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第6章 · セキュリティとコンプライアンス·v2.2.0·更新 2026/6/28·読了目安 約11分

変更要約: in-scope サービス網羅(是正): Network Firewall 節に Web 保護の AWS WAF(L7・SQLi/XSS/レート制限の IaC 適用)を追加(参考書で未説明だった軸B欠落を解消)

6.2脅威検知とコンプライアンスの自動化

この節の要点

継続的なセキュリティ統制——GuardDutySecurity HubAWS ConfigInspectorMacie自動修復——を理解します。検知・評価・是正を自動で回します。

セキュリティは継続的に自動化します。脅威を検知し、構成のコンプライアンスを評価し、逸脱を自動是正します。

6.2.1検知・評価・是正

セキュリティ自動化を示した図。脅威検知に GuardDuty(不審な API/通信を ML 検知)、構成コンプライアンス評価に AWS Config(ルールで継続評価・逸脱検出)、脆弱性スキャンに Amazon Inspector(EC2/ECR)、機微データ検出に Amazon Macie(S3 の PII)、検出結果の集約に Security Hub(複数サービス/アカウントを一元化・スコア化)を並べ、検出を EventBridge→Lambda/SSM Automation で自動是正につなぐ継続的な統制の流れを示した図。
セキュリティの検知・評価・是正
  • GuardDuty:ログを ML 分析し脅威/不審なアクティビティを検知
  • AWS Config:構成をルールで継続評価し逸脱を検出(修復アクションと連携)。
  • Inspector / MacieInspector=脆弱性スキャン(EC2/ECR)Macie=S3 の機微データ検出
  • Security Hub:複数サービス/アカウントの検出結果を一元集約・スコア化
試験ポイント

「脅威検知=GuardDuty」「構成コンプライアンス/逸脱=Config」「脆弱性スキャン=Inspector」「S3 の機微データ検出=Macie」「検出の一元集約=Security Hub」、そして検出→EventBridge→自動修復、は DOP-C02 で頻出です。役割(検知/評価/スキャン/集約)を取り違えないこと。

DOP-C02 のセキュリティ自動化は「組織全体で検知・評価・集約・是正を継続的に回す」設計が問われます。GuardDuty は VPC フローログ・DNS ログ・CloudTrail を取り込み ML で脅威を検知し、組織の委任管理者アカウントで全メンバーを一元管理します。AWS Config はマネージド/カスタムルールで構成準拠を継続評価し、Conformance Pack をルール群として組織配布、違反には修復アクションを関連付けます。Amazon Inspector は EC2・ECR コンテナイメージ・Lambda の脆弱性を継続スキャンし、Amazon Macie は S3 の機微データ(PII 等)を検出・分類します。これらの検出結果は Security HubASFF 形式で集約され、CIS や AWS 基礎セキュリティ標準に対するスコアと、横断的な可視化を提供します。是正は EventBridge が結節点で、Security Hub の検出(Findings)や Config 非準拠イベントを受け、重大度に応じて Lambda/SSM Automation/Step Functions を起動します。組織横断では、各サービスを委任管理者に集約し、ログは中央のセキュリティアカウントへ送るのが定石です。DevOps の観点では、これらをパイプラインに統合し(ECR スキャン結果でデプロイをブロックConfig ルールで IaC のドリフトを検出)、セキュリティを「あとから」ではなく継続的に組み込む(DevSecOps)ことが重要です。

役割サービス対象/特徴
脅威検知GuardDutyログを ML 分析・不審な振る舞い
構成コンプライアンスAWS Configルール評価+修復・Conformance Pack
脆弱性スキャンInspectorEC2/ECR/Lambda の CVE
機微データ検出MacieS3 の PII を分類
補足

シナリオ:マルチアカウント環境のセキュリティ検出を 1 か所で見て、重大なものは自動是正、それ以外は通知だけにしたい。→ GuardDuty/Config/Inspector/Macie委任管理者アカウントに集約し、検出結果を Security Hub に集めてスコア化。Security Hub の Findings を EventBridge で受け、重大度 CRITICAL/HIGH は SSM Automation/Lambda で自動是正、MEDIUM 以下は SNS でセキュリティチームに通知、と重大度でルーティングします。

補足

FAQ:GuardDuty・Inspector・Macie・Config の違いは? GuardDuty は振る舞いベースの脅威検知、Inspector は既知の脆弱性(CVE)スキャン、Macie はS3 の機微データ検出、Config は構成のコンプライアンス評価です。検出の「種類」が異なり、いずれの結果も Security Hub に集約できます。設問のキーワード(脅威/脆弱性/機微データ/構成)で見分けます。

