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第1章 · Linuxのインストールと仮想マシン・コンテナの利用·v1.0.0·更新 2026/7/6·読了目安 約12分

変更要約: 初版(主題1.01・副主題1.01.1〜1.01.5に対応)

1.3ブートプロセスとsystemd

この節の要点

電源投入から Linux が使えるようになるまでの流れと、systemd によるブートターゲット管理を学びます。UEFIBIOSブートローダー→カーネル→systemd の順序、systemctl でのデフォルトターゲットの設定・変更、シングルユーザーモード(rescue)への切り替え、shutdownhaltrebootpoweroff を押さえます。

「サーバーが起動しない」「GUI で起動してしまう」「メンテナンスのため最小構成で起動したい」— こうしたトラブル対応と運用の土台がブートプロセスの理解です。現代の Linux では起動処理の主役は systemd で、そのターゲットという単位で「どこまで起動するか」を制御します。

1.3.1電源投入から起動完了まで

  • 起動順序=UEFIBIOS(ハードウェア初期化・ブートデバイス選択)→ ブートローダー(GRUB2 がカーネルを選択・ロード)→ カーネルinitramfs でルートファイルシステムをマウント)→ systemd(PID 1 として各サービスを起動)。
  • systemd は依存関係に基づいてサービス(ユニット)を並列起動し、従来の SysV init より高速に起動する。
  • ターゲット=起動の到達点を表すユニットのグループ。主要ターゲット=multi-user.target(CUI・サーバー標準)/graphical.target(GUI)/rescue.targetシングルユーザーモード)/emergency.target(最小限)。

1.3.2systemctl によるターゲット操作

  • デフォルトターゲットの確認=systemctl get-default/設定=systemctl set-default multi-user.target(次回起動から有効)。
  • 稼働中の切り替えsystemctl isolate rescue.target(今すぐシングルユーザーモードへ。メンテナンス時に使用)。
  • 停止・再起動=systemctl 経由(systemctl poweroffsystemctl reboot)でも、従来コマンド(shutdownhaltrebootpoweroff)でもよい。現代ではどちらも最終的に systemd が処理する。
試験ポイント

「次回起動から=set-default/今すぐ切り替え=isolate」 の対比が 101 試験の急所です。「シングルユーザーモード(rescue.target)でメンテナンスしたい」→ systemctl isolate rescue.target、「常にCUIで起動させたい」→ systemctl set-default multi-user.target と、時点(今すぐ/次回以降)でコマンドを選び分けます。

トラブルシューティングの文脈で流れを押さえましょう。電源投入後まず UEFIBIOS が POST(ハードウェア自己診断)を行い、設定された優先順位のデバイスからブートローダー(GRUB2)を読み込みます。GRUB2 のメニューでカーネルとオプションを選ぶと、カーネルが initramfs(初期 RAM ディスク=本番ルートをマウントするためのドライバ類を含む)を展開し、ルートファイルシステムをマウントして systemd を PID 1 で起動します。systemd はデフォルトターゲットに向かって依存ユニットを並列起動し、ログイン画面(またはコンソール)に到達します。GUI で重すぎるサーバーは systemctl set-default multi-user.target で恒久的に CUI 起動へ。ディスク修復やパスワードリセットなどでは systemctl isolate rescue.target(またはブートローダーでカーネル引数に systemd.unit=rescue.target を指定)でシングルユーザーモードに入ります。rescue でも起動できない深刻な状態では emergency.target が最後の砦です。

目的コマンド効く時点
デフォルトターゲットの確認systemctl get-default
常に CUI で起動systemctl set-default multi-user.target次回起動から
今すぐシングルユーザーモードへsystemctl isolate rescue.target即時
停止/再起動shutdown / poweroff / reboot指定どおり
注意

ひっかけ: 「systemctl set-default rescue.target で今すぐシングルユーザーモードに入る」は誤りです。set-default は次回起動以降の設定で、今すぐ切り替えるのは systemctl isolate です。また起動順序で「ブートローダーがカーネルより後」「systemd がカーネルより先」といった順序の入れ替えも定番の誤答です(正しくは UEFI/BIOS→ブートローダー→カーネル→systemd)。

UEFI/BIOS→ブートローダー→カーネル→systemd という起動順序の図。
順序そのものが頻出ポイント

1.3.3この節のまとめ

  • 起動順序=UEFI/BIOS→ブートローダー(GRUB2)→カーネル(initramfs)→systemd(PID 1)
  • set-default=次回から/isolate=今すぐ。CUI 標準は multi-user.target・救助は rescue.target

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. システム稼働中に、メンテナンスのため今すぐシングルユーザーモードに切り替えたい。適切なコマンドは?

Q2. Linux の起動プロセスの順序として正しいのはどれ?

Q3. GUI 付きで起動しているサーバーを、次回起動から常にテキストコンソール(CUI)で起動するよう設定したい。適切なコマンドは?

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