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第1章 · コアデータの概念·v2.0.0·更新 2026/6/3·読了目安 約13分

変更要約: DP-900 第1章を AZ-900 基準まで深掘り(データ3種類+保存先比較表/役割比較表、OLTP/OLAP+ACID/データウェアハウス/ETL・ELT、シナリオ・FAQ・ひっかけ・クイズ増)

1.2トランザクション処理と分析処理(OLTP と OLAP)

この節の要点

データのワークロードの2大分類——トランザクション処理(OLTP)と分析処理(OLAP)——の違い、ACID特性、データウェアハウスや ETL/ELT の関係を理解します。

データの使われ方は大きく2つに分かれます。日々の業務を支える トランザクション処理(OLTP) と、意思決定のための 分析処理(OLAP) です。同じデータでも、「業務を回すために使う」のか「過去を分析して判断するために使う」のかで、最適なデータベースの設計が変わります。DP-900 ではこの2つの違いと、両者をつなぐ流れ(ETL/ELT とデータウェアハウス)を押さえます。

1.2.1OLTP と OLAP

OLTP(トランザクション処理:小さな読み書きが多数・業務を日々支える・高速で一貫した取引・例:受注、銀行)と、OLAP(分析処理:履歴を対象に大量読み取り・意思決定や帳票を支援・集計や傾向・例:ダッシュボード、BI)を対比した図。
トランザクション処理と分析処理

OLTP(オンライントランザクション処理)は、受注・在庫更新・銀行取引のように、小さな読み書きを多数・高速に処理するワークロードです。ここでは「取引が確実に正しく行われること」が最優先で、そのために ACID という性質が求められます。すなわち、Atomicity(原子性:全部成功か全部失敗)、Consistency(一貫性:矛盾しない状態を保つ)、Isolation(分離性:同時実行が干渉しない)、Durability(永続性:確定後は失われない)です。OLTP 向けのデータベースは、こうした取引を支えるよう正規化された設計になっています。

OLAP(オンライン分析処理)は、大量の履歴データを読み取り・集計して、傾向分析やレポート、ダッシュボードを作るワークロードです。多数のデータソースを集めた データウェアハウス に対し、「地域別・期間別の売上合計」のような集計クエリを実行します。読み取り中心で、分析しやすいよう非正規化された設計(スタースキーマ等)が使われます。

観点OLTP(トランザクション)OLAP(分析)
目的日々の業務を回す履歴を分析し意思決定
操作小さな読み書きが多数大量読み取り・集計
データ最新・詳細履歴・集約
設計正規化(ACID重視)非正規化(集計向け)
受注・銀行取引売上ダッシュボード・BI

1.2.2OLTP から OLAP への流れ(ETL/ELT)

多くの構成では、OLTP の業務データを分析基盤(OLAP/データウェアハウス)へ移して分析します。この移送の過程が ETL(Extract:抽出 → Transform:変換 → Load:書き込み)です。先に変換してから書き込むのが ETL、先に書き込んでから後で変換するのが ELT で、クラウドの大規模データでは ELT がよく使われます。いずれも、前節で学んだデータエンジニアが構築するパイプラインの中心的な処理です。

シナリオ:銀行のシステム。 ATM や送金など日々の取引は OLTP(ACID で確実に処理)。一方、経営層が「支店別・月別の取引傾向」を見るためのダッシュボードは OLAP。取引データは ETL/ELT でデータウェアハウスに集約され、そこに対して集計クエリが走ります。同じ「取引データ」でも、処理する目的でシステムが分かれます。

注意

混同に注意:
OLTP=小さな読み書きが多数(業務)/OLAP=大量読み取り・集計(分析)。「受注処理」は OLTP、「売上ダッシュボード」は OLAP。
ACID は OLTP(取引の正しさ)の文脈で問われる。
ETL(変換してから書き込み)と ELT(書き込んでから変換)の語順の違いに注意。

補足

Q. ACID の各文字は? Atomicity(全部成功か全部失敗)・Consistency(矛盾しない)・Isolation(同時実行が干渉しない)・Durability(確定後は消えない)。Q. なぜ OLTP と OLAP を分ける? 大量の分析クエリを業務DBで実行すると日々の取引が遅くなるため、分析用に別基盤(データウェアハウス)へ移します。Q. データウェアハウスとデータレイクの違いは? ウェアハウスは「整形済みの構造化データ」を分析用に格納、データレイクは「あらゆる形式の生データ」を大量に保管します。

試験ポイント

OLTP=日々の取引(小さな読み書きが多数・ACID)/OLAP=分析・集計(履歴に対する大量読み取り)の区別は頻出です。「受注処理」=OLTP、「売上ダッシュボード」=OLAP。ACID は OLTP の取引の正しさを表す性質です。

1.2.3この節のまとめ

  • OLTP=日々の取引(小さな読み書き多数・正規化・ACIDで正しさを保証)
  • OLAP=分析・集計(履歴への大量読み取り・データウェアハウス・意思決定支援)
  • OLTP→OLAP の移送は ETL(変換→書込)/ELT(書込→変換)=データエンジニアのパイプライン

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. 受注システムで日々大量の小さな読み書きを処理するワークロードはどれですか?

Q2. 過去の売上履歴を集計して経営ダッシュボードを作るワークロードはどれですか?

Q3. OLTP の特徴として最も適切なものはどれですか?

Q4. トランザクションの「全部成功するか、全部取り消されるか」を保証する ACID の性質はどれですか?

Q5. 業務データを抽出・変換して分析基盤へ書き込む処理を一般に何と呼びますか?

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