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第3章 · ルーティングの設計・実装·v2.0.0·更新 2026/6/16·読了目安 約9分

変更要約: AZ-700 第3章を深掘り(図ja化・比較表/シナリオ/FAQ/ひっかけ/深掘り段落を全節に追加)

3.1システムルートとユーザー定義ルート(UDR)

この節の要点

Azure が自動で用意する システムルート と、それを上書きする ユーザー定義ルート(UDR)、適用先を束ねる ルートテーブル を理解します。トラフィックの「次のホップ」を制御するのがルーティングの基本です。

VNet 内の通信は既定で システムルート により自動的に流れます。これを意図的に変えたいときに UDR(ユーザー定義ルート)で次のホップを上書きします。

3.1.1ルーティングの仕組み

ルーティングでは、NVA や ExpressRoute/VPN ゲートウェイと VNet のルートを BGP で動的に交換する Azure Route Server を使うと、静的なユーザー定義ルート(UDR)の手動管理が不要になり、経路を自動で伝播できます。

サブネットに関連付けたルートテーブルが、宛先プレフィックス(例 0.0.0.0/0)と次のホップ(仮想アプライアンス NVA・仮想ネットワークゲートウェイ・インターネット・なし)を持つユーザー定義ルートで、既定のシステムルートを上書きする様子を示し、最長プレフィックス一致+UDR 優先で経路が決まる旨を添えた図。
ルートテーブルと UDR
  • システムルート:VNet 内・ピアリング・ゲートウェイ等への経路を Azure が自動で用意する(既定)。
  • UDR宛先プレフィックス→次のホップを定義し、システムルートを上書きする。
  • 次のホップ仮想アプライアンス(NVA)・仮想ネットワークゲートウェイ・インターネット・なしなどを指定する。
  • ルートテーブル:UDR をまとめ、サブネットに関連付けて適用する。
試験ポイント

「既定の経路=システムルート」「経路を上書き=UDR(宛先→次のホップ)」「ルートテーブルはサブネットに関連付け」「経路選択は最長プレフィックス一致、同条件なら UDR>BGP>システム」 は AZ-700 で頻出です。トラフィックを NVA に通したいときは UDR の次ホップを NVA にします。

補足

次ホップを「なし(None)」にすると、その宛先へのトラフィックは破棄されます。意図的に遮断したいときに使えます。

Azure が自動で持つシステムルートには、VNet 内(10.0.0.0/16 など)・ピアリング・ゲートウェイ(VPN/ExpressRoute)・既定のインターネット(0.0.0.0/0 → Internet)が含まれます。さらに サービスエンドポイント を有効にすると、対象 PaaS のプレフィックスへ最適化された サービスタグ ルート が自動で入ります。UDR の次ホップ種別は 仮想アプライアンス(VirtualAppliance)(IP を明示)・仮想ネットワークゲートウェイVNetインターネットなし(None) の 5 種です。経路選択は
①最長プレフィックス一致 →
②同じ長さなら UDR > BGP > システム の順で決まります(0.0.0.0/0 同士なら UDR が勝つ)。VirtualAppliance を指定する UDR は、対象 NVA で IP 転送を有効にしないと実際には転送されません。BGP で学習した経路を無視して UDR を確実に効かせたいときは、ルートテーブルの ゲートウェイのルート伝播を無効化 します。なお NSG(許可/拒否)と UDR(経路)は独立で、両方を満たさないと通信は成立しません。

次ホップ種別意味代表用途
仮想アプライアンス指定 IP の NVA へ転送ファイアウォール検査・サービスチェイニング
仮想ネットワークゲートウェイVPN/ExpressRoute GW へオンプレ向け・強制トンネリング
インターネットAzure 既定の外向き経路PaaS/公開宛て
なし(None)破棄(ブラックホール)特定宛先を意図的に遮断
補足

シナリオ: 既定では VM がインターネットに直接出てしまうが、すべての外向きを検査用 NVA に通したい。→ サブネットにルートテーブルを関連付け、0.0.0.0/0 → 仮想アプライアンス(NVA の IP) の UDR を作成します。NVA 側で IP 転送を有効化し、必要なら BGP 伝播を無効化して UDR を確実に優先させます。

補足

FAQ: Q. 同じ 0.0.0.0/0 をシステム・BGP・UDR が持つとどれが使われますか? → A. プレフィックス長が同じなので優先順位で決まり、UDR が勝ちます。Q. UDR と NSG はどちらが先に効きますか? → A. 役割が別です。UDR は経路(どこへ送るか)、NSG は許可/拒否。両方が通って初めて通信できます。

注意

ひっかけ: 「UDR を設定すれば NSG なしでも通信が許可される」は誤りです。UDR は経路、NSG は許可/拒否で別物。また「次ホップを仮想アプライアンスにすれば自動で転送される」も誤り(NVA 側の IP 転送有効化が必須)。

3.1.2この節のまとめ

  • システムルート(既定)を UDR で上書き(宛先→次のホップ)
  • ルートテーブルはサブネットに関連付け、選択は最長プレフィックス一致

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. Azure の既定の経路(システムルート)を上書きして、トラフィックの次のホップを制御したい。何を使いますか?

Q2. UDR をまとめて適用するため、ルートテーブルは何に関連付けますか?

Q3. すべての外向きトラフィック(0.0.0.0/0)を検査用アプライアンスに通したい。UDR の次のホップは何にしますか?

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