変更要約: 各節に図(figure)を追加=cert-figure-retrofit。SC-500 第1章を新規作成(ドメイン1「ID・アクセス・ガバナンスの管理」: Entra ID=PIM/条件付きアクセス/MFA・パスワードレス/アプリ ID・OAuth 同意/マネージド ID、Key Vault=RBAC vs アクセスポリシー/ネットワーク制限/ソフト削除・消去保護/Defender CSPM シークレットスキャン・Defender for Key Vault、ガバナンス=Azure Policy/Defender for Cloud 規制コンプライアンス/RBAC 過剰特権是正/リソースロック/Azure Backup/IaC)
1.3ガバナンスによるセキュリティとコンプライアンスの強制
Azure Policy(組み込み/カスタム定義)による制御の強制、Microsoft Defender for Cloud による規制コンプライアンス評価とセキュリティ標準・推奨事項、リソースロック、組み込み/カスタムロールの管理と過剰特権の是正(RBAC)、Azure Backup のセキュリティ機能、そして IaC によるセキュリティ制御の実装を学びます。
個々のリソースを手作業で守るだけでは、規模が大きくなると抜け漏れが生じます。ガバナンス は「組織全体に共通のルールを定義し、自動で強制し、準拠状況を継続的に評価する」仕組みです。SC-500 では、ルールの強制に Azure Policy、態勢の評価に Microsoft Defender for Cloud、権限の最小化に Azure RBAC、誤操作の防止に リソースロック、復旧の保護に Azure Backup、そして再現性のある実装に IaC を用います。
1.3.1Azure Policy—制御の強制(組み込み/カスタム)
Azure Policy は、リソースが満たすべき条件をポリシー定義として表し、作成・更新時に評価して効果(effect)を適用します。代表的な効果は Deny(条件違反の作成を拒否)、Audit(違反を記録するが許可)、DeployIfNotExists(不足する設定を自動デプロイ=修復)、Modify(タグ等を自動付与)です。複数の定義を束ねたものが イニシアチブ(ポリシーセット) で、規制要件のまとまりを一括適用できます。例:「パブリック IP を持つストレージを拒否」「診断設定がなければ自動で追加」。これは予防的(preventive)統制の中心です。
1.3.2Defender for Cloud—態勢評価とコンプライアンス
Microsoft Defender for Cloud は、環境のセキュリティ態勢を継続評価する CSPM の中心です。セキュリティ標準(security standards) として Microsoft Cloud Security Benchmark などを適用し、違反は 推奨事項(recommendations) として提示、全体の健全度は セキュアスコア(Secure Score) で数値化されます。規制コンプライアンス(regulatory compliance) ダッシュボードでは、PCI DSS・ISO 27001 などの規制フレームワークへの準拠状況を可視化します。Azure Policy が「強制」なら、Defender for Cloud は「評価・可視化・改善提案」の役割です(内部的に多くの推奨事項は Policy で実装されます)。
1.3.3RBAC—ロール管理と過剰特権の是正
Azure RBAC は「どの ID(誰)に・どのスコープ(管理グループ/サブスク/RG/リソース)で・どのロール(何ができる)を割り当てるか」で認可を表します。まず 組み込みロール(Reader・Contributor・Owner や各サービス固有ロール)で要件を満たせないか確認し、足りなければ カスタムロール を最小権限で定義します。運用で陥りがちな 過剰特権(over-privileged) は、Entra のアクセスレビュー、Defender for Cloud の推奨事項、PIM の適格化で棚卸し・是正します。Owner や User Access Administrator のような権限を委譲できるロールの乱用に特に注意します。
1.3.4リソースロック・Azure Backup・IaC
- リソースロック:CanNotDelete(削除禁止・変更可)と ReadOnly(変更・削除禁止)。重要リソースの誤削除/誤変更を防ぐ。RBAC とは独立に効く。
