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第3章 · ルーティングの設計・実装·v2.0.0·更新 2026/6/16·読了目安 約8分

変更要約: AZ-700 第3章を深掘り(図ja化・比較表/シナリオ/FAQ/ひっかけ/深掘り段落を全節に追加)

3.3BGP とルートの伝播

この節の要点

オンプレと Azure 間で経路を動的に交換する BGP、VPN/ExpressRoute でのルート伝播、経路選択の優先順位を理解します。動的ルーティングにより、手動の経路設定を減らせます。

拠点が増えると経路を手動管理するのは大変です。BGP を使うと、オンプレと Azure が動的に経路を学習・交換し、設定の手間と誤りを減らせます。

3.3.1動的ルーティングと優先順位

オンプレのルーターと Azure の VPN/ExpressRoute ゲートウェイが BGP で経路を動的に交換し、学習した経路が VNet 内に伝播される様子と、同一宛先に複数経路がある場合の選択優先順位(UDR が最優先、次に BGP、最後にシステムルート)を示し、最長プレフィックス一致が先に効く旨を添えた図。
BGP とルート選択の優先順位
  • BGP:オンプレと Azure ゲートウェイ間で経路を動的に交換する標準プロトコル。
  • ルート伝播:VPN/ExpressRoute で学習した経路をゲートウェイ経由で VNet に伝播する。
  • 選択の優先順位:同一宛先では UDR > BGP > システムルート。まず最長プレフィックス一致で絞る。
  • 伝播の無効化:ルートテーブルでゲートウェイのルート伝播を無効にし、強制トンネリング等を確実にできる。
試験ポイント

「経路を動的交換=BGP」「学習経路を VNet に=ルート伝播」「同一宛先の優先順位=UDR > BGP > システム(先に最長プレフィックス一致)」 は AZ-700 で頻出です。手動の UDR を最優先で適用したい設計、BGP で拡張性を確保したい設計、を区別しましょう。

BGP は 自律システム番号(ASN) で相手を識別します。Azure の VPN/ExpressRoute ゲートウェイは既定 ASN 65515 を使い、オンプレ側は自社の ASN を設定します(一部の予約 ASN は使用不可)。VPN で BGP を有効にすると、トンネル上で BGP ピア IP を介して経路を交換し、拠点側のサブネットが増えても自動で学習されるため UDR の手直しが不要になります。ExpressRoute は常に BGP で経路交換し、プライベートピアリングで VNet プレフィックスを、Microsoft ピアリングで公開プレフィックスを広告します。同一宛先に ExpressRoute と VPN の両方の経路があるとき、Azure は既定で ExpressRoute を優先 します(バックアップ VPN 設計の根拠)。学習経路を意図的に無視したい区間では、ルートテーブルで ゲートウェイのルート伝播を無効化 し、UDR だけを効かせます。広告するプレフィックスを絞る(集約する)ことでルート数の上限超過を避けるのも実践上のポイントです。BGP は経路の到達性を扱うもので、許可/拒否(NSG)や検査(NVA/Firewall)とは役割が異なります。

観点静的(UDR)動的(BGP)
経路の管理手動で宛先→次ホップを定義ゲートウェイ間で自動交換
拠点追加時UDR を手で追記自動で学習・伝播
優先順位最優先(同一プレフィックス長で UDR>BGP)システムより優先・UDR より下
補足

シナリオ: オンプレ拠点が頻繁に増減し、その都度 UDR を直すのが負担。→ VPN/ExpressRoute で BGP を有効化し、拠点側ルーターに自社 ASN を設定して経路を動的交換します。拠点のサブネット変更は自動で Azure に伝播し、UDR の手直しが不要になります。手動で必ず効かせたい例外だけ UDR を併用します。

補足

FAQ: Q. ExpressRoute と VPN の両方で同じ宛先を学習したらどちらが使われますか? → A. 既定で ExpressRoute が優先されます(VPN はバックアップに適する)。Q. Azure ゲートウェイの ASN は? → A. 既定で 65515。オンプレ側は自社 ASN を設定し、予約 ASN は避けます。

注意

ひっかけ: 「BGP の経路はいつでも UDR より優先される」は誤りです。同一プレフィックス長では UDR > BGP > システムの順で、UDR が勝ちます。また「BGP を使えば NSG の許可設定は不要」も誤り(BGP は到達性=経路の話で、許可/拒否は NSG が別途必要)。

3.3.2この節のまとめ

  • BGP=経路の動的交換、VPN/ExpressRoute でルート伝播
  • 優先順位=UDR > BGP > システム(最長プレフィックス一致が先)

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. オンプレミスと Azure ゲートウェイ間で経路を動的に交換する標準プロトコルはどれですか?

Q2. 同一の宛先に対して UDR・BGP 経由・システムルートが存在する場合、最も優先されるのはどれですか?

Q3. VPN/ExpressRoute で学習した経路を VNet 内のサブネットへ反映する仕組みは何と呼ばれますか?

理解度を確認第3章「ルーティングの設計・実装」の問題を解く