変更要約: DP-300 第5章を深掘り(図ja化・比較表/シナリオ/FAQ/ひっかけ/深掘り段落を全節に追加)
5.1バックアップとリストア
Azure SQL の自動バックアップと 特定時点復元(PITR)、長期保持(LTR)、geo 復元、保持期間(RPO/RTO の考え方)を理解します。データ損失からの復旧の基礎です。
誤削除や障害に備え、Azure SQL は自動でバックアップを取得します。必要に応じて特定時点や別リージョンへ復元できます。
5.1.1バックアップと復元の種類
- 自動バックアップ:フル/差分/トランザクションログを自動取得。既定で geo 冗長に保存できる。
- 特定時点復元(PITR):保持期間内の任意の時点に復元する(誤操作からの回復に有効)。
- 長期保持(LTR):週次/月次/年次で数年単位の保持を行う(コンプライアンス向け)。
- geo 復元:別リージョンの geo 冗長バックアップから復元する(リージョン障害時)。
「誤操作前の時点に戻す=特定時点復元(PITR)」「数年単位の保持=長期保持(LTR)」「別リージョンへ復元=geo 復元」「許容データ損失=RPO、許容停止=RTO」 は DP-300 で頻出です。要件の RPO/RTO に応じてバックアップ/HA-DR を設計します。
PITR の保持期間は既定で数日〜最大数週間です。それを超える長期保存が必要なら LTR を構成します。
Azure SQL の自動バックアップは、フル(週次目安)・差分(数時間ごと)・トランザクションログ(5〜10 分ごと)の組み合わせで、ログ頻度が RPO を実質決めます。PITR はこれらを使い、保持期間(既定 7 日、最大 35 日)内の任意の秒単位の時点へ新しい DB として復元します(上書きではなく別名で復元→切替が定石)。LTR は週次/月次/年次のフルバックアップを最長 10 年保持し、規制・監査要件に応えます。バックアップ ストレージの冗長は LRS/ZRS/GRS から選べ、geo 復元 は GRS の geo 冗長バックアップを使って別リージョンに復元します(リージョン障害時の最後の砦・ただし非同期のため RPO は大きめ・RTO も時間単位)。誤操作対策では、削除済み DB も保持期間内なら復元可能。RPO/RTO の関係は「ログ間隔が短い=RPO 小」「復元に要する時間=RTO」で、より厳しい要件には次節の HA/DR(ゾーン冗長・geo レプリケーション)を併用します。MI ではネイティブ COPY_ONLY バックアップを Blob に取得することも可能です。
| 復元手段 | 用途 | 範囲/保持 |
|---|---|---|
| PITR | 誤操作・直近の障害から復旧 | 同リージョン・最大 35 日 |
| LTR | 規制・監査の長期保存 | 週/月/年・最大 10 年 |
| geo 復元 | リージョン障害からの復旧 | 別リージョン・GRS バックアップ |
シナリオ: 「直近 30 日は任意時点へ戻したい、かつ監査のため年次バックアップを 7 年保持」が要件。→ PITR の保持を 30 日に設定し、LTR で年次バックアップを 7 年保持するポリシーを構成します。リージョン障害に備え、バックアップ ストレージは GRS にして geo 復元を可能にします。
FAQ: Q. PITR と LTR の違いは? → A. PITR は保持期間(最大 35 日)内の任意時点への復元、LTR は週/月/年単位で最長 10 年の長期保存です。Q. 復元は上書きですか? → A. いいえ。通常は別名の新しい DB として復元し、確認後にアプリの接続先を切り替えます。
ひっかけ: 「長期(数年)の保存も PITR で行う」は誤りです。PITR は最大 35 日まで。数年単位は LTR。また「geo 復元はリージョン障害でも RPO ゼロ」も誤り(geo 冗長バックアップは非同期で、直近の更新が失われ得る=RPO は大きめ)。
5.1.2この節のまとめ
- 復元=PITR(時点)/LTR(長期)/geo 復元(別リージョン)
- 設計指標=RPO(データ損失)・RTO(停止時間)
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理解度チェック
(軽い確認用)Q1. 誤って大量のデータを削除した。数時間前の状態に戻したい。何を使いますか?
Q2. コンプライアンス上、バックアップを数年単位で保持する必要がある。何を構成しますか?
Q3. プライマリのリージョンが障害で利用不能になった。別リージョンのバックアップから復元したい。何を使いますか?

