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第1章 · ネットワーク設計の基礎·v2.1.0·更新 2026/6/28·読了目安 約11分

変更要約: in-scope サービス網羅: サービスメッシュ/発見/端末VPN(App Mesh/Cloud Map/Client VPN)を追加

1.3マルチ VPC・マルチアカウントの接続設計

この節の要点

複数ネットワークをつなぐ——VPC ピアリングTransit GatewayPrivateLink——の使い分けを理解します。規模と目的で選択肢が変わります。

VPC が増えると、どうつなぐかが設計の中心になります。少数なら ピアリング、多数のハブ接続なら Transit Gateway、単一サービスの公開なら PrivateLink が基本です。

1.3.1接続方式の使い分け

複数 VPC の接続方式を比較した図。VPC ピアリングは 1 対 1・非推移的で少数の VPC 向き・低コスト・CIDR 重複不可、Transit Gateway は多数の VPC のハブで推移的・オンプレも収容・数百規模に拡張、PrivateLink は単一サービスを公開しネットワーク全体を結合せず一方向でエンドポイントに到達する、という違いを示し、規模と意図(フルメッシュなら TGW・単一サービスなら PrivateLink)で選ぶことを示した図。
接続方式の使い分け
  • VPC ピアリング1 対 1・非推移的。少数の VPC を低コストでつなぐ。CIDR が重複していると不可。
  • Transit Gateway多数の VPC とオンプレのハブ。推移的で数百規模に拡張でき、ルーティングを一元管理。
  • PrivateLink(VPC エンドポイントサービス)特定のサービスだけを相手 VPC に公開。ネットワーク全体は結合しない。
  • 使い分け:フルメッシュ/多数→TGW、ペア接続→ピアリング、サービス提供→PrivateLink
試験ポイント

「ピアリングは非推移的(A-B、B-C があっても A-C は通らない)」「多数 VPC+オンプレのハブ=Transit Gateway」「単一サービス公開=PrivateLink」 は ANS-C01 で頻出です。ピアリングの非推移性と CIDR 重複不可は必ず押さえます。

補足

Transit Gateway はルートテーブルを使ってアタッチメント間の到達性を制御でき、セグメント分離(本番/開発の分離など)も実現できます。

ANS-C01 の接続設計は「規模・推移性・CIDR 重複・サービス公開」の観点で最適な方式を選ぶことを問います。VPC ピアリングは 2 つの VPC を直接結ぶ 1 対 1 で、非推移的(A-B、B-C があっても A-C は通らない)、リージョン間も可(インターリージョンピアリング)、CIDR 重複は不可、多数になるとフルメッシュで管理が破綻します。Transit Gateway(TGW)は多数の VPC/VPN/Direct Connect を束ねるハブで、推移的ルーティング、TGW ルートテーブルでアタッチメント間の到達性を制御(本番/開発のセグメント分離、共有サービスへの集約)、リージョン間は TGW ピアリングで接続、数百〜数千 VPC に拡張します。PrivateLink(VPC エンドポイントサービス)は提供側の NLB をエンドポイントサービスとして公開し、利用側はインターフェイスエンドポイント(ENI)で接続——ネットワーク全体を結合せず単一サービスのみを一方向に公開するため、CIDR が重複していても接続可能で、SaaS 提供や厳格な公開制御に向きます。選択軸は、少数のペア=ピアリング、多数/オンプレ込みのハブ=TGW、サービス単位の公開=PrivateLink。コストは、ピアリング(同一 AZ 内は無料、データ転送のみ)、TGW(アタッチメント時間課金+データ処理料)、PrivateLink(エンドポイント時間+データ処理)で異なります。設計の要は、「非推移=ピアリング」「推移ハブ=TGW」「単一サービス公開・CIDR 非依存=PrivateLink」を正確に使い分けることです。

方式特性向くケース
VPC ピアリング1 対 1・非推移・CIDR 重複不可少数のペア接続・低コスト
Transit Gatewayハブ・推移的・ルートテーブルで分離多数 VPC+オンプレ・大規模
PrivateLink単一サービス公開・CIDR 非依存SaaS 提供・厳格な公開制御
補足

シナリオ:(1) 共有サービス VPC を多数の業務 VPC とオンプレから使わせ、本番と開発はネットワーク的に分離したい。(2) 別途、CIDR が重複する取引先 VPC に自社 API だけ提供したい。→ (1) は Transit Gateway をハブにし、TGW ルートテーブルで本番/開発のアタッチメントを別ドメインに分けてセグメント分離(共有サービスへは双方から到達可)。(2) は PrivateLink(NLB をエンドポイントサービスとして公開)で、CIDR 重複に関係なく API だけを一方向に提供します。フルメッシュのピアリングは管理破綻するため避けます。

補足

FAQ:CIDR が重複する相手と接続するには? ピアリングや Transit Gateway は CIDR が重複していると使えません(ルーティングが一意に定まらないため)。重複したまま単一サービスを提供/利用するなら PrivateLink(CIDR 非依存で一方向にエンドポイント接続)が解です。全面的に相互接続が必要なら、どちらかの VPC を再 CIDR 化するか、プライベート NAT で重複を回避します。

注意

ひっかけ:「VPC ピアリングを連鎖させれば多数の VPC が相互に通信できる」は誤り——ピアリングは非推移的で、A-B と B-C があっても A-C は通りません。多数 VPC の相互/ハブ接続は Transit Gateway(推移的)が正解。また、CIDR が重複する相手をピアリング/TGW でつなごうとするのも誤りで、PrivateLink で単一サービスのみ公開して回避します。

1.3.2サービスメッシュ・発見・クライアント接続の in-scope サービス

ネットワーク設計では、アプリ層の通信制御や接続手段も問われます。AWS App Mesh は Envoy ベースのサービスメッシュで、マイクロサービス間の通信に可観測性(メトリクス/トレース)・リトライ・トラフィック分割を、アプリのコードを変えずに与えます(※AWS App Mesh は 2026 年 9 月 30 日にサポート終了予定で、2024 年 9 月以降は新規オンボード不可。後継は Amazon ECS Service Connect)。AWS Cloud Map はリソースにカスタム名を付けて登録するマネージドなサービスディスカバリで、IP/ポートの変化に追従しながらアプリが「名前」でサービスを発見できます(ヘルスチェック連動)。 リモート接続では、拠点間は Site-to-Site VPN、個々の従業員端末からは AWS Client VPN を使い分けます。Client VPN は端末からの TLS ベースのマネージド VPN で、証明書認証や Active Directory 連携で接続を認可します。

1.3.3この節のまとめ

  • 少数=ピアリング/多数ハブ=Transit Gateway/単一サービス=PrivateLink
  • ピアリングは非推移的・CIDR 重複不可
  • メッシュ=App Mesh/発見=Cloud Map/端末VPN=Client VPN

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 50 個の VPC とオンプレミスを相互接続し、ルーティングを一元管理したい。最適なのはどれですか?

Q2. VPC-A と VPC-B、VPC-B と VPC-C がそれぞれピアリングされています。VPC-A から VPC-C へ通信できますか?

Q3. 自社の API を他アカウントの VPC に対し、ネットワーク全体を結合せずに公開したい。何を使いますか?

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