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第4章 · ネットワークアシュアランス·v1.0.0·更新 2026/7/20·読了目安 約18分

変更要約: 初版

4.1障害診断の道具(debug・ping・traceroute・SNMP・syslog)

この節の要点

debugとCPU負荷を抑える条件付きdebug、L3到達性を測るping(拡張pingのsource/size/df-bit)、経路上のどこで止まるかを見るtraceroute、機器状態をポーリング/通知で集めるSNMP、事象を時系列で残すsyslog重大度(severity)の設計を、「本番機に負荷をかけずに、どの道具で何を確定させるか」という切り分けの判断として学びます。

ネットワークアシュアランスは「壊れてから調べる」技術ではなく、平常時の状態を測り続け、異常時に最短で原因の層と箇所を確定させる技術です。ENCORのこの領域で最も問われるのは、道具の名前ではなく道具の選択順です。本番のコアルータでいきなりdebug ip packetを叩けばCPUが飽和して障害を増やしかねません。まずは負荷ゼロのshowと、既に流れているsyslogを読み、次に到達性をping/tracerouteで切り分け、それでも足りないときに範囲を絞ったdebugへ進む——この順序が実務でも試験でも正解の骨格です。

4.1.1debug と条件付き debug

  • debug はプロセスの内部処理をリアルタイムに出力するため、プロセススイッチングを誘発しCPU使用率を跳ね上げる。本番機ではdebug ip packetのような広範なdebugは事実上禁じ手で、まずshow ip ospf neighborshow interfacesshow loggingなど負荷のかからないshowで仮説を絞るのが定石。有効中のdebugはshow debuggingで確認し、undebug all(=no debug all)で確実に止める。
  • 条件付きdebugdebug condition interface GigabitEthernet0/1 のように条件を先に設定してからdebugを有効化すると、出力が該当インターフェイス(あるいはdebug condition ipなどのフィルタ)に一致するものだけに絞られ、CPU負荷と出力量を劇的に抑えられる。条件はshow debug conditionで確認し、undebug allではなくno debug condition allで解除する点に注意(条件だけ残ると次のdebugが意図せず絞られる)。
  • debug の出力先は既定でコンソールのみ。SSH/Telnet の vty で見るにはterminal monitorが必要で、後から読み返したいならlogging buffered 8192 debuggingのようにバッファに落としてshow loggingで回収するほうが安全(コンソール出力はコンソールが低速だと機器全体を遅くする)。時刻の突合のためservice timestamps debug datetime msecNTP同期を先に整えておく。

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