注意

ひっかけ:「EC2 やコンテナの脆弱性をスキャン」を GuardDuty にするのは誤り。脆弱性スキャンは Inspector です。GuardDuty は振る舞いの脅威検知であってパッチ/CVE のスキャナではありません。同様に「構成が暗号化必須に準拠しているか」は Config、検出の集約は Security Hub——役割を厳密に区別します。

6.2.2検出後の根本原因分析(Amazon Detective)

Detective(Amazon Detective)は、GuardDuty などのセキュリティサービスが生成した検出結果を起点に、根本原因分析と影響範囲の調査を支援するサービスです。VPC フローログ・CloudTrail・GuardDuty の検出結果を自動的に取り込み、エンティティ(IP アドレス、ユーザー、リソース)間の関係をグラフ(行動グラフ)として可視化します。セキュリティアナリストはコンソールから「この IP はいつ・どのリソースに接触したか」「この IAM ユーザーの通常とは異なる行動パターンはいつからか」を掘り下げられます。GuardDuty が「何かがおかしい」と検知するのに対し、Detective は「なぜ・どこまで広がったか」を解明する調査ツールです。ログを手動で相関分析する代わりに、Detective が自動でデータを集約・グラフ化するため、平均修復時間(MTTR)を短縮できます。

サービス役割典型的な使いどころ
GuardDuty脅威/異常の検知(検出結果の生成)「何かがおかしい」の発見
Detective検出結果を起点とした根本原因分析「なぜ・どこまで広がったか」の調査
Security Hub複数サービスの検出結果を集約・スコア化組織横断のセキュリティ態勢の可視化
試験ポイント

「GuardDuty の検出結果を調査して原因・影響範囲を特定したい = Amazon Detective」。Detective は検知ではなく検知後の調査(フォレンジック支援)に特化しています。「なぜ侵害が起きたか」「どのリソースが影響を受けたか」を問う設問で Detective を選びます。GuardDuty・Security Hub・Detective を同時に問う設問では役割の違い(検知/集約/調査)を意識してください。

6.2.3ネットワーク層の防御(Network Firewall)と Web 保護(WAF)

Network Firewall(AWS Network Firewall)は、VPC に配置するマネージドなステートフルファイアウォールです。セキュリティグループ(インスタンス単位の許可リスト)や NACL(サブネット単位の許可/拒否)より高度に、ドメイン名フィルタリング(許可ドメインのみ送信可)や Suricata 互換の IPS 署名による侵入防止、L3〜L7 のトラフィック検査を行います。DevOps 文脈では、Transit Gateway と組み合わせて複数 VPC の egress(外向き通信)を 1 か所に集約検査し、許可した外部サービスにのみ通信を限定する構成が定番です。SG/NACL が「ポート/IP の単純な制御」なのに対し、Network Firewall は「ドメイン/署名ベースの中央集権的なネットワーク統制」を担う、と役割を区別します。

アプリケーション層(L7)の Web リクエストを保護するのが AWS WAF(Web Application Firewall)です。CloudFront・ALB・API Gateway の前段に置き、SQL インジェクションやクロスサイトスクリプティング、レート超過(ボット/総当たり)などの悪意あるリクエストをルールでブロックします。DevOps 文脈では、WAF のルール(マネージドルールグループ含む)を CloudFormation/Firewall Manager で IaC 化し、複数アカウント・複数ディストリビューションへ一貫適用するのが定番です。Network Firewall(VPC の L3〜L7 ネットワーク統制)と WAF(公開 Web エンドポイントの L7 リクエスト保護)は対象層と配置が異なる、と整理します。

6.2.4この節のまとめ

  • 検知=GuardDuty/評価=Config/スキャン=Inspector/機微=Macie
  • 集約=Security Hub/是正=EventBridge→Lambda/SSM
  • 調査=Detective(検出結果から根本原因・影響範囲を解明)
  • ネットワーク防御=Network Firewall(ドメイン/IPS・egress集約検査)/Web保護=WAF(L7・SQLi/XSS/レート制限を IaC で一貫適用)

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理解度チェック

(軽い確認用)

Q1. EC2 やコンテナイメージ(ECR)の既知の脆弱性を自動でスキャン・評価したい。何を使いますか?

Q2. S3 に個人情報(PII)が保存されていないか自動で検出・分類したい。何を使いますか?

Q3. 複数アカウント横断のセキュリティ検出結果を一元集約し、態勢をスコア化して可視化したい。何を使いますか?

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