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第5章 · プラットフォームとクラウド·v1.0.0·更新 2026/7/11·読了目安 約15分

変更要約: 初版

5.4ネットワーク方式設計

この節の要点

アプリケーション層の内容まで見て振り分けるL7負荷分散とトランスポート層で高速に振り分けるL4負荷分散の使い分け、コンテンツをエッジ拠点に分散するCDN、名前解決の階層と冗長化を担うDNS、そして障害時の冗長経路遅延最適化の設計判断を学びます。

システムアーキテクトは、利用者からの通信をサーバ群にどう振り分け、コンテンツをどこに配置し、障害時にどう経路を切り替えるかというネットワーク方式を、性能・可用性・コストのトレードオフから設計します。この節では負荷分散の階層による違い、CDN/DNSの役割、冗長経路と遅延最適化の判断を学びます。

5.4.1負荷分散:L4とL7

  • L4負荷分散(トランスポート層)=送信元/宛先IPアドレスとポート番号、TCP/UDPのコネクション情報のみを見て振り分け先を決める方式。パケットの中身(HTTPヘッダ等)を解析しないため処理が軽く高速でスループットに優れるが、URLパスやCookie等アプリケーションの内容に基づいた柔軟な振り分け(例:特定パスだけ別サーバ群へ)はできない
  • L7負荷分散(アプリケーション層)=HTTPヘッダ・URLパス・Cookie等アプリケーション層の内容まで解析して振り分け先を決める方式。「/api/ 配下はAPIサーバ群へ」「特定Cookieを持つ利用者は特定バージョンのサーバへ(A/Bテスト等)」といった柔軟な振り分けが可能だが、パケットの中身を解析する分だけL4より処理オーバーヘッドが大きくスループットは劣る。SSL/TLS終端(暗号化通信の復号)を負荷分散装置側で行う構成もL7に位置づけられることが多い。
  • 判断軸は「単純に処理を高速に振り分けたいか」対「URLパスや利用者属性に基づく柔軟な制御が要るか」。高スループットが最優先の単純な振り分けはL4、パスベースルーティングやA/Bテスト等の柔軟性が要る場合はL7、というように要件次第で使い分ける(併用も一般的:まずL4で大まかに分散し、その先でL7がアプリケーション単位に振り分ける多段構成)

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