を残しませんか

参考書はすべて無料で読めます。無料登録すると、問題集での演習・既読と進捗の記録・間違えた問題の復習・ハイライトが使えます。