- Azure Backup のセキュリティ:論理削除(soft delete)・不変コンテナー/不変ストレージ・Multi-User Authorization(MUA) により、ランサムウェアや内部不正によるバックアップの破壊を防ぐ。
- IaC によるセキュリティ制御:Bicep/ARM/Terraform でセキュリティ設定をコード化し、レビュー・再現・横展開を可能にする。
What-If/プレビューで適用前に差分を確認。
| 目的 | 使う機能 | 役割の違い |
|---|---|---|
| 規約違反の作成を拒否/自動修復 | Azure Policy(Deny/DeployIfNotExists) | 予防・強制 |
| 態勢評価・コンプライアンス可視化 | Defender for Cloud(標準/推奨/セキュアスコア/規制コンプライアンス) | 評価・可視化 |
| 最小特権の付与 | Azure RBAC(組み込み→カスタム) | 認可 |
| 誤削除/誤変更の防止 | リソースロック(CanNotDelete/ReadOnly) | 保護(RBAC と独立) |
| バックアップの破壊防止 | Azure Backup(論理削除/不変/MUA) | 復旧の保護 |
シナリオ:規制対応のランディングゾーン。 ISO 27001 の要件を イニシアチブ として管理グループに割り当て、違反作成は Deny、診断設定の不足は DeployIfNotExists で自動修復。準拠状況は Defender for Cloud の 規制コンプライアンス で可視化し、セキュアスコア の推奨事項を順に解消。権限は 組み込みロール +必要なら カスタムロール を最小特権で割り当て、四半期の アクセスレビュー で過剰特権を是正。本番リソースには CanNotDelete ロック、バックアップは 不変+MUA。すべて Bicep でコード化し変更はプルリクエストでレビュー。
混同に注意:
①Azure Policy(ルールを強制:Deny/DeployIfNotExists)とDefender for Cloud(態勢を評価・可視化:推奨/セキュアスコア/規制コンプライアンス)は役割が違う(多くの推奨は内部で Policy 実装)。
②RBAC(誰が何をできるか=認可)とリソースロック(操作そのものを禁止=RBAC と独立)。
③CanNotDelete(変更は可)とReadOnly(変更も削除も不可)。
「要件 → ガバナンス機能」が頻出。例:「準拠しないリソースの作成を拒否」=Azure Policy(Deny)、「不足する設定を自動で追加」=DeployIfNotExists、「PCI DSS への準拠状況を確認」=Defender for Cloud 規制コンプライアンス、「最小権限のロールを新設」=RBAC カスタムロール、「本番リソースの誤削除を防止」=CanNotDelete ロック、「バックアップをランサムウェアから守る」=不変+MUA。
1.3.5この節のまとめ
- Azure Policy=予防/強制(Deny/Audit/DeployIfNotExists/Modify・イニシアチブで束ねる)
- Defender for Cloud=態勢評価(標準/推奨/セキュアスコア)+規制コンプライアンスの可視化
- RBAC=最小特権(組み込み→カスタム)。過剰特権はアクセスレビュー/PIM/推奨で是正
- リソースロック(CanNotDelete/ReadOnly)・Azure Backup(不変/MUA)・IaC で誤操作防止と再現性を確保
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 準拠しないリソースの作成を拒否し、不足している設定を自動でデプロイして修復できる、ルール強制のためのサービスはどれですか?
Q2. PCI DSS や ISO 27001 などの規制フレームワークへの準拠状況を可視化し、セキュアスコアや推奨事項で態勢を評価するサービスはどれですか?
Q3. 組み込みロールでは要件を満たせない場合に、最小特権で独自の権限セットを定義するにはどうしますか?
Q4. 本番リソースの誤削除を防ぎつつ、設定変更は許可したい場合に適用するリソースロックはどれですか?
Q5. ランサムウェアや内部不正によるバックアップの破壊を防ぐために Azure Backup で用いる機能の組み合わせはどれですか?
Q6. Azure Policy と Microsoft Defender for Cloud の役割の違いとして最も適切なものはどれですか?

